海難
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海難 (かいなん)とは、平時に於いて海上、特に船の船体、積荷、乗船者が海上において危険に遭遇する、いわゆる遭難をいう。海戦や通商破壊といった人為的な船の喪失は該当しない。
概要[編集]
陸上世界から隔絶された海上は、船に何らかの事故が起きると多くの船員、乗客に命の危険が迫る。特に大型の船は構造が複雑で脱出が難しく、これまでに多くの船が事故を起こし、多くの命を飲み込んできた。
海難事故発生時に水泳が上手い人は助かるのではないかと考える人も居るが、自然の水域は目に見えない水流や波があり、静かな水面のプールと違って多くの体力を消耗する。そのため泳げる人であっても海難事故では助からない場合がある。
海難の原因[編集]
悪天候[編集]
悪天候の中での航行は非常に危険で、浸水、転覆、沈没に繋がる。天気予報のなかった時代は悪天候になることも知らないまま出港し、遭難することもあった。特に水密甲板のない江戸時代の北前船などの和船は、集中豪雨や高波で船が浸水して浮力を失い、沈没することがあった。
衝突、火災[編集]
船は速度が遅いが、急に止まることもできず、重量が大きいので衝突すると船に大きな亀裂が入り、そこから浸水する。また、貨物船の積荷が可燃物や爆薬だと大爆発を起こすこともある。
定員超過、可積載、荷崩れ[編集]
船が不安定となり、バランスを崩して転覆、沈没する。
懲戒・事故究明[編集]
海難事故については、海技士等の懲戒は国交省の特別の機関である海難審判所、原因究明は運輸安全委員会に事件が付託される。
懲戒については、免許取り消し、業務停止、戒告といった裁決がなされ、不服の場合は東京高裁に裁決取消訴訟を提起できる。
なお、2008年9月までは、海難審判庁が懲戒と原因究明の審判を行っていた。