サバ
サバ(鯖)は、動物界魚綱スズキ目・サバ科の魚類の総称である。漢字で「魚偏に青」と書くように、鯵と並んで日本を代表する青魚のひとつである。
全国に幅広く生息し、釣りの対象魚としても有名、特に秋から冬にかけておいしい。
保存・運送方法[編集]
サバは「足が速い」と言われるほど痛みやすい魚であり、その保存方法は昔から工夫されてきた。
明治時代以前[編集]
冷凍の技術がない時代、鯖鮓のようななれずし、あるいは塩漬け、へしこ、こんかづけ、シメサバのような保存処理を行った上で長時間の保存を行っていた。福井県勝山市では古くから鯖鮓が作られていた。
ちなみに、福井県若狭地域と京都を結ぶ「鯖街道」という名の道路は、この時代に鯖を運んでいたことの名残である。現在、西日本ジェイアールバス若江線が運転されている国道303号および高島市以南の国道161号や途中の保坂交差点で分岐する国道367号が該当する。
大正時代から昭和20年代[編集]
冷凍保存の技術が発達しても、それは漁船と漁港だけであって、消費地への輸送は氷を入れた冷蔵貨車であり、魚屋も氷冷蔵庫しかなかった。さらに、消費者のところには冷蔵庫も冷凍庫もなかった。高級魚の刺身を食べられるのは漁港近くの料理店か、都会の高級料理店しかなかった。サバの缶詰も作られるようになり、軍用にも用いられた。
詳細は「大日本帝国海軍の食生活」を参照
昭和30年代以降[編集]
冷凍トラックの登場、道路の整備により、漁港から離れた山奥の小学校でも学校給食にサバのフライが出るようになった。
21世紀[編集]
過去に想定されなかった国外、特にノルウェーからサバの輸入が盛んである。
養殖[編集]
「サバの稚魚は気性が荒く、共食いをする習性があり、養殖が難しい」と云われていた。
近年の研究によって、「アジサバ科の魚類は稚魚のときに共食いをして選抜個体を残す」ことが判明し[1]。
これに対して、
- 固体密度を上げる - 獲物に対して目移りする行動と捕食されないように警戒する行動の間で競合が起きるため、共食いしづらい
- 餌を充分に与える
- 水質浄化を徹底し、溶存酸素量も増やす
ことで稚魚の共食いを防止して種魚を生産することに成功した。現在では陸上養殖も行われ、「三保松サバ」というブランドとして試験的に出荷されている。アニサキスなどの寄生虫を持たず、清水市内の店舗のみに出荷されているので鮮度も高いため、白子や肝臓なども生食できる。
今後、稚魚の生産が増え、共食いをしない程度に成長させるシステムが構築されたら、生簀による海上養殖も行われるかもしれない[2]。
関連ページ[編集]
補足[編集]
フランス語では、「四月の魚(ポアソン・ダブリル)」と呼ばれる。