ウシ
牛(ウシ)とは、家畜のひとつであり、角をもつ品種もいる。
馬は奇蹄目であるが、牛は偶蹄目である。
歩くのはさほど速くなく、「牛歩戦術」などの言葉がある。後述するように「歩く発酵槽」なので、飲水量が多く、「牛飲馬食」という言葉がある。
概要[編集]
牛のルーツは、新石器時代の西アジアやインドに分布した野生のオーロックスである。オーロックスは体高が約 2m もあり、長い角を持っていたため、人々から恐れられていた。ところがイランにおいて家畜化された結果として数千年前に飼育されるようになった。
その後、ヨーロッパから西アジア一帯においても利用されるようになり、品種改良も進んで家畜となった。農耕用や車輛の牽引用、採乳用あるいは食用として、果ては闘牛用にも選抜育成されている。
闘牛用の牛の牧場としてはミウラ牧場があり、「ランボルギーニ・ミウラ」という車種もある。
人間生活との関わり・利用[編集]
家畜としての利用は、農耕用から始まったらしい。[1]。都市文化の成立によって集約的な穀物生産が成立し、収穫物を納税するために荷駄用に用いられるようになったらしい。なにしろ車輪の発明というのは平坦な道路があってこその話であって、揚水用の水車とかの実用化よりは後のような気がする。
金属器の発明によって「犁」が生まれたのは、五千年くらいは昔のことであるらしい。畑が長方形をしているのは、犁の影響であったかもしれない。「ブルドーザー」は「ドラフトブル」(牽牛)に由来すると考えられる。
家畜化するにあたっては繁殖をコントロールすることは考えたはずで、そのため乳牛としての利用もあったろう。食肉用としての利用はその後であるらしい。ヒンドゥー教の教徒は牛を食用とすることをタブーとしているが、バターの生産においては世界最大の生産国でもあり消費国でもある。
馬とともに「神から授けられたもの」として信仰や神話との深い関りがあったことは確かだが、その起源は古すぎて(なにしろ文字の発明以前だ)未解明であり、今後の研究が期待される。
消化[編集]
「歩く発酵槽」である。草食動物とされているが、胃の中に複数種の生物が棲息しており、そこから栄養分を摂取している。そのため反芻を行なう。とにかく大きく、威圧感はすごい。「こんなものを家畜化しようと思った奴の気が知れない」と思う反面、「その発想は偉大だ」と思う。牛の家畜化は文明史上 航空機の発明と並ぶものであるように思う。
なお、水牛やヤクとは同じウシ科ではあるが別種である。ただし、どちらも採乳用としても利用される。ただし、どちらも家畜化されているため温厚であるが、アフリカクロスイギュウやヌーやバッファローは大きな群れを作るため、決して相手にはしたくない。いずれも狩猟獣として無駄に殺した例があるが、後から入ってきた白人の悪行として批判されることがある。
ウシ科のなどの偶蹄目の動物には、反芻動物が多くウシもその一種である。歩く発酵槽と呼ばれるのも、これら反芻動物が複数の胃を使い、前胃発酵という消化をするからである。