本因坊

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本因坊(ほんいんぼう)

  1. 江戸時代安井家井上家林家と並ぶ囲碁家元四家のうちの一つ(→下記項目「本因坊家」に詳述)。
  2. 昭和になって創設された、囲碁棋戦の一つである本因坊戦に優勝した棋士に贈られるタイトル

世襲本因坊[編集]

世数 棋士 生年 名人 段位
一世 本因坊算砂 1559- 一世名人
二世 本因坊算悦 1611-
三世 本因坊道悦 1636- 準名人
四世 本因坊道策 1645- 四世名人 二代目碁所
五世 本因坊道知 1690- 六世名人 四代目碁所
六世 本因坊知伯 1710- 六段
七世 本因坊秀伯 1716- 六段
八世 本因坊伯元 1726- 六段
九世 本因坊察元 1733- 七世名人 五代目碁所
十世 本因坊烈元 1750- 準名人 八段
十一世 本因坊元丈 1775- 準名人 八段
十二世 本因坊丈和 1787- 八世名人 六代目碁所
十三世 本因坊丈策 1803- 七段
十四世 本因坊秀和 1820- 準名人 八段
十五世 本因坊秀悦 1850- 六段
十六世 本因坊秀元 1854- 六段
十七世 本因坊秀栄 1852- 九世名人
十八世 本因坊秀甫 1838- 準名人 八段
十九世 本因坊秀栄 再任 - -
二十世 本因坊秀元 再任 - -
二十一世 本因坊秀哉 1874- 十世名人

永世称号[編集]

本因坊戦を5連覇以上、あるいは通算10期以上獲得した棋士は、引退後または現役で60歳に達した際[1]に、永世称号として○○世本因坊を名乗る権利を得る

雅号 通算 連覇
1 二十二世本因坊秀格 高川格 9期 9連覇 1952年-1960年
2 二十三世本因坊栄寿 坂田栄男 7期 7連覇 1961年-1967年
3 二十四世本因坊秀芳 石田芳夫 5期 5連覇 1971年-1975年
4 二十五世本因坊治勲 趙治勲 12期 10連覇 1981年-1982年、1989年-1998年
5 二十六世本因坊文裕 井山裕太 6期 6連覇 2012年-

歴代本因坊[編集]

棋士 生年 初奪年
1 関山利一 1909年12月23日(114歳) 1941
2 橋本宇太郎 1907年2月27日(117歳) 1943
3 岩本薫 1902年2月5日(122歳) 1945
4 本因坊秀格 1915年9月21日(109歳) 1952
5 本因坊栄寿 1920年2月15日(104歳) 1961
6 林海峰 1942年5月6日(82歳) 1968
7 本因坊秀芳 1948年8月15日(76歳) 1971
8 武宮正樹 1951年1月1日(73歳) 1976
9 加藤正夫 1947年3月15日(77歳) 1977
10 本因坊治勲 1956年6月20日(68歳) 1981
11 趙善津 1970年4月18日(54歳) 1999
12 王銘琬 1961年11月22日(63歳) 2000
13 張栩 1980年1月20日(44歳) 2003
14 高尾紳路 1976年10月26日(48歳) 2005
15 羽根直樹 1976年8月14日(48歳) 2008
16 山下敬吾 1978年9月6日(46歳) 2010
17 本因坊文裕 1989年5月24日(35歳) 2012
  • 永世称号を名乗れる棋士・現在本因坊タイトル保持中の棋士は雅号で記載している。

歴代本因坊挑戦手合[編集]

○●はそのシリーズの勝者から見た勝敗、網掛けは前のタイトル保持者。

開催年 予選一位 勝敗 予選二位
1 1941 関山利一 ○●○●○●[注 1] 加藤信
開催年 歴代本因坊 勝敗 対局者
2 1943 橋本宇太郎 [注 2] 関山利一
3 1945 岩本薫 ●○●○[注 3]
(再決戦:○○)
橋本宇太郎
4 1947 岩本薫 ●○○●○ 木谷実
5 1949 橋本宇太郎 ○○○○ 岩本薫
6 1951 橋本宇太郎 ●○●●○○○ 坂田栄男
7 1952 高川格 ●○○○○ 橋本宇太郎
8 1953 高川格 ●○○○●○ 木谷実
9 1954 高川格 ○●○●○○ 杉内雅男
10 1955 高川格 ○○○○ 島村利博
11 1956 高川格 ○●●○○○ 島村利博
12 1957 高川格 ●○○○●○ 藤沢朋斎
13 1958 高川格 ○○●●○○ 杉内雅男
14 1959 高川格 ●○○●○○ 木谷実
15 1960 高川格 4-2 藤沢秀行
16 1961 坂田栄男 ○○○●○ 高川格
17 1962 坂田栄男 ○○●○○ 半田道玄
18 1963 坂田栄男 4-2 高川格
19 1964 坂田栄男 ○○○○ 高川格
20 1965 坂田栄男 ○○○○ 山部俊郎
21 1966 坂田栄男 ○○○○ 藤沢秀行
22 1967 坂田栄男 ○○○●○ 林海峰
23 1968 林海峰 4-3 坂田栄男
24 1969 林海峰 ○●○○●○ 加藤正夫
25 1970 林海峰 ○○○○ 坂田栄男
26 1971 石田芳夫 4-2 林海峰
27 1972 石田芳夫 4-3 林海峰
28 1973 石田芳夫 ○○○○ 林海峰
29 1974 石田芳夫 4-3 武宮正樹
30 1975 石田芳夫 4-3 坂田栄男
31 1976 武宮正樹 4-1 石田芳夫
32 1977 加藤正夫 4-1 武宮正樹
33 1978 加藤正夫 4-3 石田芳夫
34 1979 加藤正夫 4-1 林海峰
35 1980 武宮正樹 4-1 加藤正夫
36 1981 趙治勲 4-2 武宮正樹
37 1982 趙治勲 ●○●○○○ 小林光一
38 1983 林海峰 ●●●○○○○ 趙治勲
39 1984 林海峰 ○●○○○ 淡路修三
40 1985 武宮正樹 ○○●○○ 林海峰
  1. 規定により予選一位の関山が本因坊に
  2. 関山病気棄権
  3. 第2局が原爆下の対局
開催年 本因坊 勝敗 対局者
41 1986 武宮正樹 ○●○○○ 山城宏
42 1987 武宮正樹 ○○○○ 山城宏
43 1988 武宮正樹 ●○○●○●○ 大竹英雄
44 1989 趙治勲 ○○○○ 武宮正樹
45 1990 趙治勲 ○●●●○○○ 小林光一
46 1991 趙治勲 ●●○○○○ 小林光一
47 1992 趙治勲 ●●●○○○○ 小林光一
48 1993 趙治勲 ○●○○○ 山城宏
49 1994 趙治勲 ●○○○●●○ 片岡聡
50 1995 趙治勲 ○●○○○ 加藤正夫
51 1996 趙治勲 ○○●○●○ 柳時熏
52 1997 趙治勲 ○○○○ 加藤正夫
53 1998 趙治勲 ○○●○●○ 王立誠
54 1999 趙善津 ●○●○○○ 趙治勲
55 2000 王銘琬 ●○○●○○ 趙善津
56 2001 王銘琬 ●○●○●○○ 張栩
57 2002 加藤正夫 ●●○○○○ 王銘琬
58 2003 張栩  ●○●○○○ 加藤正夫
59 2004 張栩 ○○●○●○ 依田紀基
60 2005 高尾紳路 ○○○●○ 張栩
61 2006 高尾紳路 ○●○○●○ 山田規三生
62 2007 高尾紳路 ○●○○○ 依田紀基
63 2008 羽根直樹 ●●●○○○○ 高尾紳路
64 2009 羽根直樹 ○●○○●○ 高尾紳路
65 2010 山下敬吾 ●○○○○ 羽根直樹
66 2011 山下敬吾 ○○○●●●○ 羽根直樹
67 2012 井山裕太 ○○●●○●○ 山下敬吾
68 2013 井山裕太 ○●●○○●○ 高尾紳路
69 2014 井山裕太 ○○○●○ 伊田篤史
70 2015 井山裕太 ○○○●○ 山下敬吾
71 2016 井山裕太 ●○○○○ 高尾紳路
72 2017 井山裕太 ○○○○ 本木克弥
73 2018 井山裕太 ●○○○○ 山下敬吾

脚注[編集]

  1. 主催紙の毎日新聞は9連覇も呼称の権利とする。井山、高尾降し5連覇 永世本因坊に、7冠堅持 毎日新聞2016年6月30日 2016年7月1日閲覧