八束町
八束町(やつかちょう)は、島根県八束郡にかつて存在していた町である。牡丹や薬用人参の栽培が盛んであり、日本一のぼたんの里として有名である。現在は合併により松江市の一部となって消滅している。
概要[編集]
島根県の北東に位置する町で、島根半島と弓ヶ浜半島に囲まれた中海に浮かぶ大根島と江島からなる。町の面積は島根県で最小の6.42平方キロで、昭和45年(1970年)4月に八束村が町制を単独で施行して八束町が誕生した。
北は江島から海上およそ750メートルで美保関町に、東は400メートルで鳥取県の境港市に、南はおよそ4.5キロで東出雲町・安来市に、西はおよそ2キロで松江市にそれぞれ接している。大根島は標高42.2メートルの大塚山を最高地とする平坦な島であり、江島も大部分が埋め立て地からなる平坦な島である。昭和55年(1980年)に中海干拓、淡水化に伴う堤防工事の完成により本土と結ばれた。
耕地面積の87パーセントが畑であり、江戸時代に松江藩が置かれていた時代から薬用人参の栽培と牡丹を中心とした花の栽培が行なわれている。牡丹は年間およそ180万本を生産して海外にまで輸出されているほどであり、薬用人参と共に全国的に有名である。大根島には10か所に及ぶ観光牡丹園があり、4月末から5月初旬の牡丹開花期には多くの花見客が訪れる。
平成3年(1991年)に「フローリーパラダイスプロジェクト」と名付けた地域活性化事業が始まり、大塚山とその周辺では牡丹温室などの整備が進められ、平成6年(1994年)に牡丹の原産地である中華人民共和国の山東省より、1万本およそ120品種の牡丹の提供があり、中国牡丹園がオープンした。
平成17年(2005年)3月31日、松江市・島根町・美保関町・八雲村・玉湯町・宍道町と合併し、改めて松江市が発足したことにより、八束町は廃止となった。