ダマスカス
ダマスカス(アラビア語: دمشق, 英語: Damascus)とは、シリア(シリア・アラブ共和国)の首都である。発音は現地では「ディマーシュク」(Dimašq)、英語では「ダマスカス」(「ダマ」にアクセントがある。)騙すカスではない。
概要[編集]
古代のアラム人の交易都市として前10世紀に栄え始めた。世界最古の都市の一つである。メソポタミア(バグダード(バグダッド))・パレスチナ(エルサレム)・エジプト(カイロ)を結ぶ交通路の中間に位置する要衝である。紀元前2,000年頃から地中海、アラビア半島を結ぶ交易の中継点として栄えた。 現在の人口は約160万人、面積は約105km2。シリアで最大の都市である。ダマスカスにあるウマイヤド・モスクはイスラム教の4大聖地のひとつとされる。
ダマスカスの旧市街、城壁に囲まれた「古代都市ダマスカス」は、ユネスコの世界遺産(文化遺産)として1979年に登録されている。またシリア内戦による被害のため、シリア国内の他の5つの世界遺産とともに2013年に危機遺産に登録されている。
ヨルダンの国境近くにあるダルアー県にある町のボスラは隊商都市の遺跡で砂の中に埋もれていたため、ローマ劇場が良好に保存されている。旧約聖書に登場し、シリアで最初にイスラム化した町と言われる。ビザンティン様式の建物が数多く残る。
2024年12月8日、反体制派によってよりダマスカスが制圧されたと報道された[1]。
主要な戦闘[編集]
- ダマスカス包囲戦 (634)(ムスリムによる東ローマ帝国領シリアの征服)
- ダマスカス包囲戦(1129)(アイユーブ朝の継承戦争)
- ダマスカス包囲戦 (1148)(第2回十字軍)
- ダマスカス包囲戦(1229)(?)
- ダマスカス包囲戦(1260)(ティムール朝による包囲)
- ダマスカス包囲戦(1400)(ティムール朝とマムルーク朝の戦闘)
- ダマスカス占領(1918)(第一次世界大戦)
- ダマスカス占領(1920)(フランス・シリア戦争)
- ダマスカスの戦い (1941)(アングロ・イラク戦争,第二次世界大戦,英・仏(自由)vs仏(ヴィシー)?)
- ダマスカスの戦い (2012)(シリア内戦)
- ダマスカスの戦い (2024)(アサド政権の崩壊)
その他[編集]
「鉄の四組織を組合わせて低温鍛造し刀剣としたのは、シリアのダマスカス刀と日本刀だけ」と謂われる。ダマスカス鋼(Damascus steel)とはダマスカスで作られる刃の素材を言う。ダマスカス鋼製の刃身をダマスカスブレードという。混同してはならない。 Swords と Blades は区別される。ダマスカス刀(Damascus Swords)は剣全体を指し、ダマスカスブレード(Damascus Blades)は刃の部分、刀身を指す。
脚注[編集]
- ↑ 市民ら歓声「抑圧の終わり」 反体制派の首都制圧,時事通信,2024年12月08日