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タニシ

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
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タニシ
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分類
ドメイン 真核生物
動物界
軟体動物門
原始紐舌目
タニシ科
名称
学名 Viviparidae
J. E. Gray, 1847
和名 タニシ (田螺)
英名 River snails
mystery snails

タニシは、原始紐舌目タニシ科に属する淡水性の巻貝である。

概要[編集]

河川湖沼水田に生息する小さい巻貝である。

コケや動物の死骸、プランクトンを食べる。

オスの右の触角は曲がっているが、メスは両方伸びている。

生む子供の数は、オオやヒメ、マルは30~40匹くらいだが、ナガタニシは数個体ほど。

サカマキガイモノアラガイはよくタニシと混同される。また「ジャンボタニシ」という別名を持つスクミリンゴガイもタニシではない。

主な種類[編集]

日本では、6種のタニシが生息している。ここでこの6種簡易的に紹介する。なお、詳しい解説はそれぞれの記事を参考にされたし。

マルタニシ属 Cipangopaludina Hannibal, 1912
マルタニシ Cipangopaludina cf. laeta (Martens, 1861)
成貝は殻長6cmになる。螺塔が低く、殻は丸みが強い。また殻頂は尖っていない。
シナタニシ Cipangopaludina chinensis (Gray, 1834)
九州に分布するユーラシア大陸産の外来種。マルタニシと形状的な差は不明。2019年に日本初記録された[1]
ヒメタニシ属 Sinotaia Haas, 1939
ヒメタニシ Sinotaia quadrata histrica (Gould, 1859)
北海道から沖縄県に生息する。殻高は6cm。汚濁に比較的強い。基亜種のシノニム(同一)である可能性も指摘されている。
ナガタニシ属 Heterogen Annandale, 1921
ナガタニシ Heterogen longispira (E. A. Smith, 1886)[2]
琵琶湖とその周辺にのみ生息する。他の種に比べ殻は長く殻高7㎝になる。
オオタニシ Heterogen japonica (Martens, 1861)[2]
北海道九州に生息する日本固有種。
螺塔が高く、尖った感じである。ナガタニシに比べ、殻が膨らんでいるがマルタニシほどではない。また殻頂は尖っている。
イワトコタニシ Heterogen sp. sensu hirano et al. 2019[2]
琵琶湖に生息する未記載種のタニシ。2019年に初めて発見された[2]

用途[編集]

水中の有機物をこしとって自己の栄養にするので、観賞魚の水槽や河川の水質の浄化に使われる。

食用[編集]

よく茹でて様々な料理に使われる。泥臭いのでしっかり絶食させる。

寄生虫[編集]

タニシにはジストマがいるので、食用にするときは加熱する。魯山人は生に近い状態で食べて命を落とした。

アクアリウム[編集]

コケ取り用の生体として飼育される。

単独で飼うよりもメダカ金魚などと一緒に飼育されることが多い。

出典[編集]

  1. Hirano, T.; Saito, T.; Tsunamoto, Y.; Koseki, J.; Ye, B.; Do, V. T.; Miura, O.; Suyama, Y.; Chiba, S. (17 April 2019). ‘‘Enigmatic incongruence between mtDNA and nDNA revealed by multi-locus phylogenomic analyses in freshwater snails’’. Sci Rep 9 (6223). doi:10.1038/s41598-019-42682-0.
  2. a b c d Hirano T.; Saito T.; Tsunamoto Y.; Koseki J.; Larisa Prozorova; Van Tu Do; Matsuoka K.; Nakai K.; Suyama Y.; Chiba S.(16 October 2019). ‘‘Role of ancient lakes in genetic and phenotypic diversification of freshwater snails’’. Molecular Ecology 28 (23): 5032-5051. doi:10.1111/mec.15272.