アルピコ交通上高地線
アルピコ交通 AK上高地線 | |
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基本情報 | |
通称 | 上高地線 |
国 | 日本 |
所在地 | 長野県 |
種類 | 普通鉄道 |
起点 | 松本駅 |
終点 | 新島々駅 |
駅数 | 14駅 |
開業 | 1921年10月2日 |
部分廃止(新島々 - 島々間) | 1964年4月1日 |
所有者 | アルピコ交通 |
運営者 | アルピコ交通 |
使用車両 | 3000形 20100形 |
路線諸元 | |
営業キロ | 14.4km |
軌間 | 1067mm |
線路数 | 単線 |
電化区間 | 全線 |
電化方式 | 直流1500V |
最高速度 | 50km/h |
上高地線(かみこうちせん)は、長野県松本市の松本駅から同市の新島々駅までを結ぶアルピコ交通の鉄道路線である。
概要[編集]
長野県中信の最大都市松本駅から新島々駅を結ぶ全長14.4キロの私鉄である。岐阜県境にほど近い名勝地、上高地の名を冠してはいるが、上高地まで鉄路が続いているわけではない。
アルピコ交通や松本駅などでは鉄道 上高地線やアルピコ交通線と呼ばれることもある。なお、現在でも一部の人からはアルピコ交通になる前の松本電気鉄道から「松電上高地線」や「松電」、あるいは単に「松本電鉄(線)」などと呼ばれ親しまれているようだ。また、2022年6月までは松電復刻塗装車が存在していた。
使用車両は
- 3000形 - 元京王(形式は変えられていない)
- 20100形 - 元東武20000形、中間車改造。
の2種類であり、20100形は2022年6月から使用されている。
2021年の大雨により、長らく一部区間休線となっていた当線だが、2022年6月9日全線復旧。それと同時に松電復刻塗装車が引退、引退した車両を置き換えるように新型車20100形が運行を開始した。
営業[編集]
営業係数は2019年現在97.7と黒字路線。初乗り運賃は180円と少々高い気もするが、地元民の足としても使われていることがわかる[1]。
特に北新・松本大学前駅は、松本大学の最寄り駅であり、学生需要が多い。
他方、上高地や乗鞍高原といった、観光需要での利用が、立地に比べて少ないと言える。鉄道のみで観光地へ辿り着けるわけではなく、新島々バスターミナルでの乗り換えを余儀なくされる、という利便性の悪さから、松本バスターミナル発・上高地、乗鞍高原行のバス路線シェアが高い。この傾向は、中部縦貫自動車道の開通につれ、強まっていく事が予想される。
普通列車のみの運行となっているが、ムーンライト信州運行時は臨時列車(松本 - 新島々ノンストップ)が走っていた。
駅一覧[編集]
営業中の区間[編集]
駅番号 | 駅名 | 駅間キロ | 営業キロ | 接続路線 |
---|---|---|---|---|
AK01 | 松本駅 | - | 0.0 | 東日本旅客鉄道:篠ノ井線・大糸線 (42) |
AK02 | 西松本駅 | 0.4 | 0.4 | |
AK03 | 渚駅 | 0.7 | 1.1 | |
AK04 | 信濃荒井駅 | 0.8 | 1.9 | |
AK05 | 大庭駅 | 0.7 | 2.6 | |
AK06 | 下新駅 | 1.8 | 4.4 | |
AK07 | 北新・松本大学前駅 | 1.0 | 5.4 | |
AK08 | 新村駅 | 0.8 | 6.2 | |
AK09 | 三溝駅 | 1.4 | 7.6 | |
AK10 | 森口駅 | 1.0 | 8.6 | |
AK11 | 下島駅 | 0.9 | 9.5 | |
AK12 | 波田駅 | 1.6 | 11.1 | |
AK13 | 渕東駅 | 1.6 | 12.7 | |
AK14 | 新島々駅 | 1.7 | 14.4 | 乗鞍高原・白骨温泉・上高地方面行き路線バス |
- 交換可能駅:信濃荒井駅、新村駅、森口駅、波田駅、新島々駅
- 有人駅(駅員配置駅):松本駅、新村駅(毎日7:20 - 15:05営業)、波田駅、新島々駅[2]
- 委託駅(すべて平日のみ営業):下新駅(7:20 - 9:50営業)、北新・松本大学前駅(7:20 - 20:00営業)、森口駅(7:20 - 16:20営業)[2]
- 無人駅(終日):西松本駅、渚駅、信濃荒井駅、大庭駅、三溝駅、下島駅、渕東駅
過去の接続路線[編集]
- 松本駅:松本電気鉄道浅間線(1964年4月1日廃止)
廃止区間[編集]
この区間は、全駅とも廃止当時長野県東筑摩郡波田町(現在、市町村合併により長野県松本市)に所在。営業キロは松本駅からのもの。
駅名 | 駅間キロ | 営業キロ | 接続路線 |
---|---|---|---|
新島々駅 | - | 14.4 | 上記参照 |
島々駅 | 1.3 | 15.7 |
島々駅は、周囲に山が迫っている立地であり、大きいバスターミナルを設置することができなかった。そのため、上高地への旅客を満載できるバスターミナルが確保できる場所として、今の新島々駅が形作られていった。その後、この区間が台風で被災すると、復旧は諦められ、新島々駅が終着駅となった。
島々駅駅舎は、新島々駅の向かいに復元され、観光案内所となっていたが、老朽化の為解体されている。
上高地線が登場する作品[編集]
- テレビドラマ『あの日の僕をさがして』(TBS系、1992年4月17日 - 6月26日) - 電車内や駅でロケが行われた。なおドラマの舞台設定は穂高町であり、実際の上高地線沿線ではない。
- テレビドラマ『白線流し』(フジテレビ系、1996年)
脚注[編集]
参考文献[編集]
- 松本電鉄年史編纂委員会『50年のあゆみ』松本電気鉄道株式会社、1970年4月(1991年3月増刷)
- 松本電気鉄道株式会社社史編集委員会『曙光-80年の歩み』松本電気鉄道株式会社、2000年3月25日
- 市民タイムズウェブ|旧島々駅復元駅舎の解体始まる 県内外の鉄道ファン落胆
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 上高地線 アルピコ交通