資本論
資本論 (しほんろん、Das Kapital) は、ドイツの経済学者カール・マルクスの著書。
概要[編集]
国際連合教育科学文化機関 (UNESCO) 世界の記憶 登録作品 (資本論初版第1部)
1867年に第1巻が出版された。資本主義社会を理論的に分析し、世界の社会主義・共産主義者と共産党の思想の基礎となっている書物である。
当時のオリジナルは全4巻あり、第1巻はマルクス本人の著書だが、1885年に刊行された第2巻と1894年に刊行された第3巻はマルクスの友人であるフリードリヒ・エンゲルスが編集・出版した。1905~1910年に刊行された第4巻は『剰余価値学説史』のタイトルでカール・カウツキーが編集・出版した。資本論そのものは難解で読んでいなくても、様々な社会主義者が著書の内容を説明しているためマルクスが何を言いたかったかは社会主義者であれば大抵わかることである[1]。
マルクス直筆サイン入りは15冊確認されている。
世界三大ベストセラー[編集]
出版業界の常識に、世界三大ベストセラーというものがあり以下3冊である[2]。資本論初版はまったく売れなかったと言われている。
革命[編集]
マルクス主義者のレーニンにより史上初の社会主義国ソビエト連邦が誕生した。資本主義が高度に発展した先進国の革命ではなかったため、グラムシはロシア革命を「『資本論』に反する革命」と呼んだ。以降レーニンやスターリンによってマルクス・レーニン主義が形成され、中華人民共和国、朝鮮民主主義人民共和国、ベトナム社会主義共和国などが誕生した。現在も世界や日本各地で社会主義者が革命のために活動している。
よく社会主義はうまくいかないという理由に、ソ連や北朝鮮の実態などを理由にするが、これまでの社会主義国は、先進国の革命ではなかったためうまくいかなかったのである。うまくいかない理由は簡単である。ロクなものがないところからモノ作りをするのは大変それだけである。
現時点では、先進国の革命を実現した国は存在しておらず、マルクスの理論がきちんと試されていないのである。