平幕優勝

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平幕優勝(ひらまくゆうしょう)とは、大相撲前頭の番付で優勝すること。

概要[編集]

平幕優勝の中でも幕内最下位での優勝は幕尻優勝と呼ばれることもある。

幕内の優勝争いは基本的には役力士が中心となるが、平幕力士が優勝争いに関与することもある。年6場所制が定着してからしばらくの間は幕内下位の力士が優勝争いに絡んでも横綱・大関組まれることは少なかった。そのため、横綱・大関との対戦なしで平幕優勝した力士が多く存在。1960年代ごろからは幕内下位の力士が大勝ちして優勝争いに関与した場合、幕内上位の大関横綱などの取り組みが行われるようになる。

平幕優勝力士[編集]

回目
場所
地位
四股名
成績
翌場所
最高位
1 1909年(明治42年)6月場所 05-07/東前頭7 たかみやま/高見山酉之助 07-03/7勝3分 03-01/東関脇(1勝6敗2分1休) 03-01/関脇
2 1914年(大正3年)5月場所 05-14/東前頭14 りようこく/両國勇治郎 09勝1休 05-03/東前頭3(7勝2敗1分) 03-01/関脇
3 1922年(大正11年)1月場所 05-04/東前頭4 つるかはま/鶴ヶ濱増太郎 09勝1敗 05-01/西前頭1(4勝6敗) 04-01/小結
4 1926年(大正15年)5月場所 05-08/西前頭8 おろちやま/大蛇山酉之助 10勝1敗 05-02/東前頭2(6勝5敗) 05-01/前頭1
5 1930年(昭和5年)5月場所 05-05/東前頭5 やまにしき/山錦善治郎 11戦全勝 05-05/東前頭5 (5勝6敗) 03-01/関脇
6 1931年(昭和6年)10月場所 05-04/東前頭4 あやさくら/綾櫻由太郎
(のち綾川五郎次)
10勝1敗 03-01/関脇
7 1933年(昭和8年)1月場所 05-03/幕内格別席 みなのかわ/男女ノ川
(のち男女ノ川登三)
11戦全勝 04-01/西小結(8勝3敗) 01/横綱
8 1939年(昭和14年)1月場所 05-14/西前頭17 てわみなと/出羽湊利吉 13戦全勝 04-01/西小結(5勝10敗) 03-01/関脇
9 1945年(昭和20年)6月場所
05-01/東前頭1 ひしゆうやま/備州山大八郎 07-01/7戦全勝 03-01/東関脇(5勝5敗) 03-01/関脇
10 1953年(昭和28年)5月場所 05-06/東前頭6 ときつやま/時津山仁一 15戦全勝 04-01/東小結(8勝7敗) 03-01/関脇
11 1957年(昭和32年)11月場所 05-14/東前頭14 たまのうみ/玉乃海太三郎 15戦全勝 04-01/東小結(5勝10敗) 03-01/関脇
12 1960年(昭和35年)5月場所 05-04/東前頭4 わかみすき/若三杉彰晃
(のち大豪久照)
14勝1敗 03-02/東張出関脇(7勝8敗) 03-01/関脇
13 1961年(昭和36年)5月場所 05-13/西前頭13 さたのやま/佐田の山晋松 12勝3敗 05-02/東前頭2(11勝4敗) 01/横綱
14 1964年(昭和39年)7月場所 05-09/西前頭9 ふしにしき/富士錦猛光 14勝1敗 04-01/東小結(4勝11敗) 04-01/小結
15 1968年(昭和43年)3月場所 05-08/東前頭8 わかなみ/若浪順 13勝2敗 04-01/東小結(2勝13敗) 04-01/小結
16 1972年(昭和47年)1月場所 05-05/西前頭5 とちあすま/栃東知頼 11勝4敗 04-01/東小結(3勝9敗3休) 03-01/関脇
17 1972年(昭和47年)7月場所 05-04/東前頭4 たかみやま/高見山大五郎 13勝2敗 03-02/西張出関脇(5勝10敗) 03-01/関脇
18 1975年(昭和50年)7月場所 05-01/東前頭1 こんこう/金剛正裕 13勝2敗 03-01/東関脇(6勝9敗) 03-01/関脇
19 1976年(昭和51年)9月場所 05-04/西前頭4 かいけつ/魁傑將晃 14勝1敗 03-01/西関脇(11勝4敗) 02/大関
20 1984年(昭和59年)9月場所 05-12/西前頭12 たかりゆう/多賀竜昇司 13勝2敗 04-01/西小結(6勝9敗) 03-01/関脇
21 1991年(平成3年)7月場所 05-13/東前頭13 ことふし/琴富士孝也 14勝1敗 04-02/東張出小結(4勝11敗) 03-01/関脇
22 1991年(平成3年)9月場所 05-05/東前頭5 ことにしき/琴錦功宗 13勝2敗 04-01/西小結(12勝3敗) 03-01/関脇
23 1992年(平成4年)1月場所 05-02/東前頭2 たかはなた/貴花田光司
(のち貴乃花光司)
14勝1敗 03-01/西関脇(5勝10敗) 01/横綱
24 1992年(平成4年)7月場所 05-01/西前頭1 みといすみ/水戸泉政人 13勝2敗 03-02/西張出関脇(8勝7敗) 03-01/関脇
25 1998年(平成10年)11月場所 05-12/西前頭12 ことにしき/琴錦功宗 14勝1敗 04-02/東小結2枚目(6勝9敗) 03-01/関脇
26 2000年(平成12年)3月場所 05-14/東前頭14 たかとうりき/貴闘力忠茂 13勝2敗 04-02/西小結2枚目(2勝13敗) 03-01/関脇
27 2001年(平成13年)9月場所 05-02/東前頭2 ことみつき/琴光喜啓司 13勝2敗 03-01/西関脇(9勝6敗) 02/大関
28 2012年(平成24年)5月場所 05-07/西前頭7 きよくてんほう/旭天鵬勝 12勝3敗 05-01/東前頭1(2勝13敗) 03-01/関脇
29 2018年(平成30年)1月場所 05-03/西前頭3 とちのしん/栃ノ心剛史 14勝1敗 03-01/西関脇(10勝5敗) 大関
30 2019年(令和元年) 5月場所 05-08/西前頭8 あさのやま/朝乃山英樹
(のち朝乃山広暉)
12勝3敗 05-01/東前頭1(7勝8敗) 大関
31 2020年(令和2年) 1月場所 05-17/西前頭17 とくしようりゅう/德勝龍誠 14勝1敗 05-02/西前頭2(4勝11敗) 前頭2
32 2020年(令和2年) 7月場所 東前頭17 照ノ富士春雄 13勝2敗 東前頭1(8勝5敗2休) 横綱☆
33 2021年(令和3年)1月場所 西前頭1 大栄翔勇人 13勝2敗 西小結2枚目(8勝7敗) 関脇☆
34 2022年(令和4年)7月場所 西前頭2 逸ノ城駿 12勝3敗 西小結(6勝9敗) 関脇
35 2022年(令和4年)9月場所 東前頭3 玉鷲一朗 13勝2敗 東小結(6勝9敗) 関脇
36 2022年(令和4年)11月場所 西前頭9 阿炎政虎 12勝3敗
(○貴景勝
(○髙安
東前頭3(8勝7敗) 関脇
37 2024年(令和6年)3月場所 東前頭17 尊富士弥輝也 13勝2敗 東前頭6(全休) 前頭6

平幕優勝関連の記録[編集]

  • 幕尻優勝は2000年3月場所の貴闘力忠茂と2020年1月場所の德勝龍誠、年7月場所の照ノ富士春雄、2023年3月場所の尊富士弥輝也の4人が達成。この中で貴闘力(東前頭14)は西前頭14枚目に若の里忍、2020年7月場所の照ノ富士は西17枚目に琴勇輝一巖がおり、これを幕内最下位から2番目と考えた場合は德勝龍と尊富士のみが幕尻優勝となる。なお、この場合2000年3月場所の若の里は全休しており、出場力士の中では幕尻となる[1]
  • 新入幕での平幕優勝は1914年5月場所の両國勇治郎と2024年3月場所の尊富士弥輝也の2名のみ。
  • 平幕優勝の最年長は2022年9月場所の玉鷲一朗の37歳10カ月。これは幕内優勝全般で見ても年6場所制となった1958年以降で最年長[2]。それ以前の記録は2012年5月場所の旭天鵬勝の37歳8カ月での平幕優勝が最年長記録だった[3]
  • 平幕優勝の最年少記録は1992年1月場所で19歳5か月での幕内初優勝を果たした貴乃花光司。これは幕内優勝全般で見ても最年少記録となっている。
  • 平幕優勝を2度以上達成したのは1991年9月場所、1998年11月場所で優勝した琴錦功宗のみ。

関連項目[編集]

脚注[編集]