富山地方鉄道14760形電車
富山地方鉄道14760形電車 | |
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基本情報 | |
運用者 | 富山地方鉄道 |
製造所 | 日本車輌製造 |
製造年 | 1979年 - 1981年 |
製造数 | 7編成14両、増結用1両 |
主要諸元 | |
編成 | 2両編成 |
軌間 | 1,067 mm |
電気方式 | 直流1500V |
最高運転速度 | 95 km/h |
編成定員 | 222名 |
車両定員 | 111名 |
自重 | 38.0 t |
全長 | 18,550 mm |
全幅 | 2,770 mm |
全高 | 4,150 mm |
主電動機 | 東洋電機製造 TDK-8205A |
主電動機出力 | 110 kW |
駆動方式 | 中空軸平行カルダン駆動方式 |
歯車比 | 6.07 |
制御方式 | 抵抗制御 |
制動装置 | HSC-D |
富山地方鉄道14760形電車(とやまちほうてつどう14760がたでんしゃ)は、1979年に登場した富山地方鉄道の鉄道車両。2022年時点で富山地方鉄道の鉄道線系統最後の自社発注車でもある。
登場の経緯[編集]
1970年代に入ると、富山地方鉄道ではHL制御で出力も低く、輸送力の小さい雑多な旧型車の置き換えが急務となっていた。そこでこれらの置き換えのために14710形を名鉄から譲り受けたが、それでも不足するため富山地方鉄道創立50周年を記念して1979年より自社発注車として製造されたのが本系列である。
増備の途中で14770形と車番が重複してしまう事態を避けるために途中で14770形を14790形に改番している。
構造[編集]
車体は1961年登場の10020形を基本とした18m級片開き2ドアの全鋼製車体で、内装は扉間が転換クロスシート、車端部ロングという構成になった。
また、富山地方鉄道で初めて冷房が取り付けられた。
塗装については当初は雷鳥を模した白とグレーの塗装に小豆色の帯が巻かれているものとなっていたが、後に2編成のみが10030形に準じた黄色と緑の通称かぼちゃに塗り替えられている。
主電動機は直流直巻電動機のTDK-8205Aで、端子電圧375V時出力110kWとされ、中空軸平行カルダン駆動、歯車比6.07で駆動する。
制御方式は抵抗制御で、1C8M方式のES777A-Mとされた。
ブレーキ方式は従来車に準じてHSC-D電磁直通ブレーキとなっている。
台車は軸バネ式の空気バネ台車であるND-308とされている。
こうして1981年までに2連7本、Tc車1両の計15両が製造された。
その後の動向[編集]
冷房用電源にはMGを搭載していたが、後に一部がクハ170形などの冷房化の際にSIVに変更されている。クハ173やクハ174に冷房用電源が取り付けられるまでは該当編成と組んだ際にのみ冷房の使用が可能となっていた。
10030形の登場後は特急運用の増加のために車端部のクロスシート化も進められたが、全編成には及ばなかった。
1997年には非特急運用対応車が、2004年には特急運用対応車がワンマン化されている。クハ175のみはワンマン化されなかった。
2019年には10020形が全廃となったが、クハ175はその後本系列とのみ編成を組むようになった。
2023年現在、廃車は出ていないが、クハ175は2022年10月末以降稲荷町に入場しており、今後が注目される。
関連項目[編集]
- 富山地方鉄道本線
- 富士急行5000形電車 - 同じく地方私鉄の自社発注車としてはかなり意欲的な設計であった。2019年引退。