男子校
男子校(だんしこう)とは、男女別学教育を施す学校群のうち、男性のみが通う学校の事を指す。対義語は女子校・共学校。
概要[編集]
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生徒の全員が男子で構成されている学校の事を指す。学制改革後に主に中等教育機関で生じた区分で、大都市圏の私立中高一貫校に多く存在する。
公立校での男子校はごく僅かだが、埼玉、栃木両県では現在も伝統高で主流である。
近年は少子高齢化で生徒の確保が困難になりつつある点や、ジェンダー平等思想の台頭による多様な性別配慮を求める声などの影響により、女子校と共に全国的に数を減らしつつある。2021年(令和3年)時点での文部科学省による学校基本調査によると、全国4856校の高等学校のうち男子校は98校であり、割合にして2.02%となる[1][2]。「絶滅危惧種」と呼ばれることも多々あり、首都圏の私立中高一貫校では2002年(平成14年)からの20年間において、早稲田実業学校、工学院大学附属中学校・高等学校、市川中学校・高等学校、法政大学中学校・高等学校、明治大学付属明治高等学校・中学校、郁文館中学校・高等学校、安田学園中学校・高等学校、東洋大学京北中学高等学校、法政大学第二中学校・高等学校、芝浦工業大学附属中学高等学校の10校が男子校からの共学化に踏み切った[1]。
日本国内では女子大学は至るところに存在するが、男子大学は1982年以降存在しない[注 1]。このため、本項での「男子校」は「男子のみを募集する中学校・高等学校」として記す。
男子校では、思春期を迎える12歳・15歳~18歳の時期において、異性と3年間(中高一貫校ではない場合)・6年間(中高一貫校の場合)離れての学校生活を送るため、青春マンガに登場するような甘酸っぱい青春は送ることはほぼ不可能である。彼女なんて概念はさも知らず、中には6年間の男子校生活の中でまともに話した異性が母親だけというケースも全く珍しくない[3]。
男子校の長所・短所[編集]
長所[編集]
- 異性に惑わされずに勉学に集中することが出来る
- 女子校にも共通する。証拠として、旧帝大やなどの一流大学の合格者数ランキングで上位を占める学校はたいていが男子校または女子校となっており、2023年の東京大学合格者数ランキングの上位10校のうち7校が男女別学校であった。ただしこれは、単に名門校の多くが歴史の長い伝統校で、伝統校ほど戦前の名残を残している事例が多いというだけかもしれない。
- 異性や異性間に関する校内のトラブルが起きない[4]
- 同性のみの空間であるため、価値観や思想が一致しやすく居心地がいい空間が形成されやすい[5]
- このためいじめや差別などは少ない傾向にある[注 3]。スクールカーストも形成されにくく、いわゆる「陰キャ」と呼ばれる生徒に対しても基本的に温かい。また推し活などの趣味に存分に打ち込めるのも特徴であり、オタクスマイル全開の部活動(例:鉄道研究部など)は男子校に多い。
- 彼女が居ないということの免罪符になる
- これは強い。しかし最強にして最弱のカード。3~6年間、留年などが絡めば最長9年間のアオハルを犠牲にしてこの素晴らしき特権を得るかどうかはあなた次第。
- 女子が苦手な男子に超最適
- 男子校入獄後に意地でも女子に惹かれない自信があるならばアリ。
短所[編集]
- 特に性教育等の面でおろそかになりがちであると指摘されており、具体的に公の場で下ネタを連呼するなどのモラルの欠如した生徒が育ってしまう懸念がされている。また、恋愛経験どころか異性と話す経験すら少ないため、異性の価値観に触れられない。
- 染まり切ってしまうと大学進学後に辛くなりがち
男子校の一覧[編集]
栃木県[編集]
埼玉県[編集]
- 埼玉県立浦和高等学校全日制
- 埼玉県立川越高等学校
- 埼玉県立熊谷高等学校全日制
- 埼玉県立春日部高等学校全日制
愛知県[編集]
奈良県[編集]
京都府[編集]
- 洛星中学校・高等学校 - 私立。カトリック系
- 東山中学・高等学校
兵庫県[編集]
- 淳心学院高等学校 - 私立。カトリック系
- 滝川高等学校
- 彩星工科高等学校
- 六甲学院高等学校 - 私立。カトリック系
- 灘高等学校
- 甲南高等学校
- 甲陽学院高等学校
- 報徳学園高等学校
広島県[編集]
- 広島学院中学校・高等学校 - 私立。カトリック系
- 修道中学校・高等学校
鹿児島県[編集]
- ラ・サール中学校・高等学校 - 私立。カトリック系
脚注[編集]
- 出典
- ↑ a b おおたとしまさ (2019年10月19日). “なぜ東大生の3人に1人以上が男子校出身なのか”. 東洋経済オンライン. 2023年7月15日確認。
- ↑ イブリース (2023年3月28日). “なぜ上位進学校は男子校が多いのか”. note. 2023年7月18日確認。
- ↑ あきぴで (2023年6月15日). “東大進学校に男子校・女子校が多い理由”. YouTube. 2023年7月18日確認。
- ↑ “男子校・女子校・共学校のメリット!デメリット・・納得して志望校を選ぼう!”. 学問のオススメ (2023年5月7日). 2023年7月20日確認。
- ↑ a b “異性の前で不適切な発言…「男子校・女子校は社会規範の習得に難が生じる」説を考察”. Business Journal (2023年6月17日). 2023年7月21日確認。
- 注
関連項目[編集]
- 工業高等学校:ほぼ男子校。共学校でも教室に女子が1人いるかどうかというところも。
- 農業高等学校:四捨五入して男子校。
- 高等専門学校、工業大学:謎の男子校もどき。男女比は概ね8:2から9:1という圧倒的な偏りを見せる。
- 旧制中学校:1948年の学制改革まで例外なく男子生徒のみの中等教育機関。
- 旧制高等学校:1946年の女子門戸開放まで、男子学生のみの高等教育機関。