ニゴロブナ

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ニゴロブナ
分類
コイ目
コイ科
亜科コイ亜科
フナ属
Carassius buergeri
C. auratus
亜種ニゴロブナ
名称
学名Carassius buergeri grandoculis
Carassius auratus grandoculis
Temminck et Schlegel, 1846
和名ニゴロブナ (似五郎鮒)
保全状況


ニゴロブナとは、コイ目コイ科に属するフナの一種、C.buergeriの亜種である。

形状[編集]

全長20~35 cm。頭部が大きく、腹縁が角ばっている。

体高は低い。目は大きい。

背びれ条数は1棘15~18軟条で、尻びれ条数は1棘5軟条。

生態[編集]

琵琶湖水系に生態する。琵琶湖では底層に住む。

動物プランクトンやユスリカの幼虫を食べる。

4〜6月の雨の後に増水した内湖やヨシ帯で産卵する。

稚魚はヨシ帯で過ごし、2〜3年で全長が25〜35cmになる。成長と共に深場に行く。

稚魚は、カイアシ や Claderaを好んで、これが多いときは食べる量が多くなる。

分類[編集]

ニゴロブナは、コンラート・テミングとヘルマン・シュレーゲルによりCarassius grandoculisとして記載された。

現在は、Carassius buergeriCarassius auratusの亜種とされる。

RAPD分析では、ゲンゴロウブナ及びギンブナと区別することが出来るとされる[1]

人との関係[編集]

ニゴロブナは、ふなずしの材料になり、特に子持ちの雌は高価である[2]

湖岸堤の建設と圃場整備により産卵場所が少なくなったことと、オオクチバスブルーギルによる仔稚魚・未成魚の捕食で、数が減っている[2]

種苗が琵琶湖に放流されていたが、ニゴロブナの漁獲量は増えなかった。

出典[編集]

  1. 鈴木誉士、永野元、小林徹、上野紘一「RAPD 分析による琵琶湖産フナ属魚類の種・亜種判別およびヨシ帯に出現するフナ仔稚魚の季節変化」、『日本水産学会誌』第71巻第1号、日本水産学、2005年、 10-15頁、 doi:10.2331/suisan.71.10
  2. a b 藤岡 康弘「琵琶湖固有(亜)種ホンモロコおよびニゴロブナ・ゲンゴロウブナ激減の 現状と回復への課題」、『魚類学雑誌』第60巻第1号、日本魚類学会、2013年4月25日、 57-63頁、 doi:10.11369/jji.60.57