西園寺記念館
西園寺記念館(さいおんじきねんかん)は、京都府京都市中京区に本部を置く学校法人立命館の施設である。
概要[編集]
立命館大学衣笠キャンパスから徒歩約10分のところに位置(北区衣笠氷室町9)し、京都市営バス「立命館西園寺記念館前バス停」下車徒歩すぐのところにある。氷室道とよばれる車道を挟んで東側には金閣寺が隣接している。記念館のある辺りは、元仁元年(1224年)に藤原公経が「西園寺」を建立した場所にあたり、寺は西園寺家の家名の由来とされている。衣笠キャンパスからは独立した飛び地に存在するが、学内では衣笠キャンパスの一部として認識されている(一部に「氷室キャンパス」という言いかたもあるが、公式なものではない)。
建築家・小林和彦により設計され、1987(昭和62)年に竣工。ギリシャ神殿風の威風堂々とした外観の校舎に西洋庭園を備え、緑に囲まれた落ち着いた環境にある。1991(平成3)年にはそのデザインが評価され「京都市都市景観賞市長賞」を受賞している。上から見ると立命館の「命」の字に見えるといわれることがあるが、故意にそうデザインされたわけではない[1]。1988(昭和63)年に開設された国際関係学部の基本棟として使用されていたが、2000(平成12)年に国際関係学部が恒心館へ移転されたため一時閉鎖。2003(平成15)年には法科大学院基本棟として再び使用され始めたが、2005(平成17)年に法科大学院が立命館大学朱雀キャンパスの中川会館(京都府京都市中京区)に移転したため、再び閉鎖されている。
敷地内には、かつて『駿河台邸』と呼ばれた西園寺邸宅(東京都千代田区神田)の庭園にあった石灯籠と庭石が寄贈され飾られているほか、館内ロビーには、名称の由来となった学祖・西園寺公望のレリーフ塑像(高さ67cm)が飾られている。このレリーフは、日展評議員議員で京都教育大学名誉教授の杉村尚によるもので、西園寺記念館の竣工を記念して制作されたものである。また記念館定礎石の題字は、住友銀行名誉会長の堀田庄三によって揮毫されたものである。
名称の由来[編集]
西園寺記念館の名称は、最後の元老にして自由主義者としても知られる西園寺公望公にちなむものである。これは学校法人立命館が、1940(昭和15)年の「学祖敬仰決議」以来、西園寺公望を学祖として敬仰しており、西園寺公のもつ国際性が国際関係学部の基本学舎の名称にふさわしいと考えられたからとされる。現在の立命館大学は、1900(明治33)年に中川小十郎らによって設立された京都法政学校が、西園寺公望が1869(明治2)年に京都御所内の私邸に開設した私塾立命館からその名称を受け継いで発展したものである。その後立命館学園は、西園寺公望から私塾立命館の「名称と精神」を継承するものと認められるとともに、直接間接の支援を受けて今日に至っている背景があり、こうしたことも西園寺記念館の命名に少なからず関係しているものとされる。
施設概要[編集]
- 地下1階地上3階建: 延5,380m2
- 竣工年月日: 1987年12月
- 食堂併設
- 賞: 京都市都市景観賞市長賞