オオタニシ

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オオタニシ
分類
動物界
軟体動物門
腹足綱
新生腹足目
タニシ科
ナガタニシ属
オオタニシ
名称
学名Heterogen japonica
(Martens, 1861)
和名オオタニシ (大田螺)
保全状況

オオタニシとは、新生腹足目タニシ科の淡水性巻貝の一種である。

形状[編集]

高さ7cm、径4.6cm

殻皮は、褐色〜黒褐色ので光沢がある。

蓋は、同心円型。

マルタニシよりも角ばっており、幼貝はその特徴が強く、そろばんの珠のような形である。

生態[編集]

北海道本州四国九州に生息する。沖縄には未生息。北米に移入されている。

淡水棲で、止水域か流れの弱い所に生息し、小川や用水路、溜池、水田、湿地等の泥底で見られる。

マルタニシヒメタニシと一緒に生息していることは殆ど無い。これは3種の食性が似ており、同じ場所にいると競争が起きるためである[1]

雌雄異体である。6~8月に平均50.7 匹の幼貝を産む。冬期は泥に潜ってで越冬する。

分類[編集]

殻が角張ったものをPilsbry (1902)がViviparusjaponica ver. iwakawa (カクタニシ)として記載しており、亜種や独立種とされる事もあったが、現在ではオオタニシと同一とされる。

かつては、マルタニシ属に分類されていたが、近年の遺伝子解析からナガタニシ属であるとされている[2]

人との関係[編集]

農薬や水質汚濁、用水路のコンクリート化により数が減っている。ヒメタニシは汚濁に強いが、オオタニシは弱い。

食用になり、産業振興の目的や農家の副業として移入された場所もある。貝殻には光沢があり、人形細工の材料になる。

出典[編集]

  1. 藤林恵、中野和典、千葉信男、野村宗弘、西村修「脂肪酸解析による伊豆沼周辺に生息する タニシ類の餌同化内容の解明」、『伊豆沼・内沼研究報告』第2巻、宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団、2008年、 27-33頁、 doi:10.20745/izu.2.0_27
  2. Hirano T., Saito T., Tsunamoto Y., Koseki J., Larisa Prozorova, Van Tu Do, Matsuoka K., Nakai K., Suyama Y., Chiba S. (16 October 2019). ‘‘Role of ancient lakes in genetic and phenotypic diversification of freshwater snails’’. Molecular Ecology 28 (23) : 5032-5051. doi:10.1111/mec.15272.