トヨタ・AE86

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AE86とは、トヨタ自動車が1980年代に製作していた4代目スプリンタートレノカローラレビンの共通型式名からとられた通称である。なお、本項では下位グレードである通称ハチゴー(形式名AE86)についても記述する。

概要[編集]

同時期の乗用車の多くが前輪駆動が主流になりつつあり、同時期のトヨタ・カローラでさえ前輪駆動に移行した。その中で後輪駆動のスポーティーカーとして登場したのがAE86である。 新型のAE91/AE92型は前輪駆動になったこともあり当時から中古でも需要があったが、頭文字Dの主役車として爆発的に人気が出ており、当時の新車価格が160万円弱だったところ、現在は200万円から400万円を超える個体が出るなど、プレミア化が進行している。

エンジンは新開発の4A-GEUエンジンが搭載され、中低速でのトルク不足感はあるものの7700回転まで回せるエンジンであり、スロットルにリニアに追従するような鋭いレスポンスが魅力とされた。一方、車体の基本設計は先代のTE71型からの流用であり旧態依然とした構成であったが、コーナーリンク限界の低さからドリフトコントロールを覚えるのに最適とされ、「ドライバーを育てるクルマ」として人気の要因の一つともなった。

ボディタイプは2ドアノッチバックと3ドアハッチバックが用意され、当時はスポーツ走行を重視するユーザからは剛性に優れる2ドアが人気だった。また、重量物であるリトラクタブル機構を内蔵するトレノよりもレビンのほうが人気であるなど、頭文字Dの影響で3ドアトレノが人気の現在とはまた違った様相を呈していた。

グレード構成は最上位グレードのGT-APEX、3ドア専用でスパルタン仕様のGTV[注 1]、2ドア専用のGT[注 2]が存在していた。

トレノ[編集]

トレノ3ドア後期型 フロント
トレノ3ドア後期型 リア
SPRINTERロゴ入り

大きな違いはヘッドライトがリトラクタブルヘッドライトである。また、テールランプの「SPRINTER」のロゴはリフレクターが内蔵されている。 販売チャネルはトヨタオート系列である。

レビン[編集]

レビン3ドア前期型 リア

固定式ヘッドライトであり、フロントグリルが自動で(水温85度以上で)開く「エアロダイナミック・グリル」が搭載されている。 販売チャネルはトヨタカローラ系列である。

AE85[編集]

下位グレードとして3A-Uという1.5LのSOHCエンジンを搭載したAE85、通称ハチゴーも設定されており、スポーツ性ではなく日常ユースを想定したグレードであった。どこぞのリトナよろしく女性仕様車のグレードも設定されていた。

価格も安く、状態が良い個体も多かったことからAE86からのハコ替え用途にも多用されており、一時期はAE86の中古市場を上回ることもあった。現在でもその希少性からAE86同様にプレミア価格となっている。なお、ハコ替えとは言ってもエンジンやトランスミッションごと載せ替えるなど大掛かりなものとなり、決してAE85改AE86がAE86より安いわけではない。

その他[編集]

  • 2023年に開催された東京オートサロン2023において、AE86をベースにした水素自動車電気自動車が展示された。トヨタ自らの手によるコンバート車であり、それぞれAE86 H2 Concept(トレノ)とAE86 BEV Concept(レビン)という名前が付けられている。オリジナルパーツを極力残しつつコンバート化している。

関連項目[編集]

注釈[編集]

  1. エンジン・ブレーキなどはGT-APEXに準ずるものの、カーオーディオやパワーステアリングはオプション設定となっていた。また、LSDを装備するほか変速機のファイナルがAPEXの4.1に対して4.3であるなどハイギアードになっていた
  2. ブレーキがドラムブレーキ