鈴木為次郎
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鈴木 為次郎(すずき ためじろう、明治16年(1883年)5月24日 - 昭和35年(1960年)11月20日)は、明治から大正期に活躍した囲碁棋士。紫綬褒章受章。
経歴[編集]
愛知県刈谷市に1883年(明治16年)に生まれる。 11歳で囲碁を覚え、上京後の成城中学、京北中学時代に方円社に通い、巌崎健造の内弟子となる。明治40年(1907年)、飛付3段。大正4年(1915年)に萬朝報の勝ち抜き戦で10人抜きを果たす。
大正11年(1922年)、方円社の雁金準一、瀬越憲作、坊門の高部道平とともに裨聖会に加わる。研究会「六華会」所属の女流棋士田岡秀子2段と結婚した。
棋正社に加わるも、大正15年(1926年)には日本棋院に復帰。同年7段。このころ日本棋院で本因坊秀哉に次ぐ実力者となっていた。昭和2年(1927年)から「常勝将軍」と呼ばれる野沢竹朝と10番碁を行い、9番打ち5勝2敗2ジゴと勝ち越す。野沢の肺結核を嫌って別室対局となり、両者部屋を別々にしてそれぞれ碁盤に対し、間のふすまを3尺ほど開けて遠く向かい合い、着手を記録係が伝達するという、古今未曾有の対局となった。
昭和17年(1942年)、8段に推挙される。昭和28年(1953年)には、雁金準一、瀬越憲作と共同通信社主催三長老戦に出場。昭和32年(1957年)、名誉9段。昭和35年(1960年)に紫綬褒章受章、同年11月死去。
人物[編集]
- 読みが深く粘り強い棋風で、長考派として知られる。
- 「旭将軍」の異名をとった。
- 鈴木為次郎-野沢竹朝の十番碁、第一局の観戦記を受け持った村松梢風によれば、鈴木は「丁度野沢の正反対、何処迄も質実、寡黙、謹厳、真面目一方だ。沈思黙考久しうして容易に石を下さない」と評した。第九局まで三年以上の年月を要した。
鈴木為次郎-野沢竹朝の十番碁(互先)[編集]
- 第1局 鈴木為次郎●-野沢竹朝〇 (野沢竹朝 先)
- 第2局 鈴木為次郎〇-野沢竹朝● (鈴木為次郎 先)
- 第3局 鈴木為次郎●-野沢竹朝〇 (野沢竹朝 先)
- 第4局 鈴木為次郎〇-野沢竹朝● (鈴木為次郎 先)
- 第5局 鈴木為次郎〇-野沢竹朝● (野沢竹朝 先)
- 第6局 鈴木為次郎〇-野沢竹朝● (鈴木為次郎 先)
- 第7局 鈴木為次郎ジ-野沢竹朝ジ (野沢竹朝 先)
- 第8局 鈴木為次郎〇-野沢竹朝● (鈴木為次郎 先)
門下生[編集]
門下に、木谷実、関山利一、島村俊廣、半田道玄、鈴木五良、梅田万寿治、鈴木政春、尾崎鈴子。