営団ブザー
営団ブザー(えいだんブザー)は、東京メトロ(旧・帝都高速度交通営団)の駅で使用される発車サイン音の通称。
概要[編集]
JRをはじめとする多くの鉄道事業者では「ポロロロロロ」というようなベル音を採用しているが、営団地下鉄→東京メトロでは特殊な単音によるブザーを長年使用している。明確な使用開始時期は不明だが、少なくとも1956年の丸ノ内線淡路町-東京間開業時には使用されていた[1]ものと見られ、一説には戦前から使用されていたという情報もある。
長らく他事業者との共用駅を除く営団地下鉄の全駅で使用されたが、1991年の南北線開業時に同線に発車メロディが導入されたことを皮切りに、全9路線でブザーを使用する駅が減少を開始。最終的に、2020年2月7日の日比谷線導入をもって、後述の5駅を除く全駅への導入が完了した。
営団ブザー残存駅[編集]
他事業者との調整が必要な共同使用駅、また地上駅であり民家が近接している茗荷谷駅には発車メロディが導入されないことが明らかにされている。また、北千住駅の千代田線ホームにも発車メロディが導入されていない(理由としては、JR線の共通の配線設備を使用していることが主な要因。そのため、当初の予定ではメロディー化も検討されたが、設備に不備が出る恐れがあったことから、営団ブザーが存続となった)。
なお、丸ノ内線支線の方南町駅には丸ノ内線茗荷谷駅でかつて使用されていた曲、中野坂上駅2番線(1番線側・3番線側の2種類)には千代田線北千住駅の不採用曲が採用されている。ちなみに丸ノ内線支線の他の駅でも、中野富士見町駅には半蔵門線三越前駅の不採用曲(実際には「お江戸日本橋」を採用)、中野新橋駅には千代田線乃木坂駅の不採用曲(実際には乃木坂46の「君の名は希望」を採用)が採用されている。
路線名 | 残存駅 | 他社管理駅での残存駅 | その他の他社管理駅での状況 |
---|---|---|---|
銀座線 | なし | - | - |
丸ノ内線 | 茗荷谷駅 | - | - |
日比谷線 | なし | 中目黒駅(東急電鉄管轄) 北千住駅(東武鉄道管轄) |
- |
東西線 | なし | 中野駅3・4番線(JR東日本管轄) | 中野駅5番線(JR東日本管轄) - JRの発車メロディを使用 |
千代田線 | 北千住駅 | 代々木上原駅(小田急電鉄管轄) | - |
有楽町線 | なし | なし | 和光市駅(東武鉄道管轄) - 東武鉄道の発車メロディを使用 |
半蔵門線 | なし | なし | 渋谷駅(東急電鉄管轄) - 発車ベルを使用 |
南北線 | なし | なし | 目黒駅(東急電鉄管轄) - 車上メロディおよび駅備え付けの発車ベルを併用(いずれも、東急目黒線系統の共通発車メロディ) |
副都心線 | なし | なし | 渋谷駅(東急電鉄管轄) - 東京メトロとしての発車メロディを使用 和光市駅(東武鉄道管轄) - 発車ベルを使用 |
朝ラッシュ時限定で営団ブザーを使用している駅[編集]
一部の駅では朝ラッシュ時間帯に特殊取扱が行われている駅がある。これらの駅では駅員によって営団ブザーを鳴らしている。車上メロディ側の営団ブザーはここでは省略する。
また、放送装置の故障・停止位置の都合・ホームドア設置工事等により一時的にブザーが使用される場合もある。(例:北綾瀬駅、乃木坂駅)
種類[編集]
以下に示す音程は独自に耳コピしたものであり、正確な音程を表すものではない。[ ]で囲ったものは和音で鳴るもの。
- C♯6 - 千代田線北千住駅(1番線)、銀座線・丸ノ内線赤坂見附駅(旧2・3番線)
- [F5 G5 C6]×6 - 日比谷線・東西線茅場町駅(旧1 - 4番線)。2003年10月まで使用された、6打点が3回繰り返される特殊なチャイム。
- B5 - 千代田線北千住駅(旧1番線)
- D5 - 半蔵門線三越前駅(旧3番線)
- C♯5 - 標準タイプ
- C5 - 採用例多数(車上メロディー、北千住駅2・6・7番線など)
- A♯4 - 半蔵門線押上駅(旧3番線)
- A4 - 有楽町線小竹向原駅(旧4番線)
- G♯4 - 有楽町線小竹向原駅(旧2番線)
- [F♯4 A♯4] - 半蔵門線押上駅(旧4番線)
- [A3 C4 D♯4] - 半蔵門線表参道駅(旧3番線)
脚注[編集]
- ↑ 大手町駅60年の軌跡:RE:NOVATION 大手町駅改装工事のご案内 東京メトロ、2021年2月23日閲覧。「丸ノ内線大手町駅開業」の写真左上、ラッパ型の機械が営団ブザー発生装置