中古車

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中古車(ちゅうこしゃ)とは、一度誰かの手に渡った車両のことである。自動車のみならず、自転車などにも使われる概念である。

概要[編集]

新車と対になる概念であり、自動車については自動車公正競争規約[注 1]第2条により規定されている。この場合、新車は初度登録[注 2]よりも前に販売されるものであり、中古車は初度登録した後に取引される自動車であるとされている[1]。そのため、カーディーラーなどで展示車として登録された車などを示す「新古車」や「未使用車」なども分類上は中古車となるものである。

中古車は新車と違い、自分でオプションを設定できなかったり仕様が限定されるほか、前オーナーの使用形態によって自動車のコンディションが千差万別になってしまうという大きなデメリットが挙げられる。一方で価格が安く入手できるほか、販売を終了した車でも流通さえしていれば購入できるというメリットも大きい。

中古車はディーラーや中古車買取店などが買い取り、中古車オークションなどを通じて中古車ディーラーで販売されることがほとんどである。近年ではインターネットを通じた個人間取引も行われている。なお、自動車メーカー系の中古車販売店もあり、一部メーカーはメーカー認定中古車として販売していることもある(スバルであればSUBARU認定中古車など)。

中古車の価値[編集]

中古車はその年式や新車時の価格帯、装備などの自動車のスペックとしての値段のほか、塗膜や車体各部の劣化具合や使用状況、修復歴の有無などにより値段(買取や販売)が決定されている。一般的に新車に近い状態であるほど高値(新車に近い価格)で取引され、年式が古くなったりコンディションが悪い車ほど安値(新車価格に比べて)で取引されるようになる。また、中古車の査定におけるガイドブックも存在しており、中古車の販売価格が掲載されているシルバーブック、卸売価格まで掲載されるイエローブック、ディーラーでの下取り価格などさらに詳細に掲載されるレッドブックが存在している[2]。なお、シルバーブックは個人でも購読が可能である[注 3]。一方、レッドブックやイエローブックは原則として個人での購入はできないとされている[注 4]

中古市場においては中古車が新車価格時の価格を超えるようなプレミア価格が付くこともある。これは年数が経過しても人気が衰えない車であったり、コンディションの良い(レストア含む)絶版車などの場合はそれが大衆車でも販売価格以上となって販売されることもある。例として、前者であれば90年代スポーツカーなどが、後者のケースであれば2代目トヨタ・カローラの新車価格が43.9万円(現在の価格でおよそ273万円)[3]に対し、車両本体価格が450万円で出品されているケースもある[4]。また、2020年代においては現行車種の中古車が新車価格を上回って販売されることもある。2010年代末からの半導体不足により新車が生産できず、納車に時間がかかる新車のオーダーよりもすぐ現物が手に入る中古車への需要が高まったためである。また、一部にはこの高騰を狙った転売もあったといわれており、新車契約の際に転売をしないことを誓約させるディーラーも多かったという。2024年現在はこの風潮は落ち着いてきているものの、多数の納車待ちを抱えている車種においては今もなお新車同等の価格が提示されている中古車もある。

中古車のコンディション[編集]

一般に車の価値は新車登録から1年で3割が落ち、初回車検の3年で4割以上落ちるといわれている[5]。また、1年あたり1万kmが適正距離と言われており、これを超える使われ方をした車はハードコンディションで使用されていると認定され、やはり価値が落ちるといわれている。そのため、一般的な乗用車であれば10年経過車や10万キロの車に対する価値はないといわれている。しかし、メンテナンスを適切に行っている日本車であれば20万や30万kmは走るといわれており、メンテナンスノートやエンジンルームの状況を見て判断した結果、購入に値するクルマである可能性も十分にある。

関連項目[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. 公正取引委員会の認定を受けた自動車の販売に関する規約であり、自動車公正取引協議会により運用されている
  2. 軽自動車であれば初度検査
  3. とは言えども、シルバーブックは単に販売価格の「目安」が掲載されているだけのため、中古車販売サイトでも十分であるが
  4. イエローブックの購入にはJAAIへ入会している企業、レッドブックも自動車関連の業務(販売修理の他、保険や事故調査など)を行っている企業や個人へのみの販売となっている