進歩同盟
進歩同盟(しんぽどうめい、英語:Progressive Alliance、略称:PA)は、進歩主義、社会民主主義、社会主義政党・組織の国際組織。国際進歩連合とも訳される[1]。
概要[編集]
進歩同盟設立の最初の動きは、2012年1月にドイツ社会民主党(SPD)のジグマール・ガブリエル党首が党の幹事会で「犯罪者とSPDが同じテーブルにいること」を許すことはできないと述べ、社会主義インターナショナルの10万ユーロの年会費を支払わないと発表したことに始まる[2]。ガブリエル党首はインターにニカラグアのサンディニスタ民族解放戦線、チュニジアの立憲民主連合(2011年に会員資格停止)、エジプトの国民民主党(2011年に会員資格停止)といった独裁的で非民主主義的な政党が存在していることに批判的だった[2]。またインターが世界金融危機に対応できなかったことや社会民主主義がもはや世界で議論の土台を提供していないことにも批判的だった[2]。
2012年12月14-15日にイタリアのローマで会議が開催され、42の政党が参加した。この会議で「進歩同盟」の名称が決定された。2013年5月22日にドイツのライプツィヒで進歩同盟の正式な設立の会議が開催され、約70の政党が参加した[2]。ドイツ社民党、オランダ労働党、イギリス労働党、スウェーデン社会民主労働者党など欧州の有力な社民政党が中心であるが[1]、インター非加盟のアメリカの民主党、インド国民会議派、ブラジルの労働者党も参加した[2][3]。進歩同盟は事実上インターに代わる新しい国際組織として設立されたが[1][2][3]、フランス社会党の指導者は「インターを改革するための努力を補完するもの」だと述べ、全ギリシャ社会主義運動(PASOK)のエヴァンゲロス・ヴェニゼロスは「“もうひとつの国際組織の代替として”ではなく新しい協力の場所として設立された」と述べた[2]。
当初はインターと二重加盟している政党が多かったが、2014年にオランダ労働党、オーストラリア労働党、2017年にドイツ社民党、スウェーデン社民党、ノルウェー労働党、2018年にイスラエル労働党がインターを脱退するなど、インターとの分岐が強まっている[3]。イギリス労働党は2013年2月に倫理上の懸念からインターの会員資格をオブザーバーに引き下げた。その他にイタリア民主党、オーストリア社会民主党、スペイン社会労働党、イスラエルのメレツ、パレスチナのファタハ、タイの新未来党などが進歩同盟に加盟し、欧州社会党(PES)、社会民主進歩同盟(S&D)、社会主義女性インターナショナル(SIW)、国際社会主義青年同盟(IUSY)、国際労働組合総連合(ITUC)などがアソシエイト・パートナー(Associated Partner)となっている[4]。日本からの加盟組織は無い。
本部はベルリン。モットーは「自由・公正・連帯」。