自閉
自閉(じへい)は、一般的には「『コミュニケーション能力が低いこと』および『限定された興味』を特徴とする疾患」とされている[1]。
とはいえ健常が障礙者にイチャモンとか難癖とかをつけているだけの話かもしれず、いじめを正当化するための言いつくろい反応の一種ではないか、という見解もある。
ついでながら、「日本自閉症スペクトラム学会」では、「症」の字を取って「日本自閉スペクトラム学会」に改称するという動きがある。
概要[編集]
要因としては、「他者概念の獲得の遅れ」がある。
「私の意思とは異なったものとしての何かが存在する」ということから、「他者」という概念を獲得し、同時に「自分」という概念を獲得するプロセスが、年齢に比して遅れているのが自閉である。「初めて『他者』を意識した相手は猫だった」という自閉も多い。[2]
副次的な傾向としては、「属事的な判断」が優先するので、「属人的な判断」が疎かになりがちである。したがって、「変性意識状態」に入りやすく、割込みを嫌う。将棋棋士などは一時間以上の長考に入ることも珍しくないが、自閉当事者からすると「そんなもんか」と思う。数学者や物理学者に至っては、「三日考えて答えが出ないものを問題という」らしい。
要因としては、ブルーノ・ベッテルハイムの著作である『うつろな砦 ― 自閉症』によって「冷蔵庫マザー」説があったが、実証研究においておおむね否定された。「おそらくは遺伝的な要因であろう」という見解が当事者からはあがっているが、健常を自認する(主に母親による)保護者からの反対によって、未だに認められずにいる。
歴史[編集]
そもそもは「自閉」症状とは、医学分野において、「老人性痴呆症」(現在でいう「認知症」)の症状のひとつを指す言葉であった。
その後、同様の「自閉症状」が若年層にも表れるため、「自閉症」という症状が精神分裂症(現在の(統合失調症)」)の症状として医学界で認められた。
これに対し、ハンス・アスペルガーが「幼児にも『自閉症』が発症する」と主張し、[3]現在の(医学用語としての)「幼児自閉症」「自閉症」「広範性発達障害」「アスペルガー症候群」「アスペルガー症候群」「自閉症スペクトラム」といった医学上の区分が生まれた。
ただし、医学上の「自閉症」と教育界における「自閉」の間には見解におけるギャップがあり、しばしば「自閉」という用語の解釈の違いがあったりする。
特徴[編集]
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幼児の場合は、
- 視線が合わない -「視線が合わない」というのは、「他者が自分を見ている」という認識がないことによる。
- 指差しをしない
- 「クレーン現象」は、何かを欲求するときに、対象の手を取って「もの」に導く行動である。たとえばカメが西にゆこうとしているとすると、取りあげて東に向ければ東に行くとは限らない。つまりは「他者」概念を獲得していないため、「カメにはカメの都合がある」ということを理解していないからである。普通の子供は「なぜあなたは私の要望に応えてくれないのか」という抗議の意味で泣くが、自閉児は「願望が満たされない状況」を悲しんでいるだけである。
- オウム返し - 「オウム返し」も、「他者が自分に語りかけている」という理解を共有していないため起きる。
- 「ごっこ遊び」をしない。
- 常同行動 - 「常同行動」は、現在のところ原因不明である。「同じことを同じようにすると、同じ結果が出る」ことに安心するのかもしれない。自閉は「ぐるぐる回るもの」が好きだといわれる。
- 幼児語(「ブーブー」(自動車)、「ワンワン」(犬)など)を使わない - 「幼児語を使わない」のは、「社会的な一般性を欠く」からであると思われる。「オノマトペ」は一般的であり、「自閉はオノマトペを使わない」といったエビデンスはない[4]
- 「発話に遅れがある」とされ、三歳くらいまで発話がなく、発話したらしたで「いきなり大人のような喋りかたをする」ともされる。そのため難聴や緘黙症、あるいは脳障害の一種である失語症を疑われることも多い。
- 感覚過敏 - 接触過敏と聴覚過敏は一般的である。聴覚過敏に関しては、自身を「みみをふさぐひと」と認識し、成人の自閉当事者を「みみをふさぐひと」と認識している幼児もいる。
- 食事の好き嫌い・偏食 - この点に関しては誤解が多い。「いつも食っているからハズレを引く心配がないので安心」であり、「飽きない」だけの話である。「朝食は白飯に味噌汁に香の物に焼き魚、昼の弁当は鮭弁」とかいった生活を何十年と続けている日本人は数多くいる。能楽の分野には「熊野(ゆや)松風に米の飯」という言葉がある。
- 顔を向けずに横目でにらむように見るなどの視線の異常。
などがある。
また、「粗大運動が苦手であり、微細運動が得意である」
とされている。とはいえ卓球[5]やスキーなどは得意であったりもするので、「粗大運動」と「微細運動0」という分類が適切であったかどうかは疑問である。とくに水泳などは、「クロールとバタフライはいけるけれど、その他はダメ」という人も多く、いわゆる管理教育の被害者である。
成人の場合は
- 制度的行動
- ルーチンワークに割り込まれると混乱する
といった傾向などがある。その意味では、プログラマーやシステムエンジニア、プロジェクト・マネージャーなどには自閉傾向のある人物が多いように見受けられる。[6]
例えば、イーロン・マスクは米国のTV番組サタデー・ナイト・ライブにて自身がアスペルガーであることを公言している。[7]
また、多くのソフトウェアエンジニアは靴下を綿の黒の同じブランドをまとめ買いしており、「暗闇の中でも、靴下を一足選べばいい」と、ジェラルド・ワインバーグは著書で述べている。[8]
- 鉄ヲタが多い
という話もある。物理学者で情報処理学会の設立者である高橋秀俊さんは鉄オタであり、「線形で分岐があるものが好き」であったという。[9]東條吉邦(国立特殊教育総合研究所分室長)[10]さんは自閉当事者を公言してしていて、やはり鉄オタである。[11]
- 特撮ファンが多い
統計を取ったわけではないが周囲を見てると特撮マニアに自閉者は多いと思われる。またある自閉所施設の勤務者の話によると入所者が全員『西部警察』を食い入るように見ていたという。爆発音などに惹かれる傾向はあるかもしれない。
- プロレスファンが多い
これも統計を取ったわけではないのだが、健常者と比較してプロレスの仕組みに気づきずらく、プロレスをマジで見てしまう層に該当すると思われる。また個性豊かで民族色を強調したいで立ちに惹かれるファンも多いのだろう。自閉者はカテゴライズが好きだからである。
またこれは個人差があると思うのだが、それまで興味のあった事でも一旦何かのスイッチが入ると全く興味を無くしてしまい一切をやらなくなるという困った傾向がある。よく、5ちゃんねるなどで、自閉の特徴として「興味のない事はやらないし、できない」という事が顰蹙を買っているが、現実問題何かの拍子に興味を失ってしまうと、いくら何十万単位でお金をつぎ込んでいても関わらなくなるので非常に困る。
いわゆる「アスペ」[編集]
かつては「高機能広汎性発達障害」と呼ばれ、IQ が70以上であり、高機能自閉に分類された。なお、言語発達によって古典的高機能自閉とアスペルガーが分類される。 ところが知能指数が 130 を越えて高学歴のアスペが出てきたので、マスコミによる「犯罪者予備軍」としてのレッテルが否定されたために、「私はアスペです」ではなく「私は自閉です」と公言する人も増えてきた。当事者以外の人間が「アスペ」というと、「私は IQ が 70 以下ではないぞ」と言っているようで、所謂知的障害の人を差別しているように聞こえてしまうという理由もあると思われる。たかがペーパーtテストの成績であって、黒柳徹子さんや岸田今日子さんの例を考えると、「アスペルガー傾向」は OK だが「アスペ」は TPO による。
自閉当事者が「アスペ」を使うのはまったく問題がないが、いわゆる定型発達者が不快な表情を見せることがままある。自閉当事者が「私自身が当事者であり」云々を説明しても、「いやぁ、そんなふうには見えませんよ」と追従笑いをしたりするので、「自閉は自閉らしく振舞えってことか?」と余計に腹が立つ。
フェミニズムとの関係[編集]
「男の方が多いが、女性は出ると重い」というのが当事者感覚であるが、これが性別(セックス)によるものか性的役割(ジェンダー)によるものかという点については、フェミニストを自称する方々からの非難が多い。「女性に期待されるジェンダーが鬱陶しい」というので「私は自閉ではないか?」と考える人も当事者には多く、自閉界隈は「性的マイノリティの溜り場」的な役割を担っていそうに思う。
「診断」と判別[編集]
自閉傾向そのものは、とくに「病」でも「症」でもないので、「診断」にはなじまないが、IQテストにおいてデコボコが大きいというのは一つの目安とされる。
「共通語を話し、いわゆる「方言」を使わない」ということが統計的に有意に認められる。ただし、関西弁は関西共通語の一種なので、自閉だからといって関西弁を話さないわけではない。 判別に関しては、自閉どうしは「匂いでわかる」という意見もあるが、おそらくこれは誤っている。具体的には「女・子供・年寄り・動物・ガイジンに警戒されない」という特徴があるが、なれなれしくされたくないので黒ずくめファッションを纏う人もいる。男性の場合は、いわゆる「アキバルック」も多い。
自閉あるある[編集]
- 「『舌切り雀』は正しくは『舌切られ雀』ではないだろうか」「『瘤取り爺さん』は正しくは『瘤取られ爺さん』ではないだろうか」とか考える。
- 「こだわりのラーメン屋」とかいった表現を見ると、心の中でせせら笑う
- 昼飯がだいたい一緒で、「日替わり定食」は避ける。
- 「揖保乃糸 手延ひやむぎ」は、美味いと思うのだが「本来、素麺は延ばして作り、冷麦は切って作るもの」という認識があるので、「JASの規格では太さの違いだから」と自分に言い聞かせて我慢する。
- 一定の基準に則って整然と並んでいる状態が好きである。悩ましいのが図書館で、「大型本はいちばん下の段」とか「文庫は別の棚」とかいったルールがあるので、文献検索システムの設計にまで踏みこむ奴もいる。
- 何かの拍子で、「ここではないどこか」=異世界に行ってしまう事が多い。つまり、現実世界なのだが人間が機械のように動いている世界というか。耳を連続して塞ぐ開けるを繰り返したり、左斜め上から直射日光が差し込むと起きやすい。
筆者だけかもしれない。
自閉と恋愛[編集]
コミュニケーション能力が低い事が多い当事者は、ことさら恋愛のステージにおいては不利益を被る事が多く、自由恋愛をベースにした活動では失敗ばかりを積み重ね、結婚というゴールまでに至らない事が多い。
このため、俗に言う「非モテ」という存在には自閉当事者の割合が高い。ごくまれに容姿に恵まれていて女性の側から告白される事で関係が成立する自閉男性もいるが、稀なケースである。
基本的に、恋愛は相互の人間関係の構築であるため、マジョリティに合わせにくい自閉当事者にとって、女性の発言に共感し相手の求める事を提供する活動は不得手ともいえる。自閉当事者の会話は当人の関心事に限定される事が多いので、対話のやり取りで会話と関係性を深めていくことは難しいとされる。ならば自閉者の男女ならば関係性の構築は可能かと問われれば、異なる特質を持った自閉者同士の関係性の進展は難しいため、自閉者にはその人だけの取扱説明書とされることもある。お互い守るべきルールが違う事が多い。
当事者である高森明と上野一彦の対談において、「就労より厳しい! 恋愛問題」という節がある[12]。
女性の場合は、「理解のある彼くん」が現れることが多い。
自閉と語学[編集]
語学学習に関しては自閉当事者の場合、適応してどんどん邁進していく者と、努力の甲斐もなくまるでダメな者と両極端に分かれるようだ。自閉当事者には聴覚情報処理障害も多くヒアリングで手こずると思える。また、ある自閉当事者は日本語を外国語のように習得したといい[13]、日本語処理システムを開発することで、ようやく自分が話している日本語の文法が腑に落ちたというものもいる。
自閉と軍隊[編集]
とある自閉者が占い師に見てもらったところ「軍人向き」と出たそうである。当人は運動音痴だったので「外した」と憤慨していたが、軍隊ゆえの起立性や上官の命令に絶対服従する精神は自閉向きかもしれないと思った次第である。また、頭脳的に優れていてロジックでものが考えられるタイプの自閉は軍師や参謀向けかもしれない。自閉症者の中には戦略シミュレーション好きが多いと聞いている。
脚注[編集]
- ↑ Special:文献資料/-4895928526
- ↑ 自閉スペクトラムの当事者の集まりとして、「発達障礙相互支援ネットワーク」(なんだかんだで二十年以上続いている)のメンバーによると、「幼少期には『保護者』『教師』というのは鬱陶しいものであった。その点『猫』は『対等な他者』であったらしく、猫とは親和性があった」という人はいた。
- ↑ Special:文献資料/978-1-85302-577-8
- ↑ 事例研究としては、松本敏治『自閉症は津軽弁を話さない ― 自閉スペクトラム症のことばの謎を読み解く』がある。
- ↑ 前衛・変則・カットマン・ペンホルダー遣いというややこしい奴がいたりする。
- ↑ 自閉には「嘘を吐く」能力はないので、「本当のことを言わない」「嘘のような本当のことを言う」という能力に長けていたりする。したがって「自閉話法」に慣れている人には信用されるため、偉い人には信用されやすい。ただし、嘘吐きには足を引っ張られやすい。
- ↑ https://www.bbc.com/japanese/57059511
- ↑ スティーブ・ジョブスは「服を選ぶために余計なリソースを割きたくない」と言っていた。三宅一生の黒のモックタートルネックを愛用していたことで知られている。三宅はジョブズのために黒のタートルネックを「100着くらい」作ったといい、ジョブスは 2011年に亡くなるまでそれを着ていた。https://www.tjapan.jp/fashion/17564879?page=4 などを参照のこと。
- ↑ 「bit」(共立出版のコンピュータ・サイエンス誌)のバックナンバーを漁ってみるからしばらく待ってくれ。
- ↑ https://info.ibaraki.ac.jp/Profiles/7/0000689/profile.html
- ↑ 本人から携帯の待受け画像を見せられたので間違いはないと思うのだが、「国立特殊教育総合研究所」に鉄道模型を設置したという話がどこかの新書にあったので、蔵書を漁ってみるからしばらく待ってくれ。
- ↑ 高森明『アスペルガー当事者が語る特別支援教育 ― スロー・ランナーのすすめ』(金子書房、2007年)
- ↑ 真嶋潤子が考えていること 発達障害者の言語習得について2023年10月22日閲覧。
関連項目[編集]
出典[編集]