葉山岳夫
葉山 岳夫(はやま たけお、1936年8月5日[1] - 2023年3月10日)は、弁護士。第二東京弁護士会会員。事務所は葉山法律事務所弁護士法人[2]。救援連絡センター代表弁護士。
経歴・人物[編集]
神奈川県厚木市出身[3]。実家は農家[4]。1954年神奈川県立厚木高等学校卒業[5]。1956年東京大学文科Ⅰ類入学。まもなく砂川闘争に参加して警官隊と衝突し、公務執行妨害で逮捕された[6]。1958年東大法学部自治会委員長[4]。1959年6月に共産主義者同盟(ブント)が開催した大学での軍事研究反対銀杏並木集会の主催者であるとして無期停学処分を受けた。1961年復学[7]。
籠城事件[編集]
1959年11月27日の安保改定阻止国民会議の第8次統一行動で全学連を先頭とする2万人の学生や労働者が警官の壁を突破して国会構内に突入した(11・27国会突入闘争)。闘争を現場で指導したブント幹部は自宅に帰り、即日逮捕された。清水丈夫全学連書記長と葉山岳夫ブント東大細胞キャップは自宅に帰らず逮捕を免れ、それぞれ東大駒場と本郷に逃げ込んだ。この件は「籠城事件」[8]「清水・葉山東大籠城事件」として広く知られた。学生から退去を求める声が強くなり、2人は12月10日の第9次統一行動のデモ行進に参加して逮捕された[7]。
弁護士として[編集]
安保ブントを経て、革命的共産主義者同盟全国委員会(中核派)に加盟。1963年司法試験合格。1967年に弁護士となり、ただちに三里塚芝山連合空港反対同盟顧問弁護団の結成に参加、事務局長に就任。1967年10・8羽田闘争裁判、1969年4・28破防法裁判、東大闘争裁判などの弁護団に参加[4]。1972年の船橋事故闘争から動労千葉地本の弁護団に参加し[9]、1979年に動労千葉の分離独立に伴い顧問弁護団長に就任した。1974年に革マル派が破防法弁護団会議を襲撃し[4]、鉄パイプで頭部を乱打されて頭骨亀裂骨折の重傷を負った[6]。1975年に富山裁判の主任弁護人となり[4]、富山再審弁護団主任弁護人も務めた[1]。2005年救援連絡センター代表弁護士[4]。
20年以上にわたって厚木市農業協同組合(JAあつぎ)の顧問弁護士を務めた[3]。破防法・有事立法に反対する弁護士の会代表[10]、一般社団法人厚木市建設業協会監事[11]、厚木市開発審査会会長[12]、厚木市労働報酬審議会委員長も務めた[13]。東京都知事選挙では鈴木達夫[14]、北島邦彦[15]、衆議院議員選挙では齋藤郁真[16]を支持した(それぞれ「都政を革新する会」所属)。国鉄闘争全国運動呼びかけ人[17]。
著書[編集]
- 『三里塚東峰十字路裁判――青年行動隊は北へ行ったか』(青柳晃玄共著、破防法研究会、発売:文彩社、1985年)
- 『破防法を裁く――沖縄闘争破防法裁判二〇年の記録』(浅田光輝共編著、御茶の水書房、1993年)
分担執筆[編集]
- 島成郎記念文集刊行会編・著『60年安保とブント(共産主義者同盟)を読む――島成郎と60年安保の時代2』(情況出版、2002年)
- 国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動編『労働運動の変革をめざして――国鉄分割・民営化と闘って30年』(出版最前線、発売:星雲社、2017年)
出典[編集]
- ↑ a b ニュースNo.238(2008年7月号) 無実の富山保信さんの再審無罪をかちとる会
- ↑ 葉山 岳夫 第二東京弁護士会
- ↑ a b 【本厚木駅徒歩5分】弁護士歴50年以上、地域に根ざした法律のプロ「葉山法律事務所」 レアリア、2022年1月28日
- ↑ a b c d e f 革命的共産主義者同盟「WeekryZenshin-TOP 葉山岳夫同志を追悼する 法廷を国家権力との死闘の場に変えて闘いぬいた生涯」週刊『前進』04頁(3288号04面02)(2023/04/03)
- ↑ 『戸陵会だより』第2号(PDF)県立厚木高校同窓会、2007年9月1日
- ↑ a b 小林哲夫『シニア左翼とは何か』朝日新書、2016年、170-171頁
- ↑ a b 葉山岳夫「「50年史」と私 『現代革命への挑戦』を読んで 甦る60年安保闘争の日々」週刊『前進』06頁(2661号06面01)(2014/12/15)
- ↑ 立花隆『中核VS革マル(上)』講談社文庫、1983年、67頁
- ↑ 追悼 葉山岳夫 動労千葉顧問弁護団長 日刊動労千葉、2023年3月24日
- ↑ 1999年11月17日 ―思想・言論・結社の自由の侵害に反対する― つぶせ!第二破防法 11・17集会 オウム裁判対策協議会
- ↑ 役員名簿【平成28・29年度】 一般社団法人厚木市建設業協会、2016年4月28日
- ↑ 開発審査会 概要・名簿(H28.4.1から) 厚木市、2017年4月18日
- ↑ 労働報酬下限額について審議会が市長に答申 厚木市、2016年1月17日
- ↑ 鈴木たつおさんを都知事に 弁護士3氏が推薦のお願い 週刊『前進』06頁(2616号3面3)(2014/01/20)
- ↑ 「安倍を監獄へ!」北島くにひこ、都議会議員選挙に立候補! 都政を革新する会、2017年6月26日
- ↑ 法定ビラ(PDF)全日本学生自治会総連合
- ↑ 国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動編『労働運動の変革をめざして――国鉄分割・民営化と闘って30年』出版最前線、発売:星雲社、2017年
外部リンク[編集]
- 葉山岳夫弁護士を追悼する(三里塚芝山連合空港反対同盟)