出産
出産(しゅっさん)とは、子供を生むことである。英語ではchildbirth。
概要[編集]
人間の場合、新生児でも卵巣の中に原始卵胞という未発達な卵胞(いわゆる細胞の袋)を80万個も持っているが、その多くはやがて潰れて、思春期には1万個くらいになってしまう。この頃から卵巣では毎月15個から20個の卵胞が成熟し始め、そのうちの1個だけが完全に成熟し、卵子を排卵することになる。これがいわゆる月経である。この排卵の一生の数は400個程度しかなく、単純計算すると初潮から30数年、個人差もあるが45歳から50歳ころにはほぼ終わることになってしまう。体力的な理由もあり、50歳以上の女性が出産するのは日本では非常に珍しい。日本では令和に入った現在、問題点があり、女性の社会進出に伴い、晩産化が進んでおり、また医療の発達からホルモンのコントロール技術が発達し、女性の受胎能力を高めることが可能になっており、未来においては高齢化しても出産が可能になる可能性がある。第1子出産の平均年齢は、1980年代は約26歳で、2010年には約29歳とだんだん上がっていて、高年齢出産が増えているのが問題になっている。第1子出産の平均年齢が上がると、出産年齢が下がりにくくなることもある。高年齢出産が増えると、保護者の母親が祖母になるという不具合が生じることもあり、人口の高齢化になりやすい。第1子出産は「初産」と呼ばれる。出産年齢は、目安となるのは、第1出産は25歳、第2子出産は28歳。
高齢出産の記録[編集]
ギネスブックによると、世界における最高齢の出産はルーマニアの女性Aで、出産したのは2005年1月16日で性別は女子。Aは1938年生まれとされているため、出産当時は満66歳と230日であった。
またアルバニアでは高齢出産が少なくなく、50歳以上の女性が子供を出産している例が幾つも存在するのが問題である。統計では100万人当たり、約5500人の出産がされているとなっており、50歳以上の女性でも個人差や体力の問題などで出産は可能なようである。
日本では織田信長の妹で家臣の稲葉貞通に嫁いだ神保・稲葉夫人などが50歳を越えて何人も子供を授かっている例もあり、日本でも前例は多く存在する。
出産数(出生率)の記録[編集]
出生率とは、一定の人口に対する出生数の割合のことで、1人の女性が一生の間に何人の子供を産むかを平均で表すものである。人間の場合、1人の女性が何人の子供を産めるのか記録を見てみる。18世紀の帝政ロシアの農夫・フョードル・ワシリエフの妻は69人の子供を産んだという記録がある。これは1782年にニコルスキー修道院からモスクワへ報告された記録として残っている。ただし、当時は医療技術が低いため、乳児の死亡率が低いことから、このうち2人は夭折しており、1725年から1765年の間に67人が乳幼児期を生きたとされている。
女性が子供を産めるのは思春期の始まりから閉経期までとされており、個人差はあるが長く見積もって40年くらいである。フョードル・ワシリエフの妻は記録によると出産回数は27回で、双子を16組、三つ子を7組、四つ子を4組産んだとされており、約1年半に1回出産していたことになる。ただこの記録が正確なのかどうかは不明であり、事実だとするとフョードル・ワシリエフの妻はかなり頑健な女性だったと推測できる。
そもそも、妻の名前すら不明で何故双子や三つ子ばかり生まれたのかも合理的な説明が出来ない。ギネス世界記録が設立されて間もない頃に認定された記録と思われるが、再検証や確実な証拠が無いいわゆる「神話」に近いものとして取り消されるべき記録であるのは明らかである[1]。
関連項目[編集]
- 出生率
- 母子手帳
- 赤ちゃん - 新生児 - 新生児学
- 産婦人科学 - 助産師
- 妊娠 - 早産 - 分娩
- 妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)
- 未熟児・極小未熟児 - 新生児特定集中治療室
- 母子健康手帳
- 母子保健センター
- 産み分け
- 出産難民
- 出産税
- 十代の出産
- ホワイトリボン
- 貫通石
- 水天宮
- 赤ちゃんポスト
脚注[編集]
外部リンク[編集]
- 「お産椅子」と身体技法 - 東京大学大学院総合文化研究科