ダニエル書
ナビゲーションに移動
検索に移動
ダニエル書(ダニエルしょ)とは、旧約聖書中に含まれる、古い書物。口語訳聖書中だと27番目。
概要[編集]
エルサレムが新バビロニアに滅ぼされた後のお話。バビロニアの王の見た夢とその解き明かしが印象的。
ダニエルの見た幻も印象的。終わりのときについての幻に出てくる「キッテムの船」は海軍の軍艦を表しているという説があり[2]、聖書を研究する人たちに注目されている。
主な出来事[編集]
- バビロン捕囚
- ユダ王国の首都だったエルサレムが、新バビロニアの王ネブカドネザル2世によって攻略された[3]。
- バビロン陥落
- 新バビロニア帝国の首都だったバビロンが、アケメネス朝ペルシア帝国のキュロス大王によって攻略された[4]。
各章リスト[編集]
話数 | 概要 |
---|---|
第1章 | バビロン捕囚とユダ部族の4人が王に仕える経緯。 |
第2章 | ネブカデネザル王の夢(光り輝く巨像) |
第3章 | ネブカデネザル王の造った金の像と、火の燃える炉の中に投げ込まれた3人。 |
第4章 | ネブカデネザル王の夢(切り倒される巨木) |
第5章 | ベルシャザル王の宴会と、壁に物を書く人の手の指。バビロン陥落。 |
第6章 | ダリヨス王による統治と、ししの穴に投げ入れられるダニエル。 |
第7章 | ベルシャザル王の元年に見た、ダニエルの夢(四つの大きな獣) |
第8章 | ベルシャザル王の三年に見た、ダニエルの夢(雄羊と雄やぎ) |
第9章 | ダリヨス王の元年。ダニエルの祈りと、メシヤについて告げるガブリエル。 |
第10章 第11章 第12章 |
ペルシャの王クロス(キュロス大王)の第三年に、ダニエルの見た幻。 |
夢(幻)[編集]
- 光り輝く巨像
- 第2章で語られる王の夢。王は「確実な夢の解き明かし」を望んだため、夢の内容自体は覚えていたが、「あえて秘密にする」という選択肢を取ったようにも見える。
(中略)まずその夢をわたしに示しなさい。そうすれば、わたしはあなたがたがその解き明かしをも、示しうることを知るだろう[5] — バビロンの王、ネブカデネザル
(中略)だから、どんな夢かを私に話せ。そうすれば、あなたがたがその解き明かしを私に示せるかどうか、私にわかるだろう[6] — バビロンの王、ネブカデネザル
- 普通、夢の解き明かしを望むのであればその夢の内容を教えるのが普通だとは思うが[注 1]、あえて秘密にしていたのであれば「世の中には王のその要求に応じうる者はひとりもありません。」と言われるのも当然な気はする。
- 雄羊と雄やぎ
- 第8章に「雄羊は、メデアとペルシャの王」「雄やぎはギリシヤの王」とある。「やぎは雄羊を地に打ち倒して踏みつけた。」とあるのは、ペルシャがギリシャによって滅ぼされる事を意味していたとされる。「このやぎには、目の間に著しい一つの角があった。」とされるが、その角はアレキサンダー大王を意味していたとされる[注 2]。
脚注[編集]
注釈[編集]
- ↑ 創世記でもヨセフが夢の解き明かしをする際、ファラオは普通に夢の内容を教えていた。(創世記41章)
- ↑ 参考:jawp:アレクサンドロス3世#ペルシア王国の滅亡
出典[編集]
- ↑ a b 新世界訳聖書の付録
- ↑ “「キッテムの船」- 大海を航行”. ものみの塔 オンライン・ライブラリー. 2018年11月17日確認。
- ↑ jawp:バビロン捕囚
- ↑ jawp:オピスの戦い
- ↑ ダニエル書(口語訳)2章9節
- ↑ ダニエル書(新改訳)2章9節
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- ダニエル書(口語訳) - ウィキソース