座席撤去車
座席撤去車(ざせきてっきょしゃ)は、鉄道車両などの座席を一部あるいは全部撤去して混雑緩和やバリアフリー化などを図ったもの。
概要[編集]
鉄道車両などでは必ず複数の箇所に座席が設けられるが、諸般の事情により座席を撤去しなければならない場合がある。
主な原因として以下のものがある。
- ワンマン化のために運賃箱や整理券発行機を設置
- バリアフリー化のために車椅子スペースを設置
- トイレの設置、あるいはバリアフリー化のための拡大
- 追加した機器類が床下や屋根上に収まりきらなくなった
- 混雑緩和のために立席スペースを設置
- 荷物棚の設置
1〜4, 6のパターンはやむを得ない事情とも言えるが、5のパターンについては2022年にJR九州がコロナ禍の通勤における混雑緩和と極端な合理化を目的に813系に対して行い、「1時間立ちっぱなしだった」などと大炎上となった[1]。今後82本ある813系のうちの51本に行う予定であり、701系の座席数減少&オールロングシート地獄レベル、あるいはそれを超え、等級制度があった時代の三等車に形容できるくらいの劣悪ぶりで大顰蹙を買うことも想像に難くない。ロングシートはまだしも、せめて通勤6ドア車のように、閑散時用の折りたたみロング座席を設置するべきではないのだろうか。同様の改造は221系に対しても行われたが、こちらはドア付近の固定座席を移設する形として撤去数も最低限で済ませ、代わりに折り畳み式の補助座席を設けている。その後、813系にはロングシート化改造を受けた車両が登場しているため、座席撤去自体は一時的な措置と考えて良い。
6のパターンについては、別番台への改造時に行われることが多い。代表的な例としてはE257-0系(特急あずさや特急かいじ)で使用されていた車両)がE257-2000系やE257-5000系(特急踊り子/波動用)へ改造される際、観光客向けとして現在では主流となった荷物棚を設置。その際、中央線時代では座席だった部分を改造した。そのため、一部窓が塞がれている。逆に荷物棚を撤去して座席を設置する改造が行われるパターンも少なからず存在する。
4のパターンについては営業車における事例はCBTC化対応工事を施工した12-600形や冷房化改造を行った旧近鉄ナロー車両程度だが、事業用車や試験電車への改造車では頻繁に見られる。
改造車一例[編集]
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- 1のパターン
- 国鉄113系電車
- 国鉄115系電車
- 国鉄119系電車
- 関東鉄道キハ100形気動車
- 近鉄1201系電車
- 近鉄9000系電車
- 国鉄キハ40系気動車 (2代) - キハ47のみ
- 富山地方鉄道14760形電車
- 富山地方鉄道10030形電車
- etc.
- 2のパターン
- etc.
- 3のパターン
- 国鉄213系電車
- 近鉄600系電車
- 近鉄2800系電車 - 一部の4連
- JR西日本221系電車 - トイレ無し車両の座席数を、1両あたり64席から56席に削減
- etc.
- 6のパターン
- JR東日本E257系2000・2500番台
- 富士急行6700系
- etc.
関連項目[編集]
脚注[編集]
- ↑ 竹次稔、山本諒、あなたの特命取材班 (2022年3月15日). “JR九州の座席撤去に困惑…1車両で最大4割「通勤1時間以上、立ちっぱなしに」”. 西日本新聞. 2022年3月16日確認。