単位 (学校)

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学校における単位(たんい)とは、進級や卒業に大きく関わってくる教科・科目ごとの学習量である。

概要[編集]

高校では実際の授業時間数であるコマ数とほぼ同一だが、大学では授業の内容によりコマ数と単位は異なっている。
小学校中学校義務教育では教科ごとの学習量という意味で単位を使用することがあるが、あまり意識はされず、授業時間数が主に用いられる。

高等学校における単位[編集]

単位を意識し始めるのは概ね高校からである。1年間に最低35週間授業を行う週があると仮定し、1回50分の授業を35回行ったものが1単位とされる。時間の長さでは50分×35回=1750分[注 1]
学校教育法施行規則で高等学校の生徒は必履修科目を含めた74単位を修得すること[注 2]が定められている。

単一の普通科目で最も単位数が多いのは体育で、標準で7~8単位を卒業までに修得しなければならない。全日制高校であれば、1年に2~3単位修得することになる。

1年毎の単位数は1週間に行われる授業の回数とほぼ同義である。一例として国語教科で必修となっている現代の国語と言語文化の2科目の標準単位数はどちらも2である。3年間で2単位を修得すればよいため、1年次は現代の国語を週2、2年次は言語文化を週2で開講して授業を行い、3年次の国語教科は選択科目のみ開講して生徒は所属する学科・コースに応じて、或いは希望する科目を履修する。

定期考査で赤点を取る、授業を受ける態度が悪い、欠席が多いなどの理由で単位不認定(通知表での当該科目の評価が「1」)になると、その科目の単位は修得できていない。科目の成績が1になる事が避けられない場合、当該の生徒に通告が行く。
そのような状態になっても追試験を受験して合格する、レポートを提出するなどの措置をクリアすることで単位が認定される。もし進級・卒業に必要な単位数を修得できていないと原級留置となり、前年と同じ学年のクラス所属となり、既修得科目を含め、前年通りの授業を再び受けることになる[注 3]

大学における単位[編集]

大学の単位も高校と同様で、各教科・科目毎に単位数が設定され、必修科目の単位数と選択科目の単位数を合計し、各教科を担当する教員から単位の認定を受ける。

一方、高校と違い同じ授業時間でも、自学自習原則の講義は2単位、演習は1単位と授業内容によって単位が異なることが特徴となっている。

必修科目で単位不認定を起こすと確実に卒業延期となり、進級不可となることもある。また、2年時よりコース分けがある場合、上級年次の授業の履修関連でコースから指定された科目の単位を満たせないと希望のコースに配属できない場合がある。

その他[編集]

専修学校(高等専修学校、専門学校)は中学校と同じ授業時間数制が原則だが、一部学校で単位制も実施されている。

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  1. 学校によっては1750分を基準に据え、60分授業×30回で1750分を満たすようにしている場合や朝学習探究科目などで10分授業×175回(10分×週5日×35週)で1750時間を設定している場合もある。
  2. 大半の学校ではホームルーム活動を含める名目で76単位の修得が定められる。
  3. 単位制高等学校では、未修得科目の再履修となり、ホームルームのクラスが下級生と同じになる原級留置は最終学年以外ではなく、卒業単位に満たなければ卒業保留になる。