魚類
サカナ サカナ サカナ 魚を食べると~♪
- おさかな天国
魚類(ぎょるい)とは、脊索動物門脊椎動物亜門のうち、もっとも初期に登場した。多くの種類は一生を水中、あるいは水辺で生活する。水中でえら呼吸をし、鰭をつかって自由に泳ぎ回るのが大きな特徴[1]。
分類[編集]
上下に開くあごを持つ顎口上綱(Gnathostomata)と、持たない無顎口上綱(Agnatha)にざっくり分けられる。
無顎口上綱にはヌタウナギやヤツメウナギなどが含まれる。
ただし 無顎口上綱は魚類に含めないという立場もある。
生態[編集]
いろいろ。水辺で生活することはほぼ共通している。川や湖などの淡水で生活するものを淡水魚、海で生活するものを海水魚と呼ぶ。淡水魚の中には、一生の中で海と川を行き来する魚(通し回遊魚)もいる。通し回遊魚は大きく分けて遡河回遊魚(海で成長し、川で産卵する魚。サケなどが有名)、降海回遊魚(川で成長し、海で産卵する魚、ウナギが有名)、両側回遊魚(川で産卵し、海に移動して成長、その後川で産卵する魚、アユが有名)がある[3]。また、一生を海水で過ごす魚類の中にも、ボラやクロダイのように淡水への耐性が高く、ときに川のかなり上流でもみられる魚もいる。トビハゼやムツゴロウのように干潟をすみかに、ほぼほぼ水から出て生活しているものもいる。こういった種は皮膚呼吸をおこない[4]、水の外でも長く呼吸できるように進化している。
一部の熱帯魚は酸欠を阻止するべく、空気中の酸素が溶け込む濃度が高い水面に移動し口をパクパクさせる事があるが、肺は無いので空気を直接吸っているわけではない。ただし、ハイギョなど例外的に肺を持つ魚類は水面に口を出し肺呼吸をする。
生活史[編集]
卵生、あるいは卵胎生。ほとんどは卵から生まれた時点でなにかしら親と同じような形態を持ち、変態を行うことはない。しかし、たとえばカライワシ上目とレプトケファルス幼生のように[5]、親とはかなり異なった姿として生まれる魚類もいる。繁殖様式も様々で、クサフグをはじめとして多くの魚類で見られる放卵放精や、交尾を行うサメの仲間、メスがオスに卵を産み付けてオスの中で受精が起こるタツノオトシゴ[6]など、いろいろ。
人間との関係[編集]
タイやウナギ、アユやサケなど、多くの種が食用になる。焼く、煮る、出汁を取るために使うなど、調理法もさまざま。逆に人間がサメに食用にされてしまうときもある。また、ニベのようにニカワをつくるために利用されたり、イワシなどを乾燥、粉砕したものが魚粉として飼料・有機肥料として利用される場合もある。フグの仲間は卵巣を中心として体の各部にテトロドトキシンという強力な毒を持つが、この仲間ですらも人間はどうにかして食べてしまう。もっとも危険な卵巣ですら、粕漬にして無毒化して食べてしまう[7]。いっぽうで、魚はウシやニワトリのように簡単に繁殖させて家畜化できる生き物でもなく、また資源量の把握も難しいため、しばしば獲りすぎて資源不足が問題となる。各地で養殖されている
細かい話[編集]
系統学的に言うと魚類は側系統群。つまり、進化の枝のうち、ある系統を人為的に除いたものを集めたものになっている。どういうことかというと、人間を含む四肢動物は分類学的には硬骨魚類のうち、シーラカンスやハイギョを含む肉鰭魚類の一部と考えられている[8]。そのため、単系統性にこだって定義するとするならば鳥もカエルもヘビもヒトもすべて、魚類に含めてしまわなければならない。しかしそれは直感に沿わずあまり便利ではないので、脊椎動物のうち四肢動物を除いたものを一般的に魚類と呼ぶことにしている。こうすると魚類に含まれるのは
- ヌタウナギ類
- ヤツメウナギ類
- 軟骨魚類(サメ・エイなど)
- 硬骨魚類のうち、四肢動物以外(スズキ、タイなど、その他の多くの魚)
となり、一般に想像する「魚類」と一致する概念になるのである。もちろん、こうした人為的な分類を認めず、魚類という枠組みを作るなら単系統性から四肢動物も入れるべきとする考えもある。[9]
脚注[編集]
- ↑ 中坊徹次 『小学館の図鑑Z 日本魚類館』 小学館、2018年、1頁。ISBN 978-4-09-208311-0。
- ↑ 中坊徹次 『小学館の図鑑Z 日本魚類館』 小学館、2018年、1頁。ISBN 978-4-09-208311-0。
- ↑ “海と川を往き来する魚たち”. 釧路市漁業協同組合. 2022年6月19日確認。
- ↑ 中坊徹次 『小学館の図鑑Z 日本魚類館』 小学館、2018年、392頁。ISBN 978-4-09-208311-0。
- ↑ Inoue, Jun G; Miya, Masaki; Tsukamoto, Katsumi; Nishida, Mutsumi (2004), “Mitogenomic evidence for the monophyly of elopomorph fishes (Teleostei) and the evolutionary origin of the leptocephalus larva”, Molecular Phylogenetics and Evolution 32 (1): 274-286
- ↑ “タツノオトシゴ”. ナショナルジオグラフィック. 2022年6月19日確認。
- ↑ “世界の珍色一位猛毒「フグの卵巣の糠漬け」”. 東京新潟県人会. 2022年6月19日確認。
- ↑ “展示解説 もっとくわしく!: 魚類 Fishes”. 東京海洋大学 ミュージアム機構 マリンサイエンスミュージアム. 2022年6月19日確認。
- ↑ “ヒトは魚類?変わる分類法 遺伝子の配列から比較”. 日本経済新聞. 2022年6月19日確認。