名探偵コナン
『名探偵コナン』(めいたんていコナン)とは、青山剛昌原作のミステリー漫画、テレビアニメである。
概要[編集]
『週刊少年サンデー』で1994年5号より連載が開始されて以降、サンデーでは歴代最長の連載記録を誇る。実は、連載期間だけ見れば青山剛昌による『まじっく快斗』が最長なのだが、こちらは休載が多い不定期連載である。
物語は主人公である工藤新一が、江戸川コナンにされた体を元に戻すべく「黒の組織」という組織の謎を解き、立ち向かっていくのがこの物語の大きな流れであるが、事件のほとんどが組織とは無関係であり、巻数を重ねても組織の正体が少しずつしか見えてこないのが特徴である。
ジャンルがミステリーであることや長期連載の影響もあり、江戸川コナンが行く先々のところでは毎回事件が起こるという現象が起きている。また、時間軸も作者によって「サザエさん方式」を採用するようにもなった。連載開始当初は数か月から半年程度の連載だと考えていたが、予想以上の人気に加え、灰原哀の登場がアニメ版の事情により予定よりも遅らせざるを得なかったため、長期連載に舵を切ったというエピソードがある。
登場人物[編集]
- 声 - 高山みなみ(コナン) / 山口勝平(新一)
- 本作の主人公。黒の組織によって試作の毒薬 (APTX4869) を飲まされ、体が縮んで子供(幼児化)されてしまう。
- 毛利 蘭(もうり らん)
- 声 - 山崎和佳奈
- 本作のヒロイン。コナンを弟のようにかわいがっている。また、工藤新一との恋愛関係もある。
- 毛利 小五郎(もうり こごろう)
- 声 - 神谷明(1 - 548話)→小山力也(553話 - )
- 毛利蘭の父親。「毛利探偵事務所」の経営者であり私立探偵である。
- 阿笠 博士(あがさ ひろし)
- 声 - 緒方賢一
- 工藤家の隣人でコナンの協力者。主にコナンが使っているメカや探偵バッジの製作をしている。
- 灰原 哀(はいばら あい) / 宮野 志保(みやの しほ)
- 声 - 林原めぐみ
- 元「黒の組織」のメンバー。APTX4869の開発者でもある。コナンと同様幼児化した。組織脱退後は阿笠博士の家に居候し、小学生として生活している。
ネタ[編集]
熱烈なファンを多く有すうえ、話数がとても多い本作の「ネタ」は、数え上げればキリがないが、主要なものについてのみ以下に記す。(五十音順)
- アガサ黒幕説
詳細は「名探偵コナンの黒幕」を参照
- 阿笠博士が「黒の組織」の黒幕であるとする説。あまりにも流行したためか、作者本人が公式に否定したが、今でもネタとしてよく言及される。アガサ黒幕説を象徴するセリフとして「わしじゃよ」も多用される。これは架空のセリフで、もし黒の組織の正体が明らかになる話が発表されれば、阿笠がコナンに向かってこう発言するだろう、という妄想である。
- 黒タイツ
- 犯人がまだ明らかになっていない時点での、犯人の仮想的描写が、頭から足先まで全身真っ黒なところに白い目鼻だけ付いている外見であるため、まるで黒タイツを全身着用しているだといって、よくネタにされる。
- コダック
- 光彦・歩美・蘭などのキャラが大声で「コナン君~」と呼ぶときに、「コダック」と言っているように聴こえるというネタ。
- コテリン☆
- アニメ版で、コナンが何かに気づいたときに流れるSE(効果音)。ある時期から別のSEに変わってしまったので、現放送では聴くことができない。
- 詩ジン
- 黒ずくめの組織の一員・ジンが、詩人のようなセリフを言うことを、皮肉った言葉。なお、灰原哀もポエムめいた独り言をしばしば行う。
- せやかて工藤
- 平次が工藤によくいう言葉。BBSなどでは、前後の脈絡なく、ちょっとした合いの手や茶々入れとして、間投詞的に用いられる。「 (」・ω・)」うー!(/・ω・)/にゃー! 」と同じような立ち位置のネタだと思えばいい。「なんやて工藤!?」「せやけど工藤」もよく使われる。
- 生レバー
- アニメのオープニング(各話サブタイトル表示)や事件解決シーンで流れるBGM「キミがいれば」(vocalなしバージョン)の空耳。右の動画を参照のこと。
- ネタバレ
- コナンと新一が同一人物であることは、ファンならずとも知っている超有名事実である。しかし常識的に考えれば、どう考えてもおかしいことであるのも事実。そのギャップを活かして、以下のような流れがBBSなどで展開されることがある。
- 「ネタバレ:コナン=新一」→「ネタバレすんなよ・・・」
- 「ネタバレ:コナン=新一」→「えっ、コナンと新一と同一人物なの!?」
- 「ネタバレ:コナン=新一」→「コナンと新一が同一人物なわけないだろwwwwwwwもうちょっと頭使ってから物言えやwwwwwwwww」。
- むろん全てネタである。
- ハワ親
- 「ハワイで親父に習った」の略。コナンが小一離れした妙技(ヘリ操縦など)を見せたときに、他人への言い訳に用いる言葉。取り繕いきれていないのは気のせい。
- パラパラ
- アニメの8代目オープニングで、コナンが主題歌にあわせて無表情でパラパラを踊った。あまりのシュールさに全国の視聴者を腹筋崩壊させる。なお、パラパラは無表情で踊るのが本来であるため、正しいことは正しい。
- ハンガー
- アニメ135話で「ハンガーを投げつけられたから」という理由で殺人を行った人がおり、コナン史上最低の動機としてよくネタにされる。コナンネタに多少通じている人なら「ハンガー」と書いてあるだけで、意味が通じる。前後の流れを見れば多少は(あくまで多少は)犯人の気持ちに同情できるけれども、いかんせん投げやりすぎる動機設定である。なお、アニメ版オリジナルストーリーだというから二重にビックリ。
- ペロッ...これは青酸カリ!
- 単行本7巻「ピアノソナタ“月光”殺人事件」で、白い粉の入った袋を見つけたコナンが、粉をなめて麻薬であることを確認するシーンがある。ここでのコナンのセリフをもじって青酸カリに改変したものがよくネタにされる。
SS[編集]
人気漫画にはよくあることだが、多くのショートストーリー(通称SS)がファンの手によって作られている。マイナーな同人誌などで発表された作品も仮に考えあわせようとすれば、全体的な傾向はつかむべくもないが、2ちゃんねるなどの電子掲示板で発表された作品に限っていえば、コナンのSSにはある特異な傾向が見られる。それは展開が非常にカオスでマジキチである、ということである。(ほぼすべて閲覧注意)
- 阿笠博士がキテレツな装置を発明するパターンが多い。たとえば「光彦くんを犯人に仕立てる装置」「歩美ちゃんがゲロ吐きそうになるスイッチ」といった具合である。そして、テスト運用のためにコナンに渡して「くれぐれも悪用するんじゃないぞー」と言う。どう考えても悪用以外ありえない装置を、悪用しないよう注意しながら渡す矛盾の滑稽さが、一部の物好きたちにはウケたようで、コナンSSの定番のセリフとなっている。
- 最近ではくれ悪と省略されることも多い。おそらく初出はここ。
- 光彦がさんざんな目に遭うパターンも非常に多い。
- アナルネタも多い。
- マジキチじゃない普通のSSが投稿されたときには、逆に珍しがられるほどである。
テレビアニメ[編集]
名探偵コナン | |
---|---|
アニメ | |
原作 | 青山剛昌 |
監督 | こだま兼嗣→山本泰一郎 →佐藤真人→於地紘仁 →山本泰一郎→山本泰一郎、鎌仲史陽 |
キャラクターデザイン | 須藤昌朋→とみながまり →須藤昌朋、山中純子 →須藤昌朋 →須藤昌朋、牟田清司 →須藤昌朋 →須藤昌朋、岩井伸之 →須藤昌朋 |
音楽 | 大野克夫 |
アニメーション制作 | 東京ムービー→トムス・エンタテインメント |
製作 | 読売テレビ |
放送局 | 読売テレビ・日本テレビ系列 |
放送期間 | 1996年1月8日 - |
テンプレート - ノート |
読売テレビ、トムス・エンタテインメント(旧東京ムービー)による制作で、1996年1月8日より放送を開始した。日本テレビ系列のアニメとしては、最長寿番組である。放送時間帯については、以下のような変遷を辿っている。
放送期間 | 話数 | 放送時間帯 | 備考 |
---|---|---|---|
1996年1月8日 - 2008年9月8日 | 515 | 月曜19:30 - 20:00 | [1] |
2008年10月20日 - 2009年3月6日 | 14 | 月曜19:00 - 19:30 | |
2009年4月4日 - | 土曜18:00 - 18:30 |
なお、視聴率低下により、2009年度から夕方枠に移動した際、打ち切りも検討されていたが、同年公開した劇場版が好調だった影響により、アニメ版の打ち切りは回避され、現在に至る長寿アニメ作品へと成長した。
劇場版[編集]
劇場版名探偵コナンは、1997年以降、毎年4月(ただし、2020年は、COVID-19の影響で1年公開が延期された)に公開している映画シリーズである。
劇場版シリーズは、アクションシーンや大規模な爆発シーンや建造物の破壊などが特徴的である。毎年新作の公開時期になると、金曜ロードショーで、旧作と前年の作品が2周連続で放送されている。
元々、劇場版名探偵コナンには、アクションシーンが多い作品ではあるが、2011年〜2017年の作品まで監督を務めた静野弘文時代は、特に、派手なアクションシーンが多く、コナンが超人的アクションをするようになったのも、この頃だと思われる。2011年以降の作品の、派手なアクションシーン、その後のコナン映画の方向性に大きく影響したとみられ、アクション主体に映画が制作されるようになった。
通番 | 題名 | 公開日 | 監督 | 脚本 | 主題歌 | 歌手 | 興行収入 | 観客動員数 |
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コラボ | ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE | 2013年12月7日 | 亀垣一 | 前川淳 | 42.6億円 | 308万人 | ||
総集編 | 名探偵コナン 緋色の不在証明 | 2021年2月11日 | 宮下隼一 | 12.4億円 |
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- ↑ 2007年10月15日 - 12月3日の間、秋のミステリアワーと称し、19:00 - 20:00の1時間枠で、放送された。