吉村昭

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吉村昭(よしむら あきら、1927年5月1日 - 2006年7月31日)は、日本の作家・ノンフィクション作家。

人物[編集]

東京の工場主の三男として生まれる。学習院高等科から学習院大学文学部へ進み、純文学小説を書き始める。文学仲間の津村節子と結婚し、芥川賞候補に四回なるがいずれも落選(うち一回は、当選の連絡を受けて文藝春秋へ行ったら落選していたことがあった)、妻津村が芥川賞をとり、以後少女小説で家庭が裕福となる。1966年、ノンフィクション小説ともいうべき『戦艦武蔵』を発表するほか、「星への旅」で太宰治賞を受賞し、『高熱隧道』などの近代日本ノンフィクションもので作家としての地歩を確立し、1973年、『戦艦武蔵』『関東大震災』で菊池寛賞を受賞する。また前野良沢を描いた『冬の鷹』や『長英逃亡』のほか、近世日本の医師を描いた小説を多く描き、楠本イネを描いた『ふぉん・しいほるとの娘』で1978年に吉川英治文学賞受賞、『漂流』は映画化され、1985年脱獄囚を描いた『破獄』で読売文学賞芸術選奨文部大臣賞、弟の死を描いた私小説『冷い夏、熱い夏』で毎日芸術賞水戸天狗党を描いた『天狗争乱』で大佛次郎賞、1997年、日本芸術院会員となる。97年、司馬遼太郎賞に選ばれたが辞退した。

ほかに『桜田門外ノ変』『生麦事件』『破船』『魚影の群れ』『うなぎ』は今村昌平監督で映画化されカンヌ映画祭でグランプリ。

純文学から歴史小説、漂流記小説など多種多様な小説を膨大な数書き残している。