ボディカラー
ボディカラーとは自動車の車体、特に外装の色のことを指す言葉である。外装色。
概要[編集]
自動車の塗装は単に色による個性、カラーデザインを演出するだけでなく、自動車の車体をサビから守るという役目もある重要な「パーツ」であると説く人もいる。強さや美しさが求められることもある。事実、事故や接触などで金属面まで塗装がはがれてしまった場合、放置しておくとその面から錆が進行していくため、小さな傷跡でもタッチペンなどで補修することをお勧めする。
自動車における塗装の構造はボディの金属面[注 1]から順に下塗層(プライマー)[注 2]・中塗層(サーフェイサー)・ベースコート層・トップコート層となっている[注 3]。このうち「ボディカラー」はベースコートの色により決まるものである。パール塗装やマイカ塗装の場合はベースコートの上にそれらを塗装し、トップコートで仕上げることが多い。
色[編集]
ボディカラー塗装により、「ソリッド塗装」、「メタリック塗装」、「パール塗装」に分けられ、それぞれ濃色系と淡色系に分けられる。近年では光沢のない「マット塗装」も見られるようになっており、スーパーカーなどの高級車などで一部採用されている。
日本においてはシルバーと白、黒が人気のカラーとなっている。一方でボディカラーは見栄えだけでなく車内温度にも影響するため、色の選択は重要である。ボディカラーで、白は、基本・必須となる色である。は一般的には、白のボディカラーを多く利用する。
一般にシルバー色は汚れや微小な傷が目立たなく、手入れのしやすい車と言われているが、その分ワックスやコーティングによる艶を実感しにくいところが難点である。一方で黒は花粉や黄砂、雨上がりなどで非常に汚れやすく、洗車していないと車の印象が悪くなりやすい。それでも水洗いでも十分綺麗になった感じを得られるだけでなく、ワックスやコーティングの効果が手軽に得られるため、洗車が苦でない人や洗車が好きな人向けでもある。
赤系の色はほかの色に比べて紫外線のような強い波長の光を吸収しやすく、退色や塗膜の劣化が起こりやすいとされていた。近年は塗料やコーティングなどの耐久性も向上しており、以前のように色褪せることは少なくなったといわれている。
黒色が赤外線や可視光を吸収するため、熱を持ちやすいという性質は車の塗料においても同じであり、佐賀県の自動車整備工場が黒と白の車で温度を比較したところ、黒色のほうが熱を持ちやすいことがわかっている。その差はルーフの外側で10.6℃、室内の天井内張で10℃であった[1]。
ツートンカラー[編集]
かつて日本の自動車においてはボディの下部と上部、おおよそフロントバンパーの高さで塗り分けたツートンカラーが主流であった。特にハイソカーなどは上部を明るい色、下部を暗い色で塗り分けたベージュ系が多く流行していた。スポーツ指向の車においてもAE86やR30系スカイラインなどにおいても下部が黒、上部が白や赤などのツートンカラーが設定されていた。
現在はそのようなツートンカラーはあまり見られなくなったものの、ルーフのみを別色にしたり、ボンネットより上部を別色にしたものが軽自動車を中心に多く採用されている。
車のフロントからリアにかけて一本の線で塗り分けるレーシングストライプがあるが、こちらはツートンカラーとは別で扱われることもある。
なお、未塗装樹脂によるバンパーやエアロパーツについては色としてカウントしないことが多い。
全塗装[編集]
経年劣化で塗装が劣化し、色が褪せてしまった車のリフレッシュや自分の好きな色に塗り替えたい場合に行われるのが全塗装(オールペン)である。部分的な塗り直しに比べて時間も費用も掛かるが、比較的良好な発色や艶を出すことが可能である。中古車の査定に影響するものの、新車に近い輝きを出すことも不可能ではないため高いコストを支払い[注 4]施工する人は多い。全塗装の際には現時点の塗装の上に塗りなおすものとホワイトボディ同然まで塗料を剥離させてから塗装するものがあり、後者のほうが手間と費用がかかるが質の高い塗装になる。
ゲームにおいて[編集]
- グランツーリスモ7においては実在する自動車の塗色で他の自動車を全塗装することが可能であるほか、好みの色と質感で塗装することもできる。また、オープニングでプライマー処理として電着塗装される様子を見ることができる。
- チョロQのゲームでは、車のボディカラーをRGB形式で自由に細かく変更でき、あらゆる色を出すことができるが、光沢の表現はできない。いわばマット塗装のオールペンである。
RGB形式の色変更によるボディカラーは、カスタムカラー、カスタム車といえる。車のボディカラーの変更・違いによって、距離感が異なって見える場合もある。