武田次郎正室

武田次郎正室（たけだじろうせいしつ、生没年不詳）は、安土桃山時代の女性。実名は不詳。武田信玄の孫娘。

生涯

父は武田勝頼。母は不詳だが、一説に北条氏康の娘・桂林院殿といわれる。

『甲陽軍鑑』によると、天正9年（1581年）に穴山信君の嫡子・穴山勝千代と勝頼の娘との間で縁談が進められていたが、これを知った武田信豊は、勝頼の側近である長坂光堅、跡部勝資、麟岳らにそれぞれ賄賂を送り、お互いの相性が悪いので縁談を取りやめ、信豊の息子である次郎と婚約するように勧めさせたという。

これを知った信君とその正室で勝頼の姉に当たる見性院殿は面目を潰されて激怒し、武田氏と穴山氏の関係悪化に繋がり、翌年の武田征伐で信君が織田信長や徳川家康に通じて離反する原因になったという。この娘は次郎に嫁いだが、その後の行方は不明となっている。ただ、次郎は武田征伐の際に一族もろとも信濃国小諸城代の下曾根浄喜に裏切られて殺されており、その中でこの娘が殺された可能性もある。