ルツ記
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あなたの死なれる所でわたしも死んで、そのかたわらに葬られます。
- ルツ
ルツ記(ルツき、英:Book of Ruth)とは、旧約聖書の中でルツ(רות)というモアブ人の女性について書かれた書である。
概要[編集]
- ユダのベツレヘムに住むエリメレクという人物は、飢饉が起こったために、妻のナオミと、息子2人マロンとキリオンを連れて異教徒が住むモアブの地に逃れる。
- エリメレクは死に、2人の息子はそれぞれモアブの女をめとるが、息子たちも死んでしまう。
- ナオミはユダの地に帰ることを決意し、嫁たちには、自分の家に帰るように言うが、ルツだけはナオミとともにユダの地に行くと言って聞かなかった。
- ナオミはルツを連れてユダのベツレヘムに帰り、ルツが落ち穂拾いをして細々と生活する。ユダヤ教の掟では貧しい人が他人の畑で落ち穂を拾って持ち帰ることが認められている。
- ボアズという裕福な人がルツに好意を持ち、ルツに他の畑には行かずに自分の畑で落ち穂を拾うようにと言い、ルツが沢山拾えるように態と落ち穂を多く落とすなどしてルツを優遇する。
- ルツはボアズの妻となり、オベデという息子を生む。
ルツの特異な信仰形態[編集]
- ルツは、神に直接従属せずに、神に従属する人に従属することで間接的に神に従属することになった。
- ルツがナオミから離れなかったのは、ルツはイスラエルの神を信じていたからである。「夫が死んだ後、イスラエルの神と自分とを繋ぎ止めているのは姑のナオミだけで、ナオミから離れたら自分とイスラエルの神との関係は断たれてしまう」とルツは考えたからである。
- このような信仰形態には前例があり、アブラハムの甥のロトがアブラハムに従ったことに良く似ている。ロトの息子の一人はモアブという名で、モアブ人の先祖であることも興味深い。創世記12:4,19:37
その他[編集]
- イスラエルのダビデ王はオベデの孫である。
- もう一人の嫁オルパは、ナオミから離れて母の家に帰った結果、イスラエルの神から離れて異教に戻ることになってしまった。
- 山などで遭難した場合、男性よりも女性の方が、僅かな食料で長期間生存可能だという。
イスラエルの王家がルツから受け継いだもの[編集]
アブラハムには二人の兄弟、ナホルとハランがいた。イサクの妻リベカはナホルの孫である。ユダヤ人のズル賢い性質はナホルから受け継がれたものであろう。それはリベカの兄ラバンの言動から分かる。
ルツはハランの息子のロトの子孫である。イスラエルの王家がハランから受け継いだものは優れた裁判官となる素質であろう。それは、ロトがソドムの町でどのような活躍をしていたのかを考えると分かる。
疑問点
ユダヤ人がアブラハムから受け継いだのは信仰。王家にはハランから優れた裁判官となる素質。この二つは良い賜物である。しかし、なぜナホルから悪い性質を受け継がなければならなかったのだろうか?
神に従わない世代になって、神からの保護を失うことがあっても、ユダヤ人が絶滅することなく、ズル賢く生き延びることができるようにという神の配慮であろう。
関連項目[編集]