長崎浩

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長崎 浩(ながさき ひろし、1937年 - )は、評論家、身体運動学者。

略歴[編集]

東京生まれ。1960年東京大学理学部卒業[1]。同大学院修士課程を経て[2]、1963~70年東京大学物性研究所助手[3]。1973年東京都神経科学総合研究所リハビリテーション研究室(非常勤)。1980年東北大学医学部附属リハビリテーション医学研究施設[1]。1986年「Timing and rate of development of tension produced by the fast voluntary contraction of the rectus femoris muscle(大腿直筋の急速な随意収縮による張力の発生時間と発生率に関する研究)」で医学博士(東北大学)[4]。同年東京都老人総合研究所運動機能部門。1999年東北文化学園大学医療福祉学部教授。2005年東北文化学園大学大学院教授[1]

60年安保闘争に共産主義者同盟(第一次ブント)の一員として参加、その分裂後は「革命の通達派」(革通派)に所属した。全共闘運動には助手共闘の一員として参加する。この頃に「叛乱論」を雑誌『情況』に発表して論壇に登場した[5]。第二次ブントの分裂後は共産主義者同盟情況派[6]、1974年の情況派の分裂後は「遠方から」派に所属し[7]、雑誌『遠方から』『オルガン』などで執筆活動を展開する。

『第三文明』1979年12月号に掲載された座談会「マルクスを葬送する」(笠井潔津村喬・長崎浩・戸田徹小阪修平)をきっかけに、笠井・戸田・小阪と共に「マルクス葬送派」と呼ばれる。

著書[編集]

単著[編集]

  • 『叛乱論』 合同出版、1969年/新版、彩流社、1991年
  • 『結社と技術――長崎浩政治論集』 情況出版、1971年
  • 『政治の現象学あるいはアジテーターの遍歴史』 田畑書店、1977年/世界書院、2019年
  • 『超国家主義の政治倫理』 田畑書店、1977年
  • 『革命の問いとマルクス主義――階級、自然、国家そしてコミューン』 エスエル出版会(エスエル現代歴史思想選書)、1984年
  • 『1960年代――ひとつの精神史』 作品社、1988年
  • 『日本の過激派――スタイルの系譜』 海燕書房、1988年
  • 『世紀末の社会主義――変革の底流を読む』 筑摩書房、1990年
  • 『日本人のニヒリズム』 作品社、1992年
  • 『BMW糞尿・廃水処理システム――自然の自浄作用を活かす』 農山漁村文化協会(民間農法シリーズ)、1993年
  • 『「細菌」が地球を救う――B・M・W技術の挑戦』 東洋経済新報社、1996年
  • 『からだの自由と不自由――身体運動学の展望』 中央公論社(中公新書)、1997年
  • 『技術は地球を救えるか――環境問題とテクノロジー』 作品社、1999年
  • 『思想としての地球――地球環境論講義』 太田出版、2001年
  • 『動作の意味論――歩きながら考える』 雲母書房、2004年
  • 『叛乱の六〇年代――安保闘争と全共闘運動』 論創社、2010年
  • 『共同体の救済と病理』 作品社、2011年
  • 『革命の哲学――1968叛乱への胎動』 作品社、2012年
  • 『リアルの行方』 海鳥社、2014年
  • 『乱世の政治論愚管抄を読む』 平凡社(平凡社新書)、2016年
  • 『摂政九条兼実の乱世――『玉葉』をよむ』 平凡社、2018年
  • 『幕末未完の革命――水戸藩の叛乱と内戦』 作品社、2019年
  • 『叛乱を解放する――体験と普遍史』 月曜社、2021年

共著[編集]

  • 黒田寛一をどうとらえるか』 大久保そりや高知聰喜里山博之降旗節雄富岡裕成岡庸治共著、芳賀書店、1971年
  • 『全共闘解体と現在』 田中吉六、津村喬、神津陽、黒木龍思、小野田襄二、花崎皋平、池田浩士共著、田畑書店、1978年
  • 『全共闘解体と現在』 増補版、田中吉六、津村喬、神津陽、笠井潔、小野田襄二、花崎皋平、池田浩士、長谷川宏、宮内嘉久共著、田畑書店、1984年
  • 『西部邁ビジネス文明批判――尾根道をたどりながら』 西部邁共著、作品社(「現在」との対話)、1986年
  • 『基礎運動学』 第5版、中村隆一、斎藤宏共著、医歯薬出版、2000年/第6版、2003年
  • 『臨床運動学』 第3版、中村隆一編著、斎藤宏共著、医歯薬出版、2002年
  • 『観察による運動・動作分析演習ノート――動作・解答例CD-ROM付』 藤澤宏幸共著、医歯薬出版、2009年

編著[編集]

  • 『七〇年代を過る――長崎浩対談集』 編著、エスエル出版会、1988年
  • 『脳卒中の機能評価と予後予測』 中村隆一、天草万里共編、医歯薬出版、1991年/第2版、1997年/新版、2011年
  • 『運動学実習』 第3版、中村隆一、齋藤宏共編、医歯薬出版、2004年

出典[編集]

  1. a b c 観察による運動・動作分析演習ノ-ト / 藤澤 宏幸/長崎 浩【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア
  2. 思想としての地球 / 長崎 浩【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア
  3. 絓秀実ほか『LEFT ALONE――持続するニューレフトの「68年革命」』 明石書店、2005年、290頁
  4. CiNii 博士論文 - Timing and rate of development of tension produced by the fast voluntary contraction of the rectus femoris muscle
  5. 叛乱論 | 彩流社
  6. 絓秀実『革命的な、あまりに革命的な――「1968年の革命」史論』作品社、2003年、111-112頁
  7. 板橋真澄「長崎浩」、戦後革命運動事典編集委員会編『戦後革命運動事典』新泉社、1985年、199頁

外部リンク[編集]