小泉義之

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小泉 義之(こいずみ よしゆき、1954年 - )は、哲学者。立命館大学大学院先端総合学術研究科特任教授。

略歴[編集]

札幌市出身[1]北海道札幌南高等学校卒業[2]。1988年東京大学大学院人文科学研究科博士課程哲学専攻退学。埼玉大学教養部非常勤講師を経て、1990年宇都宮大学教育学部講師。同助教授、教授を経て、2002年立命館大学文学部教授、2003年同大学大学院先端総合学術研究科教授[3]。2009~2011年度同研究科長[4]。2020年定年退職、立命館大学大学院先端総合学術研究科特任教授[5]。立命館大学名誉教授[6]ルネ・デカルトジル・ドゥルーズの研究で知られる。

人物[編集]

小泉義之「〈68年〉以後の共産党—革命と改良の間で」[注 1]によると、高校・大学時代は民青共産党で活動していたという。この論考は2018年5月10日に京都大学人文科学研究所で開かれた人文研アカデミー2018連続セミナー「〈68年5月〉と私たち―68年5月と現在、政治と思想を往還する」で発表された後、『週刊読書人』6月1日号に掲載された「1968年以後の共産党―革命と改良の間で」を加筆したものである。小泉はセミナーでの発表の冒頭で「今回テーマとなる話は、公の場で話すのは初めてのことであり、今後話すこともない」と語っている。また王寺賢太の論文「《non-lieu》一歩前――1960年~70年代日本のアルチュセール受容」[注 2]への「補足・補遺の形になる」と語っている[7]

小泉は志位和夫共産党委員長と同期で、駒場(東大教養学部)の自治会委員長を務めたとされる[8]2ちゃんねるの小泉スレには「(小泉が東大で)共産党=民青の活動家をしていて出会ったのが若き日の志井共産党委員長」という書き込みが2005年になされている[9]

影響を与えた人物[編集]

著書[編集]

単著[編集]

  • 『兵士デカルト――戦いから祈りへ』(勁草書房、1995年10月)
  • 『デカルト=哲学のすすめ』(講談社[講談社現代新書]、1996年10月)
    • 『デカルト哲学』(講談社[講談社学術文庫]、2014年7月)
  • 『弔いの哲学』(河出書房新社[シリーズ道徳の系譜]、1997年8月)
  • 『ドゥルーズの哲学――生命・自然・未来のために』(講談社[講談社現代新書]、2000年5月/講談社[講談社学術文庫]、2015年10月)
  • 『レヴィナス――何のために生きるのか』(日本放送出版協会[シリーズ・哲学のエッセンス]、2003年3月)
  • 『生殖の哲学』(河出書房新社[シリーズ道徳の系譜]、2003年5月)
  • 『病いの哲学』(筑摩書房[ちくま新書]、2006年4月)
  • 『「負け組」の哲学』(人文書院、2006年7月)
  • 『デカルトの哲学』(人文書院、2009年7月)
  • 『倫理学』(人文書院[ブックガイドシリーズ 基本の30冊]、2010年7月)
  • 『生と病の哲学――生存のポリティカルエコノミー』(青土社、2012年6月)
  • 『ドゥルーズと狂気』(河出書房新社[河出ブックス]、2014年7月)
  • 『あたらしい狂気の歴史――精神病理の哲学』(青土社、2018年1月)
  • 『あたかも壊れた世界――批評的、リアリズム的』(青土社、2019年3月)
  • 『ドゥルーズの霊性』(河出書房新社、2019年6月)
  • 『災厄と性愛――小泉義之政治論集成I』(月曜社、2021年7月)
  • 『闘争と統治――小泉義之政治論集成II』(月曜社、2021年7月)
  • 『哲学原理主義』(青土社、2022年5月)
  • 『弔い・生殖・病いの哲学――小泉義之前期哲学集成』(月曜社、2023年5月)

共著[編集]

  • 『なぜ人を殺してはいけないのか?』(永井均共著、河出書房新社[シリーズ道徳の系譜]、1998年10月/河出書房新社[河出文庫]、2010年1月)
  • 『脱原発「異論」』(市田良彦王寺賢太絓秀実長原豊共著、作品社、2011年11月)
  • 『債務共和国の終焉――わたしたちはいつから奴隷になったのか』(市田良彦、王寺賢太、長原豊共著、河出書房新社、2013年9月)
  • 『狂い咲く、フーコー――京都大学人文科学研究所 人文研アカデミー『フーコー研究』出版記念シンポジウム全記録+(プラス)』(相澤伸依、市田良彦、上尾真道、上田和彦、王寺賢太、隠岐さや香、重田園江、北垣徹、久保田泰考、坂本尚志、柵瀬宏平、佐藤淳二、佐藤嘉幸、柴田秀樹、武田宙也、田中祐理子、千葉雅也、立木康介、中井亜佐子、長原豊、西迫大祐、丹生谷貴志、箱田徹、廣瀬純、藤田公二郎、布施哲、堀尾耕一、前川真行松本潤一郎、森本淳生、森元庸介共著、読書人、2021年8月)

編著[編集]

  • 『生命の臨界――争点としての生命』(松原洋子共編、人文書院、2005年2月)
  • 『ドゥルーズ/ガタリの現在』(鈴木泉、檜垣立哉共編、平凡社、2008年1月)
  • 『ドゥルーズの21世紀』(檜垣立哉、合田正人共編、河出書房新社、2019年1月)
  • 『フーコー研究』(立木康介共編、岩波書店、2021年3月)

訳書[編集]

  • ジル・ドゥルーズ『無人島 1969-1974』(監修、笹田恭史、杉村昌昭、鈴木創士、松葉祥一、三脇康生共訳、河出書房新社、2003年8月)
  • ジル・ドゥルーズ『意味の論理学』(河出書房新社[河出文庫]、2007年1月)
  • ルネ・デカルト『デカルト全書簡集 第二巻』(武田裕紀、山田弘明、東慎一郎、政井啓子、久保田進一、クレール・フォヴェルグ共訳、知泉書館、2014年2月)
  • ルネ・デカルト『方法叙説』(講談社[講談社学術文庫]、2022年1月)

脚注[編集]

[編集]

  1. 王寺賢太・立木康介編『〈68年5月〉と私たち――「現代思想と政治」の系譜学』(読書人、2019年4月)所収。
  2. 市田良彦・王寺賢太編『〈ポスト68年〉と私たち――「現代思想と政治」の現在』(平凡社、2017年10月)所収。なお王寺賢太・立木康介編『〈68年5月〉と私たち――「現代思想と政治」の系譜学』(読書人、2019年4月)には王寺の「京大人文研のアルチュセール―〈68年〉前後」が掲載されている。

出典[編集]

外部リンク[編集]