Android
Android(アンドロイド)は、Googleが開発した携帯汎用オペレーティングシステムである[1]。初期に開発されたのは2008年1月。対応する携帯電話が2008年10月から多数販売されている。
概要[編集]
無償で誰にでも提供されるオープンソース(オープンソースソフトウェア)であり[2]、サードパーティのベンダーが独自にカスタマイズしやすくすることを目的として、Apache License 2.0に基づいて配布されている。
Linuxカーネルやオープンソースソフトウェアがベースで、主にスマートフォンやタブレットなどのタッチスクリーンモバイルデバイス向けにデザインされた組み込み用OSである。 世界一のシェアを持つモバイルオペレーティングシステムであり、20億人を超える月間アクティブユーザーがいる[3]。
Androidスマホにおけるアプリは、「Playストア」という。
オペレーティングシステムとはOSの正式名称であり、OSはアプリケーションを動かせるように機械に命令する役割を持つソフトウェアである。Androidではapkという拡張子のファイル(zip形式)をアプリケーションとして使用し、構造上はjarと似ているがjarとは違いclassの代わりにjarを変換したdexというファイルが同梱されている。Windowsやmac、Linuxと違いアプリケーションのファイルは2ヶ所に保存され、1つはユーザが編集できない場所(システムroot)、もう1つはドキュメントルート内に保存される。androidは独自のadbという操作方法があり、adb backupをするとすべてのアプリデータをバックアップすることが出来る。
Androidスマホのストレージは、32GB〜128GBまである。ノートパソコンは、ストレージは512GBであるのに対し、スマホは、ノートパソコンよりは空き容量が少ない。スマホでは、実用的なものは、64GBを使うことが多い(?)。
競合OS[編集]
競合するモバイル向けプラットフォームは、アップルのiOSがある。過去にはマイクロソフトのWindows Phone、アクセンチュアのSymbian OS、クアルコムのBrew MP、ブラックベリーのBlackBerry、Linux FoundationのTizenなどがあった。
マスコットキャラクター[編集]
Androidのロゴには緑色のロボットのマスコットキャラクターが使われており、正式名称は「Android ロボット」(Android robot)[4] だが、日本では「ドロイド君」の愛称で呼ばれている[注 1]。
歴史[編集]
2003年にアンディ・ルービン、リッチ ・マイナー、ニック・シアーズ、クリス・ホワイトがアメリカカリフォルニア州パロアルトに携帯電話向けソフトウェアプラットフォームを開発するAndroid社を設立した。2005年にGoogleがAndroid社を買収[5]し、一時はGoogleが「gPhone」という独自の携帯電話端末の開発を進めているという憶測が流れた[6]。
2007年11月5日 携帯電話用ソフトウェアのプラットフォームであるAndroidを、Google[7]、米クアルコム、独通信キャリアのT-モバイル (T-Mobile International) などが中心となり設立した規格団体 「Open Handset Alliance」(オープン・ハンドセット・アライアンス、OHA)が発表した。
各国の状況[編集]
日本[編集]
2008年5月19日、日本初のAndroid搭載携帯電話として、NTTドコモ向けにHTC製のdocomo PRO series 「HT-03A」(HTC Magicがベース)が発表、7月10日に発売された。しかし、2010年代後半以降はiPhoneに押され気味である。
「なんでiPhoneじゃないの」も参照
韓国[編集]
2014年1月24日、米ストラテジー・アナリティクスは88カ国を対象にスマートフォン向けオペレーティングシステムのシェアを調査した。その結果は、大韓民国のAndroidシェアが93.4パーセントと、世界で最もシェアが高い事が発表された。市場全体でのAndroidのシェアは2014年時点で67.5パーセントであるのに対し、25.9ポイント高い水準である。調査対象国の中で9割を超える国となっている[8]。
派生OS[編集]
スマートテレビ用にはAndroid TV、自動車用にはAndroid Auto、ウェアラブルデバイス用にはWear OSがある。
将来的にはスマートフォン・タブレット・腕時計(スマートウォッチ)以外に、Googleはゲーム機・冷蔵庫といった領域にもAndroidを搭載させる考えである[9]。
批判[編集]
フリーソフトウェア財団のリチャード・ストールマンは、Androidが必ずしもフリーソフトウェアとは言えないと指摘している。その理由は、Androidは、フリーでないアプリケーションやライブラリを許諾をもらってプレインストール、リンクしていること。Googleの配布しているバイナリがソースコードと一致しない時期があること。端末を発売している企業に自由なソースコードの変更を禁止していない点と変更した端末企業が変更を詳細に開示しないケースがあることなどである[10]。
関連項目[編集]
脚注[編集]
注釈[編集]
- ↑ 海外ではBugdroidという愛称が使われることもある。
出典[編集]
- ↑ “Android”. Google. 2018年4月20日確認。
- ↑ Googleが携帯電話向けプラットフォーム「Android」を発表 | Impress Watch
- ↑ “Google has 2 billion users on Android, 500M on Google Photos”. TechCrunch (2017年). 2018年4月20日確認。
- ↑ ブランド ガイドライン | Android Developers
- ↑ 【IT知ったか人物伝】アンディ・ルービン 携帯端末用OS「アンドロイド」開発者 - 経済・マネー - ZAKZAK
- ↑ “グーグル電話「Gphone」、2週間以内に発売の噂”. CNET JAPAN
- ↑ 蓬田宏樹、他著「Androidの野望」日経エレクトロニクス 2007年12月17日号 p.47-69
- ↑ "한국은 세계 1위 안드로이드 공화국…93.4%가 사용"
- ↑ “「Androidをあらゆる機器に」ゲーム機、腕時計、冷蔵庫の市場も狙うグーグルの野望” (2013年7月2日). 2013年7月2日確認。
- ↑ Is Android really free software? | The Guardian