大法寺
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大法寺(だいほうじ)とは、長野県小県郡青木村当郷に存在する寺院である。宗派は天台宗。山号は一乗山観音院。当院にある三重塔は国宝、木造十一面観音立像や木像普賢菩薩立像など多くが国の重要文化財に指定されている。
概要[編集]
飛鳥時代末期の大宝元年(701年)、文武天皇の勅願により定恵が開山したといわれる古刹である。定恵は大化の改新で有名な藤原鎌足の息子である。ただ、定恵は生没年は諸説あるが、父親(669年没)より早くに死去したという説が有力なため、この伝説は疑問視せざるを得ない。
平安時代初期の大同元年(806年)、坂上田村麻呂の祈願により義真が、室町時代後期の永正8年(1511年)に戸隠山の観修院月如が開山になるなど、この寺は時代により衰退と再興、修復が繰り返されている。なお、当初は寺の名は大宝寺であったが、江戸時代中期の元禄10年(1697年)に応源によって大法寺と改名され、延暦寺の末寺に列した。
寺の広さはおよそ3800平方メートル、堂宇は室町時代後期に創建された本堂の他、江戸時代に造営された観音堂、庫裏、国宝の三重塔などがある。この三重塔は三間三層、檜皮葺で、鎌倉幕府滅亡の頃の墨書があり、天王寺の大工四郎兵衛のほか、7人の手によって建立されたといわれている。
他にも多くの重要文化財があるが、この寺の庭前の「千本松」と呼ばれる老松は長野県の天然記念物に指定されている。
鎌倉時代に親鸞がこの寺を訪れた際、自らが所持していた竹杖を地中に刺したところ、後年になって繁茂したといわれる「二股竹」もある。