火加減
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火加減には二種ある。「焼き物」「煮物」である。ときに「出汁」も含む。
概要[編集]
魚は「遠火の強火」、餅は「近火の弱火」などと知られているが、「煮物」は難しい。
沸騰させれば 100℃ なのは確かなので、メシマズはとにかく「グツグツ煮る」「グラグラ煮立てる」ことに執着する。
ところが、
- 酵素が失活する温度
- 蛋白質が凝固する温度(卵白と卵黄と肉では異なる)
- メイラード反応が起きる温度
- 殺菌に必要な温度
- エタノールが蒸発する温度
- 芳香化合物が蒸発・分解する温度
と化学反応が起きる時間は区別しなければならないのだが、メシマズは「グツグツ」「グラグラ」をしないと気が済まない。おでんだろうが湯豆腐だろうが、断じて「グツグツ」「グラグラ」でなければ断じて気が済まない。
そのため味噌汁やかきたま汁が不味い。これは火加減によるものである。
人間生活との関わり・利用[編集]
「生で食える食材には『グツグツ』『グラグラ』は必要ない」というのを断固として拒絶するのは何かの人格障害ではなかろうかと思う。
そのわりに鰹の叩きとかローストビーフが平気なのが理解できない。
その他[編集]
煮物の火加減を覚えるとメシウマンとして尊敬されることがある。牛筋肉やおでんは下拵えなどをちゃんとしておけばただ時間を見ながら放っとくだけだし、鰈の煮つけだったら鱗を落としてざっと洗って生姜のスライスをいれて(セロリをちょっと入れてもいい。臭みが抜ける)かえしと水を足して落とし蓋をして中火から強火で8分から15分ガッと煮る(火加減は耳で聞け)しばらく置いておいて(この間、蓋は開けない)、骨際まで火は通っているのに固くない、とかいったらカッコよくないか? これは魚の体積と表面積と内部温度から計算するという次元解析とか模型実験とかのプロだったら難なくこなす。実際にアメリカの大学で次元解析の試験で「1ポンドのローストビーフが一時間で焼けたとして、3ポンドのローストビーフは何時間何分で焼けるか?」という問題が出たという。