農学部

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農学部(のうがくぶ)とは、大学で農学を専門に研究する学部。

概要[編集]

生物学物理学化学地球科学などの基礎的な自然科学の科目と農学概論や土壌学などの農学の基本科目を学ぶ。
研究方法や実験技術の基本を習得し、それぞれの専門分野を掘り下げていき、その後、自分でテーマを選択して、卒業研究にまとめ、発表する。

意外なところでは、昆虫学の講座を持つ大学が結構多い。

名称・傾向[編集]

国立大に多く、公私立大は少ない。そうした中で、2010年代に龍谷大学吉備国際大学(開設時は地域創成農学部)といった私立大で新設されている。

他方、広汎的な生命科学のイメージを出すために以下の学部名を用いる大学も昨今は少なくない一方、前述の龍大は新設時からあえて「農学部」の名称としている。

また、開学時からの千葉大学のように園芸学部の名称を用いる大学もある。

農学の歴史[編集]

人類農業を始めた際、農作物を如何に多く収穫する方法は経験と勘に頼った。農業土木のやり方や、土地の状況や気候に合致した作物の栽培方法も親から子へ、精々その土地の経験豊富な指導者によって口伝で引き継がれるに過ぎなかった。
しかし、文明の誕生による文字の発明により、農業に関する書物が作成されるようになった。始皇帝による焚書坑儒農業に関する書物は除外されたということから、既に農業に関する学問はあったらしいと考えられる。しかし、時の為政者の農業に関する無知のために、その土地に本来不向きな作物を育てるよう強要し、そのために飢饉が起きて多数の餓死者が出ることが20世紀中旬まで発生した。
農業を学問として学校で教えることは他の学問に比して遅かった。「百姓に学問は要らない」という考え方は洋の東西問わず存在した。しかし、1798年6月7日イギリスの経済学者トマス・ロバート・マルサスによる人口論が出版されて、人口増加に比して農業生産高が追いつかないとの主張がされてから農業生産高を上昇させる必要があるのではないかという意見が生じ、それまで農業従事者に任せきりだった農作物の品種改良、化学肥料農薬の発明、さらに、新天地への拓殖が国家の後押しで行われ、学校が設立された。当初は中等教育で始まったが、後に高等教育専門学校から大学へと広まり、さらに農業土木、農業機械へと学問の分野は広がった。
太平洋戦争末期の学徒出陣では、農学部は理系であったにも関わらず、農業経済科の学徒は徴兵猶予はされなかった。

関連項目[編集]

参考文献[編集]