東京ゲームショウ
「東京ゲームショウ」(とうきょうゲームショウ、TOKYO GAME SHOW)とは、コンピュータエンターテインメント協会(CESA)の主催にる主権によって開催される、コンピューターゲームを全般とするゲーム業界全般の世界でも最大級規模の総合展示会である。略称として「TGS」と表記され、本項もそれに従って説明する。E3、Gamescomと並ぶ世界三大ゲームショウでもある。
概要[編集]
「入場ゲート(2008年)」~「ソニー、2006年」
毎年2〜3月頃にその年の開催規模が決定され、3〜6月頃にから各社各陣営の出展希望が決められ、当日のブース設営位置なども7月に決められる。初日(通常木・金曜日)はビジネスデイとして原則的に一般公開はされず、ゲーム業界関係者およびマスメディアなどに公開される。このイベントは年末商戦に向けての各社のメーカーなどに新作発表や展示などの意味合いも込められており、1996年の第1回開催以来、毎年大勢の来場者を集め、日本のゲーム業界およびゲームファンにとっての年にさらに世界へのアピールもかねて一度の祭典となっている。特に2007年以降スマートフォンさらには携帯電話ゲームの部門においては最大規模の出店が開催される。
一方、2000年代における日本ゲーム業界の世界的な市場におけるシェア縮小などの売上を伸ばす作品の海外との競合、TGSより先行して行われるアメリカのゲームイベント『PAX West』の台頭のより、世界ゲーム市場から見た情勢は重要性は年々低下している現状にある。そのため近年の開催側は、世界規模で認知されるイベントによる復活を目的とした、パフォーマンスを続けるべく出展企業においても露出の高めなイベントコンパニオンを多数起用した。その露出度のレベルは年々上がってきており多数のマニアを喜ばせた。
「東京ゲームショウ2013」では33ヶ国・地域から、352企業・団体が参加。スマートフォンの台道による性能向上を背景さらにはソーシャルゲームなどの表現力を高めた新作ゲームがを中心に集めた一方、年末商戦を前に、新型ゲーム機向けのゲームが数多く発表された。総来場者数は、過去最高の27万197人を記録した。
当展示会では、来場者へのコスプレが認められている。開催初期の頃はゲームを主題とした同人誌即売会が開かれたことがあった。 さらに、年によってはゲーム好きのお笑い芸人やアーティストなどの芸能人のトークセッションイベントが行われる場合もある。
通常は前売り券1,000円、当日券1,200円だが、障害者や70歳以上の人などは、当日券のみだが100円で入場できる。
歴史[編集]
日本のゲームとしての伝統を語る上で日本最大のゲームイベントであり米国で開催されるE3更にはドイツのgamescomと並んで世界三大ゲームイベントの一つとして世界的にも熟知されているこの展示会は1996年9月から開催され毎年恒例として96年開催時から不開催なく開催されてきた。2006年開催時にはファミコンおよび当時の最新機種を振り返る歴史を体感することの出来るミュージアム「テレビミュージアム」が設置され[1]。 、続く2016年で20周年を向かえこれまでに多大な革命的なゲームが出展され世代をまたいで活躍するハード機種に貢献し、その歴史は今もなお語り継がれている
期日[編集]
- 1996年 - 8月の1回(3日間)
- 1997年〜2001年 - 春・秋の年2回(各3日間)
- 2002年〜2006年 - 秋の年1回(3日間)
- 2007年〜 - 秋の年1回(4日間)
会場[編集]
- 東京ビッグサイト(東京都江東区) - 1996年〜1997年春
- 幕張メッセ(千葉県千葉市) - 1997年秋以降
- 東京オートサロン、CEATEC JAPAN、「どきどき」フリーマーケット、ニコニコ超会議、プラレール博、AKB48の握手会などと並んで、幕張メッセの主要イベントの一つとなっている。
沿革[編集]
- 1996年 - 「東京ゲームショウ'96」(第1回)開催
- 1997年 - 展示内容の増加と来場者多数のため、秋の開催から、会場を東京ビッグサイトから幕張メッセに変更。
- 1999年 - 秋の東京ゲームショウより、併催されていた技術説明会がCEDECとして一新された[2]。
- 2002年 - 入場者数と出展者数の伸び悩みから、年1回の開催に変更。
- 2002年 - 以降日経BP社との共催に変更。
- 2007年 - 開催期間を4日間に変更。
- 2007年 - 経済産業省の主導で東京国際映画祭などと統合し、「JAPAN国際コンテンツフェスティバル」の一イベントとして開催される。
- 2008年 - 会場内の電力にバイオマス発電の利用開始。
- 2016年は、外国人からの来場者へのサービス向上を理由に、多言語音声翻訳機をテスト導入し。メガホンヤクやタブレット機器を使用した日本語と英語、中国語さらには韓国語の4カ国語に対応した翻訳サービスを各インフォメーションブース等で提供した[3]。
- 2017年から、コスプレ撮影の参加者に、列を切る行為をとめるため特例を除き、囲み撮影を原則禁止とする措置を執ることとなった[4]。
- 2020年は世界規模での新型コロナウイルス感染拡大に伴い、幕張メッセでの開催は中止とした。過去TGSが初めて開催されてから中止となるのは歴史上初のことである。オンライン上での開催を検討していることを5月8日に発表した[5]。
参加・不参加[編集]
任天堂[編集]
ゲーム業界最大手の任天堂は、同社がコンピュータエンターテインメント協会の特別協賛会員であるが、「入場料が有料である」「東京近辺の人しか来られない」との理由から[6]、TGSへは、基本的に出展していない[7]。ただし、併催される業界向けフォーラムや開催イベントなどには関係者が出席した事例がある[8]。
なお、近年ではTGS開催時期において重要な発表がある場合、業者には任天堂主催のイベント「任天堂カンファレンス」を東京ビッグサイトで行っているが、2012年度はニンテンドーダイレクト等と同じようにUStreamおよびニコニコ生放送を通じてのネット配信に切り替えた。
なお、闘会議では特別協賛として、TGSより先に行われるPAX PRIMEには出展している。
マイクロソフト[編集]
マイクロソフトは東京ゲームショウ2001より毎年出展していたが、2012年度は出展を見送ることとなった[9]。2013年度はXbox Oneの発表もあったことから、出展した[10]。
レベルファイブ[編集]
レベルファイブは2011年のTGSには自社出展せず[11]、独自に「レベルファイブワールド 2011」という自社イベントを10月15〜16日に東京ビッグサイトで開催した。2014年以降は一般出展を取りやめ、ビジネスミーティングエリアのみの出展となった。
日本ファルコム[編集]
1990年代、もともとPCエンジンCD-ROM主体だったからか出展の規模はかなり小さかった、しかし2000年代に入ると家庭用ゲーム機に積極的に参戦し始め、グッズ販売、新作ゲームの展示が多く執り行われていく。2010年代に入るとPC向けソフトウェア開発からは事実上撤退状態となり、空の軌跡シリーズのPS3のリマスタ作品の発表に伴いさらに出展の規模は拡大される事となる。2014年には本イベントの他にコミックマーケット87にメーカー自らが出展した。
アクアプラス[編集]
家庭用ゲームにもソフトを出しているもののアダルトゲームが主体なためか出展の規模はかなり小さかった。しかし2006年、うたわれるもの 散りゆく者への子守唄がヒットするとそれが起爆剤にになったのかそれ以降出展規模が拡大されていくことになる。 2015年では「うたわれるもの 偽りの仮面を」中心とした出展をし、同年、本イベントの出展の他に独自に「大アクアプラス祭 -20th Anniversary-」を開催し個人での出展も行われた。2016年の出展は「うたわれるもの 偽りの仮面を中心」とした出展となっている。
スクウェア・エニックス(旧スクウェア及び旧エニックス)[編集]
スクウェアとエニックスは合併する以前からTGSの歴史に多大に貢献するほど出展してきた。新型ゲームソフトの体験できるコテンツは毎年何作も出展され何時間もの行列が並ぶほどである。2003年、スクウェア・エニックスへと合併した以降もTGS積極的に出展され一つの歴史に大きく貢献した。
その他メーカー[編集]
本イベントに限らず、サブカルチャーのイベント全般に言えることであるが、会場へ直接足を運ぶ労力や、入場有料であるという性質、来客の多くはコアユーザー・マニアが中心となるため、カジュアルなユーザーを対象としたメーカーおよびタイトルは出展を見送る、または小規模となる場合が少なくない。「概要」で述べたように日本市場と海外市場(特に北米と欧州)では世界市場との乖離が大きいため、日本以外のメーカーの出展は東アジア圏以外は少なく、日本の大手メーカーがローカライズを行ったもの以外での欧米タイトル出展は少ない。
その他にも過去に様々な事情で大手メーカーが出展を見送ったことがあった[12]。
開催実績[編集]
回数 | タイトル | キャッチフレーズ | 開催場所 | 開催期間 | 出展数 | 来場者数 |
---|---|---|---|---|---|---|
第1回 | 東京ゲームショウ'96 | ゲームショウでゲームしよう | 東京ビッグサイト | 1996年8月22日 - 24日 | 87社 | 109,649人 |
第2回 | 東京ゲームショウ'97春 | みんな集まれゲームの新学期! | 1997年4月4日 - 6日 | 104社 | 121,172人 | |
第3回 | 東京ゲームショウ'97秋 | The Entertainment of Your Life | 幕張メッセ | 1997年9月5日 - 7日 | 104社 | 140,630人 |
第4回 | 東京ゲームショウ'98春 | ゲームは無限のエネルギー。 | 1998年3月20日 - 22日 | 93社 | 147,913人 | |
第5回 | 東京ゲームショウ'98秋 | ゲームパワー、見せてあげる | 1998年10月9日 - 11日 | 92社 | 156,455人 | |
第6回 | 東京ゲームショウ'99春 | スイッチ・オン! | 1999年3月19日 - 21日 | 82社 | 163,448人 | |
第7回 | 東京ゲームショウ'99秋 | Coming Surprise 〜スゴイは、ここから〜 | 1999年9月17日 - 19日 | 74社 | 163,866人 | |
第8回 | 東京ゲームショウ2000春 | 東京ゲームショウは2000年バージョンへと進化する | 2000年3月31日 - 4月2日 | 66社 | 131,708人 | |
第9回 | 東京ゲームショウ2000秋 | 生活を楽しむエンターテインメント 〜The Entertainment of Your Life〜 | 2000年9月22日 - 24日 | 63社 | 137,400人 | |
第10回 | 東京ゲームショウ2001春 | ゲームが開く21世紀エンタテインメント | 2001年3月30日 - 4月1日 | 53社 | 118,080人 | |
第11回 | 東京ゲームショウ2001秋 | Let's Play together 〜さあ一緒に遊ぼう〜 | 2001年10月12日 - 14日 | 53社 | 129,626人 | |
第12回 | 東京ゲームショウ2002 | 遊びは人類のDNA。 | 2002年9月20日 - 22日 | 85社 | 134,042人 | |
第13回 | 東京ゲームショウ2003 | 遊び心が世界を変える | 2003年9月26日 - 28日 | 111社 | 150,089人 | |
第14回 | 東京ゲームショウ2004 | 最新の感動を、世界のみんなへ | 2004年9月24日 - 26日 | 117社 | 160,096人 | |
第15回 | 東京ゲームショウ2005 | 最前列で未来を見よう。 | 2005年9月16日 - 18日 | 131社 | 176,056人 | |
第16回 | 東京ゲームショウ2006 | 新興奮。新感動。新時代。 | 2006年9月22日 - 24日 | 148社 | 192,411人 | |
第17回 | 東京ゲームショウ2007 | つながって、ひろがって、世界へ。 | 2007年9月20日 - 23日 | 217社 | 193,040人 | |
第18回 | 東京ゲームショウ2008 | さあ、行こう!GAMEの時間です。 | 2008年10月9日 - 12日 | 209社 | 194,288人 | |
第19回 | 東京ゲームショウ2009 | GAMEは、元気です。 | 2009年9月24日 - 27日 | 180社 | 185,030人 | |
第20回 | 東京ゲームショウ2010 | GAMEは、新章へ。 | 2010年9月16日 - 19日 | 194社 | 207,647人 | |
第21回 | 東京ゲームショウ2011 | 心が躍れば、それはGAMEです。 | 2011年9月15日 - 18日 | 193社 | 222,600人 | |
第22回 | 東京ゲームショウ2012 | GAMEで笑顔がつながっていく | 2012年9月20日 - 23日 | 209社 | 223,753人 | |
第23回 | 東京ゲームショウ2013 | GAMEは進化し続ける | 2013年9月19日 - 22日 | 352社 | 270,197人 | |
第24回 | 東京ゲームショウ2014 | GAMEは変わる、遊びを変える。 | 2014年9月18日 - 21日 | 421社 | 251,832人 | |
第25回 | 東京ゲームショウ2015 | もっと自由に、GAMEと遊ぼう。 | 2015年9月17日 - 20日 | 480社 | 268,446人 | |
第26回 | 東京ゲームショウ2016 | エンターテインメントが変わる。未来が変わる。 | 2015年9月17日 - 20日 | 480社 | 268,446人 | |
第27回 | 東京ゲームショウ2017 | さあ、現実を越えた体験へ。 | 2017年9月21日 - 24日 | 480社 | 254,331人 | |
第28回 | 東京ゲームショウ2018 | 新たなステージ、開幕。 | 2018年9月20日 - 23日 | 668社 | 298,690人 | |
第29回 | 東京ゲームショウ2019 | もっとつながる。もっと楽しい。 | 2019年9月12日 - 15日 | 665社 | 262,076人 | |
第30回 | 東京ゲームショウ2020 | 未来は、まずゲームにやって来る | オンライン | 2020年9月24日 - 27日 | 427社 |
出典[編集]
- ↑ “ゲーム業界 ニュース 東京ゲームショウ過去最大の出展数 今年の目玉はどんなコンテンツになるか”. アニメゲームマンガ専門 ラクジョブ新聞 (2016年7月12日). 2016-07-012確認。
- ↑ “TGSの併催イベント「CEDEC」は開発者向け展示会&セミナー”. ITmedia (1999年6月28日). 2013年7月6日確認。
- ↑ 報道向け東京ゲームショウ2016開幕直前情報
- ↑ コスプレイヤーの方へ 東京ゲームショウ公式サイト 「多数の撮影者が集合して1人もしくは少人数を被写体とした撮影(いわるゆカコミ撮影)を原則禁止します。」
- ↑ “「東京ゲームショウ」 通常開催を中止しオンラインで実施検討”. 産経新聞 (2020年5月8日). 2020年5月8日確認。
- ↑ 『ニンテンドードリーム』2007年12月号記載。
- ↑ ただし、一度だけ、2001年春に特別招待された際に、『ゲームボーイミュージック』(後に発売中止。後年『大合奏!バンドブラザーズ』としてニンテンドーDS用タイトルとして再開発・発売された)を出展した事例がある。
- ↑ 2005年のフォーラムでは、その席上でWii(当時は仮称「レボリューション」)の詳細情報(コントローラ(Wiiリモコン)の情報のみ)が発表された。トークイベントや日本ゲーム大賞の表彰などで、任天堂のゲームクリエイターが招かれた事例もある。
- ↑ マイクロソフトがGamescom 2012およびTGS 2012への出展を見送り
- ↑ 出展社一覧(公式サイト)
- ↑ 同年の『ニノ国 白き聖灰の女王』はソニー・コンピュータエンタテインメント、『レイトン教授VS逆転裁判』はカプコンからの出展である。
- ↑ 例として、2000年秋にスクウェア、2001年春にセガとエニックス、2007年にGENKIなどがある