有馬朗人
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有馬 朗人(ありま あきと、昭和5年(1930年)9月13日 - 令和2年(2020年)12月7日)とは、日本の物理学者(原子核物理学)、俳人、政治家である。勲等は、旭日大綬章。学位は理学博士(東京大学、1958年)。東京大学名誉教授、財団法人日本科学技術振興財団会長、科学技術館館長、武蔵学園学園長、公立大学法人静岡文化芸術大学理事長(初代)。文化勲章受章者。国立大学協会会長(第14代)、東京大学総長(第24代)、理化学研究所理事長(第7代)、参議院議員、文部大臣(第125代)、科学技術庁長官(第58代)などを歴任した。
略歴[編集]
大阪府出身。昭和28年(1953年)に東大理学部を卒業する。その後、東大助手、助教授を経て、昭和50年(1975年)に教授となる。平成元年(1989年)から4年間にわたって学長を務めている。
平成8年(1996年)、中央教育審議会会長を務めていた際に学校週5日制の実施など、いわゆるゆとり教育の導入を求める答申をまとめている。2年後の参議院選挙で自民党の比例代表名簿第1位で当選し、小渕恵三内閣において文部大臣に就任した。その後、当時の科学技術庁長官も兼務。さらに科学技術館の館長として、理科教育の普及などにも努めた。参議院議員は1期で引退している。俳誌「天為」を創刊、主宰するなどの俳人でもあり、国際俳句交流協会会長を務め、俳句の国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産登録を目指す取り組みも進めていた。
令和2年(2020年)12月7日、東京都内の自宅で死去。90歳没。同日午前に自宅で死去しているのが発見されたと言われている。
その他役職[編集]
- 財団法人学生サポートセンター理事
- 特定非営利活動法人日中産学官交流機構最高顧問
- 財団法人才能開発教育研究財団理事
- 財団法人日本宇宙少年団顧問
- 国立大学マネジメント研究会顧問
- 財団法人日蘭学会理事長
- 特定非営利活動法人デジタルコミュニティズ推進協議会理事長
- 財団法人岡崎嘉平太国際奨学財団評議員
- 財団法人大河内記念会顧問
- 国際研修システム開発協議会会長
- 財団法人東洋文庫評議員
- 財団法人東レ科学振興会評議員
- 国際俳句交流協会会長
- 特定非営利活動法人日本教育カウンセラー協会顧問
- 特定非営利活動法人日ロ交流協会会長
- 社団法人俳人協会顧問
- 財団法人三菱財団評議員
- 科学技術政策研究所顧問
- 野外文化教育学会顧問
- 全国俳誌協会顧問
- 日本生命保険取締役
- 社団法人文教施設協会会長
- 社団法人日本アイソトープ協会会長
- NPO法人ネットジャーナリスト協会会長
- 社団法人東京都俳句連盟会長
- 「地球を考える会」(ネットジャーナリスト協会分科会)座長
- 日本物理学会会長(第37期:1981年9月1日-1982年8月31日)
- 社会福祉法人恩賜財団済生会会長
受賞歴[編集]
- 1978年 仁科記念賞
- 1987年 フンボルト賞、俳人協会賞(句集『天為』)
- 1990年 フランクリン・インスティテュート・ウエザリル・メダル(アメリカ)、ドイツ連邦共和国功労勲章(大功労従事賞)
- 1993年 日本学士院賞、ボナー賞(アメリカ物理学会)
- 1998年 レジオン・ドヌール勲章
- 2002年 大英帝国勲章(KBE)
- 2004年 文化功労者、旭日大綬章、加藤郁乎賞(句集『不稀』)
- 2007年 詩歌句大賞(句集『分光』)
- 2010年 文化勲章[1]
- 2012年 詩歌文学館賞(句集『流轉』)[2]
- 2017年 名誉都民[3]
- 2018年 毎日芸術賞[4]、蛇笏賞(句集『黙示』)[5]
著書[編集]
- 物理学関係
- 『原子と原子核 量子力学の世界』朝倉書店〈基礎の物理〉、1982年
- 『量子力学』朝倉書店〈朝倉現代物理学講座〉、1994年
- 『物理学は何をめざしているのか』筑摩書房〈ちくまプリマーブックス〉、1995年
- 『大学貧乏物語』東京大学出版会,1996
- 俳句関係・随筆
- 『母国』春日書房、1972年
- 『知命』牧羊杜、1982年
- 『有馬朗人集』俳人協会〈自註現代俳句シリーズ〉、1984年
- 『天為』富士見書房、1987年(第27回俳人協会賞)
- 『有馬朗人 自選三百句』春陽堂書店〈俳句文庫〉、1993年
- 『耳順』角川書店、1993年
- 『立志』角川書店、1998年
- 『有馬朗人 花神コレクション』花神社、2002年
- 『現代俳句の一飛跡』深夜叢書社、2003年
- 『不稀』角川書店、2004年(第7回加藤郁乎賞)
- 『分光』角川学芸出版、2007年(第3回詩歌句大賞)
- 『鵬翼 四海同仁』ふらんす堂、2009年
- 『流轉』角川書店、2012年(第28回詩歌文学館賞)
- 『ゆっくり行こう』ふらんす堂文庫 2015
共編著[編集]
- 『角運動量保存則』大槻義彦共著、共立出版〈物理学one point〉、1991年
- 『基礎物理学』編 学術図書出版社、1991年
- 『複素関数論 物理のための数学入門』神部勉共著、共立出版、1991年
- 『科学はやっぱりおもしろい 夏休み中学生科学実験教室』佐藤次郎共編著、丸善、1995年
- 『21世紀のパワー 教育か破局か・・・』岸川俊明共編著、現代工学社、1999年
- 「一句」シリーズ 宇多喜代子,中原道夫,星野椿,三重県俳句協会共編
- 空の一句 角川書店 2001
- 遊の一句 角川書店 2002
- 水の一句 角川学芸出版 2003
- 風の一句 角川学芸出版 2004
- 音の一句 角川学芸出版 2005
- 木の一句 角川学芸出版 2006
- 山の一句 角川学芸出版 2007
- 光の一句 角川学芸出版 2008
- 火の一句 俳句のくにから 角川学芸出版 2009
- 国の一句 俳句のくにから 角川学芸出版 2010
- 人の一句 俳句のくにから 角川学芸出版 2011
翻訳[編集]
- A.ボーア, B.R.モッテルソン 『原子核構造』1-2、共訳、講談社、1979-80年
- C.H.マックギラフィ 『エッシャー<シンメトリーの世界>』サイエンス社〈サイエンス叢書〉、1980年
- P.A.M.ディラック 『現代物理学講義』松瀬丈浩共訳、培風館、1985年
- J.P.キリンベック 『パーソナルコンピュータによる量子力学』川合敏雄共訳、サイエンス社、1985年
テレビ出演[編集]
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ↑ “文化勲章受章者の略歴と業績”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2010年10月26日) 2019年6月24日閲覧。
- ↑ “有馬朗人『流轉』(2012年11月/角川書店)”. 日本現代詩歌文学館. 2019年6月24日確認。
- ↑ 平成29年度名誉都民候補者東京都生活文化局 報道発表資料 2017年08月25日
- ↑ “社告:第59回毎日芸術賞”. 毎日新聞 (毎日新聞社). (2018年1月1日) 2019年6月24日閲覧。
- ↑ “【決定のお知らせ】第52回蛇笏賞”. お知らせ. 角川文化振興財団 (2018年3月27日). 2019年6月24日確認。