名誉座長
名誉座長(めいよざちょう)とは、
なお、関連する職名・呼称として名誉司会者がある(本項で解説)。
名誉座長[編集]
教育行政機関の諮問機関における名誉座長[編集]
教育行政機関における名誉座長としては、京都市教育委員会が2002年当時設置していた諮問機関 「京都市道徳教育振興市民会議」にて文化庁長官の河合隼雄が同会議名誉座長に就任しており、同年6月24日、道徳教育を広く喚起する目的で翌25日から7月25日までの間、市内に「道徳教育1万人アンケート」を実施する発表するなど道徳教育に関する取り組みが当時報道された[1]。
環境分野の会議における名誉座長[編集]
環境分野の会議でも各界の有識者を名誉座長として選出する例がある。1996年、毎日新聞社の創刊125周年を記念する事業として、内外の有識者、科学者、専門家17名からなる環境保全を目的とした「21世紀危機警告委員会」が創設され、名誉座長として日本経済団体連合会名誉会長の平岩外四を迎え、座長として東京大学名誉教授の京極純一を迎えたことはその主な例である。同委員会では、97年には経団連会館で「緑の惑星の未来-生物圏の安全保障を-」と題するシンポジウムを開催。今後の行動指針を「21世紀へのメッセージ」(東京宣言)として国際連合はじめ世界各国に発信したことが知られる[2]。
劇団における名誉座長[編集]
名誉座長とは劇団や芸能集団等における役職の一つで名誉上の座長のことだが、古くは、17世紀フランスの俳優、劇作家 モリエールが国王の命令を受けて創設された、コメディ・フランセーズの初代名誉座長となったことが知られる[3]。現代でも日本の女優 森光子が生前、「民謡では山中節が日本一だ」とラジオ番組で発言したことが契機となり、山中節発祥の地である石川県山中町の町長(田中実)からの要請を受け、山中座名誉座長に就任していたことで知られている[4]。また、九州地方を中心とする演劇集団としては、佐賀女子短期大学で表現・創作論の講師も務めた筑紫美主子が元警察官や元裁判官、商店主ら10人の団員で構成する劇団「むつごろう一座」の名誉座長となっている[5]。
名誉司会者[編集]
テレビの演芸バラエティ番組における終身名誉司会者[編集]
日本ではテレビ番組の司会者の引退後の呼称として名誉司会者、ないし終身名誉司会者の呼称が贈られることがある。永年、日本テレビ系列で放映されてきた落語中心の演芸バラエティ番組『笑点』で、かつて司会者として人気を博した落語家 桂歌丸が番組50周年となる2016年に引退し、終身名誉司会者に就任し、亡くなるまでの間その座にあったのはその例である[6]。2018年7月死去に伴い、永世名誉司会者に昇格した[7]。
脚注[編集]
- ↑ 「道徳教育1万人アンケート きょうから1カ月ま--京都市振興市民会議 /京都」『毎日新聞』2002年6月25日地方版/京都21頁参照。
- ↑ 「[特集]エコツーリズム 21世紀危機警告委員会(その1)」『毎日新聞』2000年7月26日東京朝刊14頁参照。
- ↑ 鈴木力衛 1965, §470.
- ↑ 「「母を亡くしたよう」森光子さん死去 県内でも悼む声=石川」『読売新聞』2012年11月16日東京朝刊石川版31頁参照。
- ↑ 「にわかの心 笑いと涙は人の心を結ぶ 「むつごろう一座」」『朝日新聞』1995年7月6日夕刊らうんじ5頁参照。
- ↑ 「「笑点」50周年、歩みに焦点 再現具合は座布団体験も 京都高島屋で特別展 /京都府」『朝日新聞』2016年7月27日朝刊京都府・2地方版30頁参照。
- ↑ 日本テレビウェブサイト「笑点 出演者」参照。
参照文献[編集]
文献資料[編集]
- 鈴木力衛,辰野隆 訳 (1965), 世界古典文学全集47 モリエール, 筑摩書房
報道資料[編集]
- 『朝日新聞』1995年7月6日夕刊らうんじ
- 『朝日新聞』2016年7月27日朝刊京都府・2地方版
- 『毎日新聞』2000年7月26日東京朝刊
- 『毎日新聞』2002年6月25日地方版/京都
- 『読売新聞』2012年11月16日東京朝刊石川版
インターネット資料[編集]
- 日本テレビウェブサイト「笑点 出演者」