武装農民
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武装農民 (ぶそうのうみん)とは、外敵から農地を守るために武装した農民である。
概要[編集]
武装の規模や組織化がどこまで進むかによって解釈が大きく異なるが、合戦を行える規模や組織であれば武装農民といえる。このため、農具である鎌や鍬はもちろん、拳銃やナイフ程度の所有では武装農民とはいえない。少なくとも槍、弓、小銃が必要である。また、周囲に猛獣が生息する場合や、半農半猟の集落の場合この程度の武器は必要である。有事の際に出動する民兵も農業従事者が多い場合はこれに当たる。
さらに、明治初期の屯田兵や昭和戦前の満蒙開拓団は武装農民に近い。
沿革[編集]
人類が農業をはじめたとき、未だに国家が誕生しておらず、軍隊や警察がないために自身や家族、周囲の共同体は自分たちで守るしかなかった。これは前史時代に限らず、国家が機能していない新天地の開拓や辺境では武装農民とならざるを得なかった。
日本[編集]
近世まではあらゆる階層が武装しており、平将門が各地の国府を襲って新皇に即位したあと、部下に帰郷させたのも部下に休養を取らせるほかにも刈り入れの季節であったことが原因である。戦国時代の合戦まで足軽は農民でもあり、農繁期は足軽を動員できず、思うように合戦できないことがたびたびあった。
これらは、1588年の豊臣秀吉の刀狩を行って兵農分離をするまで続いた。
現状[編集]
アメリカ合衆国では憲法で人民の武装の権利が認められており、広大な国土で警察官のパトロールを行うことが不可能なために必然的に農民が武器を所有することになる。スイスは民兵制度を採用しており、各家庭に武器の所有を義務づけているので農民は当然のことながら武装農民である。このほかにも警察権力の及ばない地域の農民は必然的に武器を所有する武装農民である。