宮田和保
宮田 和保(みやた かずやす、1951年 - )は、経済学者。北海道教育大学名誉教授。専門は社会経済学(マルクス経済学)・言語論[1]。
経歴[編集]
熊本県上益城郡益城町生まれ[1]。北海道大学経済学部卒業[2]。同大学大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学[1]。北海道大学で唐渡興宣のゼミに所属[3][4]。北海道教育大学教育学部岩見沢校助教授[5]、教授を経て[6]、名誉教授。基礎経済科学研究所、経済理論学会に所属[6]。
人物[編集]
著書『意識と言語』(桜井書店、2005年)では、ソシュール、丸山圭三郎、廣松渉、柄谷行人、アルチュセール、時枝誠記、三浦つとむなどの言語研究を検討している[2]。三浦つとむの言語過程説を批判的に継承する立場から意識・言語・言語規範を論じ、構造主義的な立場を批判している[7]。山形浩生は自身のウェブサイトの「朝日新聞書評しなかった本 2003/07-09」というページで宮田の『意識と言語』を取り上げ、「いやあ、教条主義的マルクス主義者というのは、言語学でさえマルクスさまに依拠しないとダメなのね。その意味では笑える本ではある。大久保そりやの『共産主義的SF論』を思い出した。が、とても書評に耐える本ではないし、他の人に読んでほしい本でもない。」と評している[8]。
JR北海道研究会の代表を務める[9]。2017年に国鉄労働組合中央本部が設置したJR30年検証委員会の7名のメンバーの1人だった。2017年2月にJR北海道の維持困難路線の問題に対応するため、札幌を中心とした研究者10名に呼びかけて、JR北海道研究会を設立した。メンバーは奥田仁、小田清、小坂直人、美馬孝人、川村雅則、浅川雅己、唐渡興宣、宮田和保、武田泉、高田純。JR北海道研究会は一般財団法人国鉄労働会館から委託研究を受託し、2018年9月に報告書を発表した[10]。
2017年10月の「北海道の鉄道の再生と地域の発展をめざす全道連絡会」設立総会に参加した[11][12]。2021年3月にJR北海道研究会(小田清、小坂直人、宮田和保)は日本共産党の高橋千鶴子衆院議員、武田良介参院議員と懇談した[13]。「戦争をさせない市民の風・北海道」会員[14]。
著書[編集]
単著[編集]
- 『資本の時代と社会経済学――資本の生産力と資本主義的所有』(大月書店、2000年)
- 『意識と言語』(桜井書店、2005年)
編著[編集]
- 『21世紀に生きる資本論――労働する個人・物質代謝・社会的陶冶』(鈴木敏正、高田純編、ナカニシヤ出版、2020年)
- 『地域における鉄道の復権――持続可能な社会への展望』(桜井徹、武田泉共編著、緑風出版、2021年)
分担執筆等[編集]
出典[編集]
- ↑ a b c 地域における鉄道の復権―持続可能な社会への展望 紀伊國屋書店
- ↑ a b 意識と言語 紀伊國屋書店
- ↑ さっぽろまちづくり活動情報サポートサイトまちさぽ 経済学を学ぶ会
- ↑ 2016年の経済学を学ぶ会活動と講義内容 経済学を学ぶ会
- ↑ 電気・電子情報学術振興財団編『研究者・研究課題総覧 1996年版 第3分冊 法学・経済学』紀伊國屋書店、1997年、242頁
- ↑ a b researchmap
- ↑ 神山義治「『意識と記語』, 宮田和保著, 桜井書店, 2003年(PDF)」『経済理論』第41巻第3号、2004年10月
- ↑ 朝日新聞書評しなかった本 2003/07-09 YAMAGATA Hiroo Official Japanese Page
- ↑ 佐藤信之『JR北海道の危機――日本からローカル線が消える日』イースト新書、2017年
- ↑ 『地方交通線存続の課題と提言――北海道における鉄道の再生と地域の発展にむけて(PDF)』一般財団法人国鉄労働会館、2018年9月
- ↑ 北海道の鉄道再生を/研究者、市民ら「連絡会」結成 しんぶん赤旗、2017年10月29日
- ↑ 路線維持の全道組織 市民ら活動集約へ発足 朝日新聞デジタル、2017年10月29日
- ↑ JR北海道「減便」廃線やめよ/高橋・武田・はたやま氏ら調査 しんぶん赤旗、2021年3月4日
- ↑ 社会運動は野党共闘の基盤、社会運動と野党選挙共闘は両輪である。宮田和保(「戦争をさせない市民の風・北海道」会員) 市民連合