フナ
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フナ(鮒 学:Carassius)とは、コイ目コイ上科コイ科コイ亜科フナ属に属する淡水魚の総称である。
概要[編集]
ユーラシア大陸の寒帯から亜熱帯域、日本各地、北アメリカの湖・沼・池でみられる。
コイに似ているが、体高が低く、口髭が無い事で見分けられる。
冬になると水深の深い場所に潜むようになる。小型の甲殻類・昆虫・植物を食べる。
オレンジ色の「ヒブナ」やヒレが長い「テツギョ」など色々な変種が存在する。ヒブナを飼育観賞用に改良したのが「金魚」である。
またコイと交雑することもある。
分類[編集]
フナの分類は、混乱しており、色々な説が存在している。
フナ類を2種に分けるという説[注 1]やユーラシア大陸には、2つの集団が共存しているという説がある。
FishBase(2023)には、以下のものが有効な種として記載されている[1]。
- ヨーロッパブナ Carassius carassius (Linnaeus, 1758)
- ギベリオブナ Carassius gibelio (Bloch, 1782)
- Carassius auratus (Linnaeus, 1758)
- ゲンゴロウブナ Carassius cuvieri Temminck & Schlegel, 1846
- ギンブナ Carassius langsdorfii Temminck & Schlegel, 1846
- Carassius praecipuus Kottelat, 2017
日本には、以下の6群がいるとされている。この6群をすべて別種とする説や6群を2種4亜種、3種3亜種とする説もある。
- ギンブナ Carassius langsdorfii または C. auratus langsdorfii
- ニゴロブナ Carassius buergeri grandoculis Temminck & Schlegel, 1846
- ナガブナ Carassius buergeri subsp. 1
- キンブナ Carassius buergeri subsp. 2
- オオキンブナ Carassius buergeri buergeri Temminck & Schlegel, 1864
- ゲンゴロウブナ Carassius cuvieri Temminck & Schlegel, 1846
上記の6群以外にも沖縄県と石垣島、北海道からは、それぞれ未記載種のフナが存在することが判明している。また日本で金魚が外来種として定着している。
遺伝子解析[編集]
鈴木らは、2013年にゲンゴロウブナ・ギンブナ・ニゴロブナをRAPD分析した所、ニゴロブナは1300bp、ギンブナは440bp、ゲンゴロウブナは1800・1700・1000 bpのバンドが得られたという結果になった[2]。
山本らによる2010年の研究によれば、遺伝子的に5郡に分かれるとされた。
- A ゲンゴロウブナ
- B C. auratusとギンブナ
- C ギベリオブナ
- D-I 3倍体ギンブナとキンブナ
- D-II ギンブナとオオキンブナ
- D-III ギンブナ2倍体ギンブナ、ニゴロブナ、ナガブナ、オオキンブナ、キンブナ
2012年の研究によると、形状的に5群、遺伝子的に以下の6群に分けることが出来るとされた[3]。
- Carassius auratus 中国産フナ属の一種
- Carassius gibelio I ギベリオブナ
- Carassius gibelio II カザフスタン産のフナ属一種
- Carassius langsdorfii ギンブナ
- Carassius cuvieri ゲンゴロウブナ
- Carassius carassius ヨーロッパブナ
脚注[編集]
注釈[編集]
- ↑ この説ではヨーロッパ産のヨーロッパフナ(C.carasius)とユーラシア大陸のCarassius auratusの2種であるとされる。
出典[編集]
- ↑ “Carassius”. fishbase. 2023年10月29日確認。
- ↑ 鈴木誉士、永野元、小林徹、上野紘「RAPD 分析による琵琶湖産フナ属魚類の種・亜種判別およびヨシ帯に出現するフナ仔稚魚の季節変化」、『日本水産学会誌』第71巻第1号、日本水産学会、2005年、 10-15頁、 。
- ↑ Lukáš Kalous; Joerg Bohlen; Kateřina Rylková; Miloslav Petrtýl (2012). “Hidden diversity within the Prussian carp and designation of a neotype for Carassius gibelio (Teleostei: Cyprinidae)”. Ichthyological Explorations of Freshwaters 21 (1): 11-18 .