情況

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情況(じょうきょう)は、情況出版が発行している季刊雑誌。「変革のための総合誌」[1]と銘打った左翼理論誌である[2]

概要[編集]

古賀暹により、1968年に情況社が設立され[3]、同年7月に月刊誌『情況』(8月号)が創刊された[4]。古賀によれば、哲学者の廣松渉が当時の金で100万円援助して、創刊されたものだという。古賀はいったん断ったが、喫茶店で上半身の服を脱ぎ、さらしから100万円を出し、「男が一度出した金を引っ込めることはできない」と言われたことから、創刊を決意したと言う[5]

「変革のための総合誌」と銘打ち、主に新左翼系の活動家や理論家による論文が掲載された[6]。古賀によれば、同誌は自身が属していた共産同再建準備委員会(通称:情況派)とは別のジャーナリズムであり、党派が情況派と呼ばれることは迷惑だったという[7]。新左翼系の学生に大きな影響を与えたが、1976年暮に101号で休刊した[6]

古賀は休刊後すぐ西ドイツに渡り[2]、1986年(または1984年[8])に帰国[3]、1990年7月に第2期『情況』を創刊した[9]。古賀によれば、帰国後『情況』を再刊する気はなかったが、廣松渉の要請により、再刊に至ったという[10]。創刊号の特集は「壁なき世界の思想を問う」、巻頭論文は廣松渉の「“壁”崩壊後の歴史的課題情況」[9]、その他の執筆者は今村仁司三島憲一江原由美子最首悟など[2]。古賀は2000年に引退し[3]、発行元の情況出版を大下敦史に譲渡した[10]

沿革[編集]

  • 第1期:1968年 - 1976年。月刊。発行は情況編集委員会(1-2号)、情況社(3-31号)、情況出版。
  • 第2期:1990年 - 2000年。
  • 第3期:2000年 - 2011年。途中で隔月刊となる。
  • 第4期:2012年 - 。途中で月刊となるが、再び隔月刊に戻る。2017年春号から季刊となる。

脚注[編集]

  1. 『情況』2017年夏号
  2. 2.0 2.1 2.2 「“逆風”に抗し第2期創刊(雑誌界)」『朝日新聞』1990年6月10日付朝刊11面(読書)
  3. 3.0 3.1 3.2 北一輝―革命思想として読む 紀伊國屋書店
  4. 『戦後思想の一断面――哲学者廣松渉の軌跡』104頁
  5. 『破天荒な人々――叛乱世代の証言』130-131頁
  6. 6.0 6.1 宮本則夫「情況」『戦後革命運動事典』131頁
  7. 『破天荒な人々――叛乱世代の証言』133頁
  8. 『破天荒な人々――叛乱世代の証言』102頁、138頁
  9. 9.0 9.1 『戦後思想の一断面――哲学者廣松渉の軌跡』165頁
  10. 10.0 10.1 『破天荒な人々――叛乱世代の証言』140-141頁

参考文献[編集]

  • 荒岱介、古賀暹 「親子二代、雪のふる日に人生が変わっていく」 荒岱介編著 『破天荒な人々――叛乱世代の証言』 彩流社、2005年、101-142頁
  • 熊野純彦 『戦後思想の一断面――哲学者廣松渉の軌跡』 ナカニシヤ出版、2004年
  • 戦後革命運動事典編集委員会編 『戦後革命運動事典』 新泉社、1985年

外部リンク[編集]