名鉄2200系電車

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
名鉄2300系電車から転送)
ナビゲーションに移動 検索に移動
金山駅にて。2234F

名鉄2200系電車(めいてつ2200けいでんしゃ)は、名古屋鉄道の所有する特急型電車の1形式。本項では一般車の2300系、派生形式の2230系・2330系についても記述する。便宜上、豊橋方先頭車の番号をとって「2201F」「2202F」と表記する。1700系については名鉄1600系電車の項目を参照されたい。

概要[編集]

パノラマカーグループに代わる汎用特急車として2005年より製造が開始された。本系列は観光用よりもビジネス寄りの性格が強く、展望席を備えないことが特徴である。愛称も持っていない。

登場の経緯[編集]

中部国際空港の開業に伴い、当初は1600系3500系3700系連結した、一部特別車の急行を運用する予定であったが、新造する方針に切り替えられ、これに伴い4本が製造され、一部特別車の特急の運用に就いた。

その後、名鉄の特急政策の見直しにより2007年より1000系全車特別車及び1600系の置き換えのために5本を投入し、2008年には1600系改造の1700系と併結するための4編成分の16両を投入。2015年からは1030系の置き換えのために4本を投入し、さらに1700系置き換えのための無茶な発注分として2019年と2020年に4本分8両の特別車が落成。これにより6連17本102両体制となった。

構造[編集]

車体は全車共通で、19m級の鋼製車体となっており、前面も2000系に準ずるが、貫通扉はなく、ただのダミーとなっている。ただし将来的に何かと繋げることを想定しているのか、一般車側先頭車のみ貫通幌を設置できるスペースは確保されている。なお、2000系とは違い、この部分にマジックミラーが設置されていたが、2018年製造車以降は窓ガラスに切り替えられ、既存車もすべて交換された。

特別車は2000系に準じ、2+2の回転式リクライニングシート・LCD車内案内表示器を備える。トイレは洋式のものと男性用のものを設置している。対して一般車は同時期に登場した3300系に準じ、ロングシートと転換クロスシートが約半分ずつの割合で配置され、LED案内表示器(2015年以降の製造車はLCD)が付いている。

ただし、2004年に製造された車両は一般車の転換クロスシートが2+2列となっているのに対し、2007年以降に製造された車両は2列+1列になっており、ロングシートと2+1列の転換クロスシートで構成されているという、他社でも例を見ないようなものとなっている。

主要機器は170kWの三相誘導電動機&WNドライブ&IGBT素子のVVVFインバータ制御で、基本的に3300系と同仕様だが、ソフトを若干変更して起動加速度を2.3km/h/sに引き上げている。

台車はSUミンデン式のボルスタレス台車で、これは3300系の増備途上でダイレクトマウント空気ばね台車に切り替えられた後もすべて同じ仕様になった。

製造別概説[編集]

1次車
空港線開業に伴う一部特別車特急増発のため、2004年に製造。4本24両(2201F~2204F)が該当。
2次車
特急政策見直しの際、大量に残っていた全車特別車の1000系1600系を置き換えるため、2007年に製造。5本30両(2205F~2209F)が該当。
先述の通り、転換クロスシートが2+1列に変更されている。ちなみに、この5本のみ常滑 - 中部国際空港間で流れるBGMが当初は『Around the World』であったが、すぐに変更されている。
2330系
導入理由は上記2次車と同じであるが、一般車のみの製造となり、特別車は予算削減のため、特急政策見直しの対象車両の中でも車齢が若い1600系→1700系の一部車両をそのまま流用した。が、約10年後に編成中の1700系のみが置き換えられることになり、現在はただの飛び番号編成となっている(後述)。4本24両(1701F~1704F→2231F~2234F)が該当。
方向幕がフルカラーLEDに変更され、一般車側の貫通扉もどきが、単なるスペースの確保だけでなく準備工事まで施工されるようになった。
なお、一部機器には、1700系に転用されずに廃車となった、1600系ク1600の廃車発生品を流用している。
3 - 5次車
パノラマスーパーのリニューアル対象外となった1030系を置き換えるため、2015年から2018年にかけて製造。
3次車は2015年製造の2210F・2211F、4次車は2016年製造の2212F、5次車は2018年製造の2213Fが該当する。
一般車においてもLCD案内表示機が設置されたり、スカートがより排障機能を高めた大型のものへ変更されたりするなど、昨年に登場した3300系3次車に準じた変更がなされた。また、窓下にも赤帯が塗装され、後に1700系や2200系の従来車にも波及した。
2230系
先述の1700系特別車のみを置き換えるため2019年と2020年に各4両ずつ導入。従来2330系に連結されていた1700系(特別車のみ)を置き換えた関係上、本形式も特別車のみの製造となった。
2号車の豊橋方に車いすスペースが設けられたり、ドアチャイムの音色が変更されたりなど、同年に登場した9500系に準じた変更がなされた。

運用[編集]

2023年現在、一部特別車特急の設定のあるすべての線区で運用される。中部国際空港発着の一部特別車特急はダイヤ乱れやイベント時を除き、全て当系列にて運用される。ただし、2024年のダイヤ改正より津島線・尾西線への定期運用はなくなる。かつては西尾線にて代走時のみ入線していたが、2023年のダイヤ改正で全車一般車化され完全に消えた。

また、2021年以降は一部の急行運用において特別車を座席指定で解放するというサービスも行われている。2023年現在、当系列で運用されるのは平日の674列車(新鵜沼→豊川稲荷)と611列車(豊橋→名鉄岐阜)が該当。

編成表[編集]

編成番号 製造年 一般車座席 一般車車内案内表示器 行先表示機
2201F 2004年 ロングシート・
2+2列クロスシート
LED オーロラビジョン
2202F 特別車:LED
一般車:オーロラビジョン
2203F
2204F
2205F 2007年 ロングシート・
2+1列クロスシート
2206F
2207F
2208F
2209F
2210F 2015年 LCD LED
2211F
2212F 2016年
2213F 2018年
30番台(旧1700系)
2231F 特別車:2020年
一般車:2008年
ロングシート・
2+1列クロスシート
LED LED
2232F
2233F 特別車:2019年
一般車:2008年
2234F

関連項目[編集]

営業車
特急車
3R車 2000系 - 2200系・2300系
SR車 1000系・1200系 - 1800系
本線通勤車
3R車 3500系 - 3700系 - 3100系 - 3300系・3150系 - 9500系・9100系
6R車 6000系 - 6500系 - 6800系
SR車 5000系
地下鉄直通車 100系・200系 - 300系
瀬戸線車 4000系
事業用車
機関車 EL120形
貨車 チキ10形 - ホキ80形