おでん

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おでん(御田)とは、代表的な庶民料理である。それぞれの地方に郷土料理としてのおでんがあり、関東地方のものが知られているが、関西では「関東煮(かんとだき)」とも呼ばれる。「静岡おでん」などもある。いわゆるコンビニのおでんは関西風ではあるものの、関東大震災以来関東風と関西風の区別は曖昧であるとされ、現在では「どちらが本家か」といった議論にはあまり意味がない。

名称[編集]

「おでん」の「でん」は田楽の略である。「地面に竹竿を立ててそれに登る」という軽業を得意とした田楽法師に由来するといわれ、「田楽刺し」という言葉ができ、茹でた里芋や蒟蒻を串刺しにしたものを湯に漬けて温め、味噌だれをつけて供するものであり、いわゆる鍋料理としてのおでんとは異なる部分もあるが、赤塚不二夫の「おそ松くん」でチビ太が持っているおでんは、やはり田楽刺しである。

概要[編集]

様々な具材を、下煮など下ごしらえし、「つゆ」(おでんつゆ)に入れて加温・味付けをした料理である。
関東圏では醤油味醂を基本味とし、鰹節出汁や昆布出汁と合わせることが多いが、地域によって鰹出汁を控え、牛筋や鯛アラなども合わせたり、醤油・味醂ではなく塩や「いしり」「いしる」「しょっつる」を使うなどの各種の工夫がある。

レシピ[編集]

もっとも有名なおでん屋というと「銀座 お多幸」であろうと思うが、そのレシピはかつて「暮しの手帖」で公開されているので、家庭用にアレンジしたものを紹介する。
まず、出汁を引く。ただし、だし材は想像を絶したくらい(「イヤぁ! ヤメテぇ」と悲鳴が上がるくらい)入れるのがよいとされる。鰹節・昆布のほか、牛すじ(すじは捨てずに、適当に切って串にさして具材とする)・鶏ガラ・湯通しした鯛のアラを焼いたものなど、いろいろ混ぜてよい。沼津あたりでは、「釜揚げしらすの茹で汁」を使うこともあったという。煮干もいいが、雑味を避けるため、頭と内蔵を取って乾煎りしたものが上とされる。頭は水だしにしてもいいという。
大根は厚く剥いて米糠を入れて下茹でし、揚げ物は湯通しし、豆腐は奴に切って水に漬けてにがりを抜き、蒟蒻は下茹でするというのが上とされるが、これはこだわりに類するので、あまり気にしなくてもよい。
あとは出汁に味付け[1]をして、沸騰しない程度に温めればよい。一度沸騰直前まで温めて、鍋ごと毛布などでくるんで一晩置くとよいという話もある。 コンビニに行けば具材だけでも売っているし、おでんの素も売っているので心配は無用である。

歴史[編集]

江戸時代はおでんと言っても、現在のように色々なメニューを煮込むおでんは現れておらず、当時は豆腐蒟蒻を熟した大きな石の上で焼き、柚子味噌をつけて出すものであったとされ、これがおでんの前身とされている。
そば・うどんなどでは、温めた麺におでん汁をかけて具をのせるなどしたものを「しっぽく」と呼んだ。たしか小淵沢駅のホームでは立ち食い蕎麦とおでんが売られており、かけそばにおでんをのせて食べることが流行していた。

真珠湾攻撃[編集]

1941年12月8日真珠湾攻撃の際は大日本帝国海軍航空母艦「瑞鶴」乗組員の朝食の戦闘食として支給された。

脚注・出典[編集]

  1. 関東風なら濃口醤油と味醂を同割にしたものを出汁の一割か二割、関西風では薄口醤油が基本で、日本酒を足してもよい。

参考文献[編集]

各地のおでん[編集]

  • 札幌風おでん
  • 青森風おでん
  • 仙台風おでん
  • 秋田風おでん
  • 東京風おでん

 出汁が九割に対して、一割ほどの「かえし」(醤油と味醂を同割りにして煮切ったもの)を加えたものが多く、「お多幸」などはこのスタイルである。ただし、関東でもコンビニおでんなどは出汁に塩味をつけたものが多く、汁の色は濃くないことが多い。

  • 飯田風おでん
  • 金沢風おでん
  • 静岡風おでん

 「だし粉」を入れるのが特徴といえば特徴である。

  • 名古屋風みそおでん

 レシピは各種あり、紀文(https://www.kibun.co.jp/products/all_193090a/index.html)やミツカン(https://www.mizkan.co.jp/ouchirecipe/recipe/?menu_id=1153)やエスビー食品(https://www.sbfoods.co.jp/recipe/detail/07353.html)などに紹介されている。

  • 京都風おでん
  • 大阪風関東煮
  • 姫路風おでん
  • 松江風おでん
  • 高松風おでん
  • 高知風おでん
  • 長崎風おでん
  • 鹿児島風おでん
  • 沖縄風おでん