小西洋之
小西 洋之(こにし ひろゆき、1972年1月28日 - )は、徳島県徳島市出身の日本の政治家、元郵政・総務官僚。民進党所属の参議院議員。
来歴[編集]
2010年7月、第22回参議院議員通常選挙に民主党公認で千葉県選挙区(定数3)から出馬、初当選。得票数535,632票でトップ当選。
2016年7月、第24回参議院議員通常選挙に民進党公認で千葉県選挙区(定数3)から出馬、二度目の当選。得票数472,219票で3番手の当選。
主張・発言など[編集]
過激な発言で知られており、Twitterによる活動は非常に活発。連日のツイートに対する国民の反響は大きく、彼の政治活動に活かされている。ただし、自分に対して厳しい意見をされると、そのユーザをブロックしてしまうことが多い。「テレビで野党側の論客としてよく登場するけど、揚げ足取りや屁理屈に終始していてすごくいやらしく印象に悪い。国会議員というより新聞記者みたいな感じで、具体的な制作もなく批判ばかりで建設的な議論が全くできないし、開き直って言い訳ばかりでみっともない」「民進党の国会議員のなかではマスコミに対するアピール力がありますが、その内容は徹底的な安倍内閣批判であり、建設的な政策提言がないのが残念です。元総務省の官僚であるならば、放送行政や通信行政などで見識をアピールすべきではないかと考えます」「人間性は最低のクズとしか考えられない。他人の話は聞かず、揚げ足取りと人を小馬鹿にした品のない笑いで発言をひたすら妨害する姿勢は極めて不愉快」など、時折辛辣な言葉で批判を受けたり、「小西先生、一体いつになったら『本気で亡命』なさるのですか」などと過去の発言を掘り返す形でおちょくられていることも多い。良くも悪くも、インターネットでの認知度は高いという印象である。
2010年11月2日、自身のツイッターアカウントで「千葉市で民主党支援団体の幹部の方々との有り難い会食の後、明日の早朝会議(党の成長戦略・規制改革PTで主査・事務局長を務めることになりました)に備え会館に終電で戻りました。昨日の発熱から一転、日本酒を飲み倒せる身体に生んでくれた両親に感謝しつつ(^^;自転車漕いで帰ります♪(原文ママ)」[1]と書き込んだ。このツイートに対し、他ユーザーから、飲酒運転ではないかと疑問の声が寄せられ、そのツイートを2014年3月19日に削除した。これに関し、同日の参議院予算委員会で小西から批判を受けていたNHK経営委員の百田尚樹は、「『削除して証拠を消そう』という精神が貧しいし、悲しいね。男じゃない」「民主党の議員たちは、国会で、NHKの籾井会長に対して、『一度口にした言葉は取り消せない』などと厳しく責め立てていたが、小西ひろゆき議員の『飲酒運転(自白)ツイート』に対しては、どう対処するのだろうか。削除したら、なかったことになるのかな」「気に入らない質問をしてきた一般人を『法的手段に訴える』と執拗に恫喝したり、自らの犯罪行為のツイートを削除して、なかったことにしてしまう国会議員は、『人間のクズ』だ」と批判した[2]。百田の批判に対し、小西は、百田のツイートは放送法第36条の総理による経営委員の罷免要件「経営委員たるに適さない非行」、放送法第62条にもとづきNHKが定めている服務の準則(内規)の信用失墜行為等、放送法第36条の罷免要件「職務上の義務違反」に該当すると反論した[3]。小西の反論に対し、百田は「民主党の小西議員が、私に「人間のクズ」と言われたと怒っているらしいが、私は個人名を挙げていない」と説明[3]。
2015年9月30日、自身のツイッターに「自衛隊員の母親の望みも虚しく、自衛隊員は他国の子供を殺傷する恐怖の使徒になるのである」と記した。安倍晋三首相が前日に行った国連総会の一般討論演説で、日本がシリア難民に支援した母子手帳に言及し「わが子の成長に目を細める母のうち一体誰が、その同じ子が、成長したのち、恐怖の使徒となるのを望むでしょう」と述べた部分に対するものであったが、その後、このツイートを削除。首相発言の紹介をそのまま残し「安倍総理の安保法制により、自衛隊の集団的自衛権行使を受ける国の子供達は自衛隊員を『恐怖の使徒』と思うだろう。 違憲立法から自衛隊員を救わなければならない」と差し替えた[4][5]。
2017年2月11日にはトランプ政権誕生後初めて訪米した安倍首相とトランプ大統領のツーショット写真を「品格のない顔。よく似た二人」と発言して「他国のトップに対する言葉として誹謗中傷で不適切なのでは」などの批判されたり[6][7][8]、同年4月19日には「共謀罪が成立すると本気で国外亡命を考えなければならなくなると覚悟している」と法案を批判して野田佳彦幹事長にお説教をくらったりしている[9]。
だがこれにめげず、2017年9月28日「安倍総理の存在そのものが国難であることに関する質問主意書」を提出した[10]。
国会の演壇や講演会等、公衆の面前で水などを飲用する際には口元を両手で覆い隠すようにしている。これは口元を見せるのは失礼にあたると考えているためで、政治家として「通常の作法」であるとしている[11][12]。
ちなみに、ウィキペディアにおいては「産経新聞のソースだ!」と憤慨して何度も記述を消してしまう利用者がいるようだ[13]。
憲法クイズ[編集]
2013年3月29日に「憲法クイズ」と皮肉られた答弁を安倍晋三首相に対して行っている[14]。
この日開かれた参議院予算委員会において安倍に対し、日本国憲法の中で最も大切な条文を挙げるよう切り出し、「包括的な人権保障、包括的な人権規定と言われる条文は何条ですか」と質問した[15]。これに答えられなかった安倍から「クイズのような質問は生産的ではない」「そういう子供っぽいことはやめて」と言われたが[14][16]、小西は「私は知っています。今総理が答えられなかったことは、大学で憲法学を学ぶ学生が1学期でみんな知っていることですよ」「憲法13条が分からないというのは、これは驚愕の事実ですよ、総理。あきれます」と反論した[14]。
また自由民主党が発表している憲法改正草案について「目的、内容で憲法十三条を公益及び公の秩序と変えるのか」と質問し、参考人質疑における参考人の説明の中で名前の出た芦部信喜に関し、安倍に「今述べられました芦部信喜さんという憲法学者、ご存知ですか」と尋ねた。安倍の「私は存じ上げておりません」という答弁に対し、「では、高橋和之さん、あるいは佐藤幸治さんという憲法学者はご存知ですか」と重ねて質問したが、安倍は「申し訳ありません、私は余り、憲法学の権威ではございませんので、学生であったこともございませんので、存じ上げておりません」と答弁した[14][17]。安倍の答弁に対し、「憲法学を勉強もされない方が憲法改正を唱えるというのは私には信じられないことなんですけれども。今私が聞いた3人は、憲法を学ぶ学生だったら誰でも知っている日本の戦後の憲法の通説的な学者です」と述べ、安倍の「認識不足」を批判した[14]。
2015年4月23日、阿比留瑠比(産経新聞政治部編集委員)と当該議員(会合で話したという)の両者を刑事告訴と民事訴訟している[18]。訴状によれば小西が安倍首相の憲法への無理解を厳しく追及すると、3月29日当日のネット配信産経ニュースと翌30日の産経新聞朝刊に「子供っぽい」「あきれ顔」「クイズのような質問」等と書かれるなどした後、阿比留瑠比が4月1日付の自身のフェイスブックで「ある議員」から聞いた話として「意にそまぬ部署への異動を指示された際、1週間無断欠席し、さらに登庁するようになってもしばらく大幅遅刻の重役出勤だった」「偉そうな態度は昔からだった」等と書いたと言う[19][20][21][22]。これを受けて小西はツイッターで「事実無根」と抗議し、告訴・訴訟した[23][24]。「ネット上の名誉毀損行為や落選運動行為(公選法違反)などの違法行為に対しては、必要な法的措置を講じて参ります」と述べている[25]。第一審裁判では、報道の事実はないとして、原告勝訴[26]、控訴され、現在も継続中。
「昭和47年政府見解の読み替え」に関する質疑[編集]
2015年3月、安倍内閣の行った「7.1閣議決定」(2014年7月1日)の根拠が、「昭和47年政府見解」であり、同見解内に記載されている「外国の武力攻撃によって」との文言を、「同盟国に対する」も含むと勝手に読み替えたものであることを、情報公開請求手続き等により解明したと主張している[27]。2015年3月24日の委員会質疑では、(昭和47年政府見解の)「同盟国に対する外国の武力攻撃ということもここに概念的に含まれるというふうに考え出したのは、横畠長官、あなたが初めての法制局長官ということでよろしいですね」、と横畠裕介内閣法制局長官に質問した。これに対し横畠長官は「同様に考えていた者がいるかは存じませんが、この昭和47年政府見解そのものの組み立てから、そのような解釈、理解ができる。」と答弁した[28]。
脚注[編集]
- ↑ 小西ひろゆきtwitter2010年11月2日03:26
- ↑ “百田尚樹氏、民主党・小西ひろゆき議員を非難 「自らの犯罪行為のツイートを削除して、なかったことにしてしまう国会議員は、『人間のクズ』だ」”. ライブドアニュース. (2014年3月20日) 2015年3月1日閲覧。
- ↑ a b 民主・小西洋之議員 ネットの名誉棄損で弁護士に相談
- ↑ “民主・小西洋之氏「自衛隊員は他国の子供を殺傷する使徒」→ツイッター削除し「自衛隊員を救わなければ」に変更”. 産経新聞. (2015年10月2日) 2015年10月2日閲覧。
- ↑ “「自衛隊員は恐怖の使徒になる」 小西洋之氏の投稿に佐藤正久氏が激怒”. ハフィントン・ポスト. (2015年10月3日)
- ↑ 「外交問題になる」との批判も!?トランプ大統領&安倍首相ツーショットに小西洋之参議院議員「品格のない顔。よく似た二人」 ガジェット通信 2017年02月11日
- ↑ 小西ひろゆき公式Twitter
- ↑ “小西ひろゆき (参議院議員) on Twitter: "品格のない顔。よく似た二人。 ちなみに後ろでカメラを避けて身をかがめているのは外務…” (2018年4月17日). 2018年4月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年4月17日確認。
- ↑ 民進・野田佳彦幹事長、小西洋之氏に「よく指導していきたい」 「国外亡命覚悟」ツイートに苦言 産経新聞 2017年04月24日
- ↑ 安倍総理の存在そのものが国難であることに関する質問主意書 - 参議院公式サイト内、2019年4月18日閲覧。
- ↑ konishihiroyukiのツイート (456816274853871616)
- ↑ “民主党の小西ひろゆき、「朝鮮飲み」を指摘され開き直り「政治家として普通の作法だ」で炎上”. B.N.J. (2014年4月18日)
- ↑ 「小西洋之」の変更履歴 - ウィキペディア
- ↑ a b c d e 参議院会議録 第183回国会 予算委員会 第8号 平成25年(2013年)3月29日
- ↑ 2013-03-29 第183回国会 参議院 予算委員会 8号 kokalog - 国会議事録検索 #kokalog
- ↑ “「そういう子供っぽいことやめて」首相、民主・小西氏にあきれ顔”. 産経新聞. (2013年3月30日) 2015年3月1日閲覧。
- ↑ “安倍首相「有名な憲法学者」の名にポカン「芦部信喜知らないって…」支持者もドン引き”. J-castニュース. (2010年3月30日) 2015年3月1日閲覧。
- ↑ 小西洋之参議院議員ホームページ「ともに生きる社会を」[1]
- ↑ 訴状[2]
- ↑ 弁護士事務所資料[3]
- ↑ 小西洋之参議院議員ホームページ「ともに生きる社会を」[4]
- ↑ 『日刊現代』「安倍首相“側近記者”が大ピンチ…国会議員が怒りの刑事告訴」[5]
- ↑ 『日刊現代』「安倍首相“側近記者”が大ピンチ…国会議員が怒りの刑事告訴」[6]
- ↑ 小西洋之参議院議員ホームページ「ともに生きる社会を」[7]
- ↑ 小西洋之参議院議員ホームページ「ともに生きる社会を」[8]
- ↑ 日本経済新聞
- ↑ http://konishi-hiroyuki.jp/annpo/小西ひろゆき公式ホームページ
- ↑ http://konishi-hiroyuki.jp/wp-content/uploads/g0324.pdf小西ひろゆき公式ホームページ「平成27年3月24日参議院外交防衛委員会 議事録」