マルタニシ

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マルタニシ
分類
新生腹足目
タニシ科
タニシ属
シナタニシ
亜種マルタニシ
名称
学名Cipangopaludina chinensis laeta
Cipangopaludina cf. laeta
和名マルタニシ (丸田螺)
保全状況


マルタニシとは、新生腹足目タニシ科に属する淡水性巻貝の一種である。

概要[編集]

北海道本州九州四国沖縄諸島の湿地や池、水田などに生息する。沖縄のマルタニシは移入の可能性があり、宮古島では絶滅した可能性もある。

乾燥に強く、水の抜けた田んぼでも泥にもぐって耐える事ができる。藻類や蓄積物を食べる。

雌雄異体で、殻径8mmのそろばん玉ような形の稚貝を生む。

形状[編集]

殻は緑褐色で、貝殻は3~4cmほどで最大6cmのものもいる。蓋は淡褐色。

オオタニシよりも大きくなり、螺塔が細い。ヒメタニシより小型で、殻底が角ばっている。

シナタニシとは形状から区別出来ない。

分類[編集]

本種はシナタニシの亜種とされる事も多かった。

hirano et al., (2015)は、mtDNAシトクロムcオキシダーゼとrDNAゲノム分析により独立種とした[1]

人間との関わり[編集]

佃煮にして食べられるタニシは、マルタニシである。産業振興や農家の副業などの目的で移入された場所もある。

近年は、水質汚濁や農薬散布、用水路の改修などの影響で生息地と個体数が減少している。また移入されたジャンボタニシの影響で、生息地が減少している可能性がある。

弥生時代以前に中国から持ち込まれた外来種説もあったが、mtDNA分析により否定された[1]

出典[編集]

  1. a b Takahiro, Hirano; Takumi, Saito; Satoshi, Chiba (2015). “Phylogeny of freshwater viviparid snails in Japan”. Journal of Molluscan Studies, Volume 81 (4): 435-441. doi:10.1093/mollus/eyv019.