比曽寺跡
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比曽寺跡(ひそでらあと)とは、奈良県吉野郡大淀町比曽に存在する国指定の史跡である。
概要[編集]
近鉄大和上市駅から吉野川沿いの国道169号線をおよそ1キロほど西に進む、さらに小川沿いの道を北におよそ2キロほどたどると、山間の盆地に存在する。現在は曹洞宗世尊寺となっているのが、587年に聖徳太子が創建したといわれている比曽寺跡である。
古くは吉野寺といわれ、奈良時代には薬師寺式伽藍配置の諸堂宇が完備した大きな寺院で、清和天皇や宇多天皇、藤原道長らといった平安時代の権力者の参詣を受けたという。東塔は聖徳太子の創建で、南北朝時代に再建したといわれるが、安土桃山時代の文禄3年(1594年)9月に豊臣秀吉によって伏見城に移された。そして慶長6年(1601年)、秀吉没後に権力者となった徳川家康によって滋賀県大津市にある三井寺に移されて現存しており、これは国指定の重要文化財となっている。
寺跡のほうは、現在は東塔と西塔、金堂の跡と礎石を残すのみとなっている。